カローラの新提案だが、その上を行く走りの良さが魅力

(Tester/島崎七生人 Photo/尾形和美)

コンセプト
北米向けサイオンxBを日本市場用にアレンジ

トヨタ カローラルミオン フロント|ニューモデル試乗トヨタ カローラルミオン リア|ニューモデル試乗トヨタ カローラルミオン インパネ|ニューモデル試乗
顔と名前がまだ一致しない!? “デカbB”のほうが通りが良さそう!? ともかく、北米市場向けサイオンxB(=現地版bB)を日本向けに仕立てたモデル…である。カローラ一族を名乗るも、プラットフォームはオーリス/ブレイド系のそれ。ゆえにボディサイズも堂々と3ナンバーだ。

一見するとその箱形の外観はbB風。だが、ウネウネさせた余分なプレスラインなどがない分、スッキリした印象を受ける。ドア断面の張り、厚み感は、この車に力強いカタマリ感を与えている。四角っぽいが、角の丸みが質感を高めてもいる。とはいえサイドウインドが立っており、いい意味で実用車然としたフォルム。大人のユーザーが普段使いの道具として乗ってもイケそうである。

室内&荷室空間
居心地の良い独特な囲まれ感のある室内

トヨタ カローラルミオン フロントシート|ニューモデル試乗トヨタ カローラルミオン リアシート|ニューモデル試乗トヨタ カローラルミオン スピーカー|ニューモデル試乗
室内の居心地は独特。運転席に座ると、インパネやベルトライン(サイドウインドウ下端)が高め、ルーフが低く落ちた印象で(頭上空間自体は十分)、やや穴蔵(あなぐら)感あり。インパネはセンターメーター風のあっさりとしたデザイン。ドライバー正面のフードから連なるデッドスペースは削ってあればよりスッキリしそう。4連メーターの位置と並びは左ハンドルに対し裏返してある。

後席は座面が床に対しやや低めで前席同様、目線に対し窓が高め。しかし空間は余裕があり座面を持ち上げると収納スペースが用意されるなど、利便性にも配慮。バックドアは手応えのあるダンパーに支えられている。ラゲージは、有効スペースが広く平らなうえ、奥行きがあって良い。

ドライブフィール
軽快な走りの1.5L、さらに重厚な走り味の1.8Lもいい

トヨタ カローラルミオン 走り|ニューモデル試乗トヨタ カローラルミオン アルミホイール|ニューモデル試乗トヨタ カローラルミオン ラゲージ|ニューモデル試乗
エンジンは1.5Lと1.8Lの2機種を設定。動力性能は1.5Lでも不満は感じず、CVTの自動変速に任せて走らせてもストレスはなかった。ステアリングも適度な軽さで走りっぷりは、言葉で表現すると軽快でさわやかといったところ。

一方で1.8Lは、1.5Lから乗り替えると、アイドリング時の振動の少なさからその“差”を実感する。動き出しのしっとり感も1.5Lを上回る。さらに加速させると、エンジンを許容範囲手前まで無理なく回しながら走ることもでき、その際のノイズも十分な低さだ。1.5Lよりステアリングが重めに感じることもあり、走りっぷりの重厚感もある。オプション設定される16インチタイヤがわずかにゴツつくも、ピッチングがよく抑え込まれているため快適である。

こんな人にオススメ

“大人のふりかけ”ならぬ“大人のbB”だと思った。大人でも決して気恥ずかしくなく乗れ、外界からの守られ感があるのも安心材料だ。だとしたらオーリスに続きこのルミオンにこそ、アメリカつながりでTUMIバージョンを!とリクエストしておこう。レザーとナイロンのコンビのLXTラインなどベースにしたら似合うのではないだろうか?
主要諸元のグレード 1.8Sエアロツアラー
駆動方式 2WD
トランスミッション CVT
全長×全幅×全高(mm) 4210×1760×1630
ホイールベース(mm) 2600
車両重量(kg) 1310
乗車定員(人) 5
エンジン種類 直4DOHC
総排気量(cc) 1797
最高出力[kW(ps)rpm] 100kW(136ps)/6000rpm
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 175N・m(17.8kg-m)/4400rpm
10・15モード燃費(km/L) 15.4
ガソリン種類/容量(L) 無鉛レギュラー/50
車両本体価格 1.8Sエアロツアラー(FF) 210万円