成熟への道を歩み始めたミニバン トヨタ エスティマ/エスティマハイブリッド
カテゴリー: トヨタの試乗レポート
2016/07/20
10年以上愛され続ける現行型エスティマ
発売から10年が経過した現行型エスティマ/エスティマハイブリッドのBMC(ビッグマイナーチェンジ)モデルである。基本骨格は従来と同様であるが、試乗した印象では目に見えない部分の精度が煮詰められていた。
まずはガソリンモデルの試乗だ。ステアリングとシートのポジショニングは古さを感じない。小さな部分だが、現行型の完成度の高さがあらためてうかがい知れる。だからこそ、モデルチェンジではなく、BMCを選択できたのだ。プラットフォームはレクサスでも使われている実績のある代物。2.4L4気筒エンジンは、始動のノイズは少ないが、発進時は最近の4気筒に比べて若干振動が伝わる。だが、高負荷を与えず走れば静粛性は良好だ。サスペンションは、ボディをいたわるように、動き出しから高速域までスムーズに動き、操縦安定性も良好。ダンパーもいい具合だ。元々のプラットフォームの良さをあらためて実感する。2列目シート付近のフロアの振動も、乗員が2人のれば収まってしまう程度だ。
試乗した瞬間、エスティマの成熟を感じたハイブリッドモデル
続いてハイブリッド試乗。今回のBMCでは、静粛性を大きく進化させてきた。ガソリンモデルと比較すると、走り出したときの乗り心地も良い。高級感さえ感じるほどだ。加速時のフィーリングも、ボディが軽やかに感じてとても良い。エマージェンシーのために取り付けられている電気式の四輪駆動ではあるが、リアサスペンションの収まりが良く、バッテリーやディファレンシャルなどの重量物の搭載位置が熟慮されていることがわかる。その結果として、安心感を伴ったドライビングフィールへとつながっている。
成熟したブランドというポジションを築いた感のあるエスティマ。旧型を含め、国内にはまだ40万台のエスティマが走っているそうだ。代々エスティマを乗り継ぐユーザーも多いという。そう考えると、フルモデルチェンジではなくBMCで熟成を重ねるという選択肢にもうなずける。
【SPECIFICATIONS】
トヨタ エスティマハイブリッド AERAS PREMIUM-G ■乗車定員:7名
■エンジン種類:ハイブリッド
■最高出力:110(150)/6000[ kW(ps)/rpm]
■最大トルク:190(19.4)/4000[N・m(kgf・m)/rpm]
■駆動方式:4WD
■排気量:2362cc ■全長:4820mm;全幅:1810mm;全高:1760mm
■ホイールベース:2950mm
■車両重量:1990kg
■車両価格:4,928,727円(税込)
あわせて読みたい
- アウトドアブームの過熱を引き金に、規格外に車内が広い車の注目度が上がる!?
- 【総予算100万円!】格安90’sミニバンを自分仕様に仕上げて遊ぶ(後編)
- 【トヨタ タンクの中古車を買うなら?】オススメの選び方や相場、グレードなどを徹底解説
- 現行型ヴォクシーの平均価格が200万円切り目前|迫力重視の「煌」も、燃費重視のハイブリッドも買い時到来
- 【総予算100万円!】格安90’sミニバンを自分仕様に仕上げて遊ぶ(前編)
- 次期クラウンの開発事情
- VIP=セダンの時代は終わった!? ラージサイズミニバンの2列4人乗り仕様で、極上の贅沢を味わおう
- 【試乗】新型 フォルクスワーゲン T-Cross│「TさいSUV」はハッチバックよりもどこが欲張りか? 実際に乗って考えた
- 今はもう中古車でしか味わえない高純度FR、国産を代表するミドルセダンのレクサス GS【Back to Sedan】
- 世界で3社しか市販していないレアなFCVの1台、トヨタ MIRAIのドライブフィールに注目! 【EDGE’S Attention】