どのグレードでも上質かつゆとりの走り。買うなら6人仕様だ

(Tester/島崎七生人 Photo/尾形和美)

コンセプト
大人4人が楽しむ新しい車スタイルを提案

トヨタ マークXジオ フロント|ニューモデル試乗トヨタ マークXジオ リア|ニューモデル試乗トヨタ マークXジオ インパネ|ニューモデル試乗
ショーモデル(FSC=2005年の東京モーターショー)時点でオデッセイ対抗馬といわれたマークXジオ。ところがいざフタを開けてみれば、子離れ世代がメインターゲットという。カタログも“友人夫妻と余暇を楽しむ大人”が主人公になっているが、そういう大人向けの車というわけだ。

外形スタイルは、量産車より65mmも低全高だったショーモデルのイメージを忠実に再現することに力が注がれた。そのかいあって、機能一辺倒のミニバンとはひと味違う佇まいに。独創的だし、優雅で落ち着いた印象をもつ。

なおマークXのブランドを名乗るも、現行セダンとプラットフォームは別物。この点では、かつてのマークⅡとワゴンのクオリスとの関係性と同じだ。

室内&荷室空間
1&2列目のゆとりある空間は新しい“贅沢”を提供する

トヨタ マークXジオ フロントシート|ニューモデル試乗トヨタ マークXジオ 2列目シート|ニューモデル試乗トヨタ マークXジオ 3列目シート|ニューモデル試乗
室内空間は理屈抜きで居心地がいい。とくに1、2列目シートはたっぷりとしたサイズ、厚み感で、自然に体を支えてくれる形状なのが好ましい。7人乗りの2列目ベンチシートの左右席も適度なホールド感、一方で3列目は緊急用と割り切るべし。605mmの高さにセットされた運転席は乗降性が良く、セダンの自然さとミニバンの見晴らしの良さを両立させている。手元に寄せられた位置のシフトも操作性がすこぶる良い。

室内デザイン、色遣いも上品かつ上質。空調ダイヤル部の指標が操作時、時計の針のように振れる動きと仕掛けが楽しい。3つのモードを作り出す要のデュアルラゲージボードはアイデアは意欲的なので、操作性がよりシンプルになれば価値観が上がる。

ドライブフィール
侮れない2.4Lの軽快な走り、18インチ仕様は硬めの乗り心地

トヨタ マークXジオ ラゲージ|ニューモデル試乗トヨタ マークXジオ デュアルラゲージボード|ニューモデル試乗トヨタ マークXジオ アルミホイール|ニューモデル試乗
搭載エンジンは2.4L(163ps/22.6kg-m)がメインだが、3.5L(280ps/35.1kg-m)モデルも設定される。3.5Lは当然ながらチカラに余裕があるから、常にアクセルを大きく踏み込まなくとも頼もしいパワー感だし、滑らかな回転フィールと音/振動の少なさが魅力。一方で2.4Lも、エンジン音と振動は若干高まるものの、たとえ3.5Lと乗り比べても、動力性能にまったく不満は感じない。CVTのマナーも問題なしだ。2.4Lは4WD車も含め、軽快な走りっぷりになっている。

乗り心地は基本的にピッチングが抑えられた設定なのがよい。ただし18インチタイヤは段差の通過時などのショックが伝わりやすく、現状では16インチタイヤ装着車のほうがより快適。

こんな人にオススメ

“大人な車”だ。6人乗りの後席に大事な友人夫妻を招き、どこかにおいしいものでも食べに行く…。まさしくそんな用途に、この車の前席と平等以上の後席はかなっている。なので、例えば「走りっぷり、快適性はクラウン並み」などと言えるよう磨きがかかれば、車としての説得力も、さらにアップするに違いない。
主要諸元のグレード 350G
駆動方式 2WD
トランスミッション 6AT
全長×全幅×全高(mm) 4695×1785×1550
ホイールベース(mm) 2780
車両重量(kg) 1660
乗車定員(人) 6
エンジン種類 V6DOHC
総排気量(cc) 3456
最高出力[kW(ps)rpm] 206kW(280ps)/6200rpm
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 344N・m(35.1kg-m)/4700rpm
10・15モード燃費(km/L) 10.2
ガソリン種類/容量(L) 無鉛プレミアム
車両本体価格 350G 333万円
240G(FF) 286万円
240F(FF) 271万円