スペックからは想像できない上質な乗り味のコンプリートカー

  • トヨタ マークX“+Mスーパーチャージャー” 走り|ニューモデル試乗
  • トヨタ マークX“+Mスーパーチャージャー” エンブレム|ニューモデル試乗
  • トヨタ マークX“+Mスーパーチャージャー” リアスタイル|ニューモデル試乗

PERFORMANCEエンジン種類やミッション、最新装備などを解説

モデリスタのコンプリートカー

トヨタ車の架装などを手がける“トヨタモデリスタインターナショナル”がチューンしたコンプリートカー。最大の特徴は専用のスーパーチャージャーとECU(車両用コンピュータ)の専用セッティングによる3.5Lエンジン。設定グレードは標準装備に準じたプレミアム系2種とスポーティな外観の350S。

DRIVING実際に運転してのドライビングフィールを解説

衝撃のパフォーマンス

素のマークXもよくできているが、足りなかったのは「背中を蹴飛ばされるような」瞬発力と切れめのない加速感。ノーマルに比べ42ps&12kg-mアップのスペック。特にスーパーチャージャーの特性を生かした低速域から発生するトルクの最大値は50kg-mを超え、もはやあのレクサスLF Aを凌ぐ数値だ。
  • トヨタ マークX“+Mスーパーチャージャー” スーパーチャージャープレート|ニューモデル試乗
  • トヨタ マークX“+Mスーパーチャージャー” エンジン|ニューモデル試乗
  • トヨタ マークX“+Mスーパーチャージャー” ホイール|ニューモデル試乗

SPACE室内空間の広さや演出を解説

もう少し“特別感”が欲しい

室内はノーマルと同じ。トヨタによれば「この手の車でシートなどを載せ替える人は徹底的にやるので、そこはあえてユーザーの意志にまかせた」と。つまりエンジンなどを含めたベースだけをしっかりと作ってあとはご自由に…ということだろう。それでももう少しスペシャル感は欲しかったのだが…。

OWNERSHIPスタイルや品質など所有する喜びなどを検証

欧州車と互角の勝負

ライバルは国産車ではなく欧州車。例えばBMW5シリーズなどと比較した場合、スペックは上だがお買い得感は高い(それでも500万円は超える)。今や国産車でFRセダンを作っているのはトヨタと日産くらい。FRの走りを堪能しつつより高い次元の走りを欲している人には魅力的な選択と言える。

SPECIFICATIONS

グレード 350S
駆動方式 FR
トランスミッション 6AT
全長×全幅×全高(mm) 4730×1795×1415
ホイールベース(mm) 2850
車両重量(kg) 1580
乗車定員 5人
エンジン種類 V6DOHC+スーパーチャージャー
総排気量(cc) 3456
最高出力 265kW(360ps)/6400rpm
最大トルク 498N・m(50.8kg-m)/3200rpm
車両本体価格 487万3000円~530万3000円

RATING走行性能だけでは車は語れない。そこで快適装備の充実度や安全性の高さ、環境性能、燃費、バリューの5つのポイントで評価する(※点数は標準車のものです)

総合評価15/ 25
EQUIPMENT(装備)2/ 5
試乗した350Sは6スピーカーのみのオーディオレス仕様。装備に関してはマークXのベース車にほぼ準じる形となる。もちろんメー カーオプションのHDDナビ(33万4950円~)も選ぶことができる
SAFETY(安全性)4/ 5
元々スポーティな仕様である350Sの場合、アクティブステアリングとVSC+TRCなどを統合制御するワンランク上のVDIMを標準装備。このほかにフルエアバッグやディスチャージヘッドランプも装備する
ECO(環境性能)3/ 5
チューニングパーツを架装工場内で組み上げたコンプリートカーの特性上、環境性能に関しては公表されていない。参考までにベース車の350Sの場合、平成17年度規準排出ガスは75%低減となる
MILEAGE(燃費)2/ 5
環境性能同様コンプリートカーということで10・15モード燃費は公表されていない。ベース車は10.2km/Lだが、並外れた驚異的な パフォーマンスと燃費はトレードオフの関係になるだろう
VALUE(バリュー)4/ 5
コンプリートカーでは実績のあるモデリスタ。何よりもトヨタグループなので品質も含めトータルバランスは抜群だろう。見た目の価 格は高いが、中身とその車の意味を考えれば決して高くはない
写真:尾形和美 文:高山正寛