生産終了した希少な4WDオープンのアウディ TTロードスターは、価格と程度のバランスが良い5年落ちが狙い目
2021/02/22
4WDを搭載している希少なコンパクトスポーツオープンカー
発売されてから年月が経つほど中古車の台数が増えて選びやすいが、あまり年式が古すぎるのも困る。
そんな台数と年式のベストバランスが、最も販売台数の多いデビュー年に登録され、かつ車検を期に手放されがちな「デビュー5年落ち」モデルだ。
そもそも新車は、販売台数を見れば明らかだが、デビューした年が最も売れる。それを手放すタイミングは、車検時期が多い。「車検費用を払うならそろそろ次の車にしようかな」と考えやすいからだ。つまり、その車がデビューした3年後、5年後、7年後……が中古車の増える目安のひとつとなる。
その中でも「5年後」をオススメするのは、3年落ちよりは値落ちが進んでいて、7年落ちよりは中古車の状態に期待ができそうだからだ。
このように、価格と状態のバランスがちょうどいいのが“5年落ち"だと言えるだろう。
今回は、ベストバランスの5年落ち物件の掲載が比較的多い、2人乗りオープンカーのアウディ TTロードスターを紹介する。
マツダ ロードスターがライトウェイトオープンスポーツカーの王道だとすれば、こちらはプレミアムコンパクトスポーツを掲げるTTのロードスターバージョンだけに、走行性能はもちろん、日常でのさりげない使い勝手にも気を配っているモデルだ。
ところが電動化の荒波もあり、2020年内で生産が終了。もはや中古車でしか手に入らない希少車となった。しかも、原稿執筆時点でわずかに10台しかない。今後コンディションは落ちていくばかりになりそうなので、今のうちに手に入れておいきたいスポーツオープンカーだ。
最新世代のクワトロが燃費とスポーツ性を両立させる
2015年8月に、クーペとともに日本に上陸した3代目TTロードスター。搭載されたエンジンは最高出力230psを発揮する2Lターボで、駆動方式はもちろん同社の4WDシステム、クワトロだ。トランスミッションは2ペダル・デュアルクラッチ式MTの6速Sトロニックとなる。
最大トルク370N・mは1600~4300rpmという低速から幅広い回転域で発揮されるため、街でも乗りやすく、いざアクセルを踏めば力強く加速してくれる。
最新世代のクワトロは、通常では前輪のみに駆動力を配分し、燃費向上を図る。前後輪に速度差が生じるか、全開加速などで高い駆動能力が必要となると、瞬時に四輪に駆動トルクが配分される。
走行状況に応じて車をコントロールする「アウディドライブセレクト」には、コンフォート/オート/ダイナミック/エフィシェンシー/インディビジュアルという5つのモードが用意されている。
ドライバーが選んだ走行モードに応じて、クワトロの制御や、アクセルペダルのレスポンス、Sトロニックにシフトポイントなどを自動でコントロールしてくれるので、安心して快適に走ることができる。
新車時の約半額まで値落ちしてきた今が狙い目
TTシリーズは2019年4月に一部改良が行われたが、TTロードスターに関しては内外装に少し手直しが加えられただけ。動力性能面での変更は行われなかったので、高年式にこだわる必要は少ないと言える。
デビュー時の車両本体価格は605万円。原稿執筆時点で見つかった10台のうち、2015年式は4台。10台すべて5万km未満と走行距離も少ない。
5年落ちモデルを中心に、すでに新車時の半額近くまで値落ちが進んでおり、支払総額約360万円から狙える。コンディションの良いTTロードスターを狙うなら、今がチャンスではないだろうか。
なお2017年5月には、TTロードスターの高性能バージョンであるTT RSロードスターが登場している。こちらは新車時の車両本体価格が約1000万円で、中古車価格もTTロードスターのざっと2倍するし、中古車台数も3台とぐっと少ない。デビューからまだ4年しか経っていないので、気になる車が見つからない限り、もう少し様子を見ていいだろう。
▼検索条件
アウディ TTロードスター(3代目)×2015年式×全国▼検索条件
アウディ TTロードスター(3代目)×全国ライター
ぴえいる
『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。
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