コンパクトからラージサイズまで揃い踏み! メルセデス・ベンツの好調なセールスを支えるSUVファミリーの中古車事情を探る
2020/12/31
メルセデスのセールスを支えるSUVファミリー
現在のメルセデスのSUVラインナップは、Gクラスをイメージリーダーとして置き、すべてのSUVモデルが “GL” +クラスで車名を構成している。
GLAに始まり、2020年6月には新たにコンパクトながら7人乗りのGLBを加え、GLC、GLE、GLSと多彩なモデルを用意。さらにGLCとGLEには派生のクーペモデルを加え、すべてにハイパフォーマンスなAMGモデルを設定している。
また、2019年に国内でも電気自動車のSUV、EQCがデビュー。そして、GLSをベースとした最上級モデルのメルセデス マイバッハ GLSというモデルも発表された(国内導入は未定)。
そんなSUVの充実振りをみせるこのタイミングで、あらためて中古車マーケットにおけるメルセデスSUVの動向を探ってみた。
コンパクトでも先進性はピカイチ
新型が2020年に発売されたばかりだが、当年式のいわゆる登録済未使用車も流通している。ただし、新車人気が高いこともあり、相場は600万円台と新車とほぼ変わらない。
街乗りをメインに使うのであれば、4MATICではなく先代のGLA180あたりが狙い目。250万円前後の予算で、2~3年落ちの低走行物件が見つかる。
レーダーセーフティパッケージはぜひとも付けておきたい装備だ。
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GLA×全国登場したばかりゆえにオイシイのはこれから
2020年6月に登場したばかりのコンパクト7シーターSUV。指名買いする人が多く、早いタイミングで年内生産分は受注を終えたという話も……。
2020年12月上旬時点で流通している中古車は全国でわずかに12台。人気モデルだけに2WDの200dで600万円台、250 4MATICは700万円台と、いずれも新車並みの相場となっている。
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GLB×全国性能と価格のバランスが秀逸な1台
2016年にデビューしたGLCは、現行型Cクラス(W/S205)をベースとしたモデルだ。2017年には派生モデルのGLCクーペを追加。2019年にマイナーチェンジをうけ、内外装のデザインが一新された。
前期モデルには二輪駆動のグレードも販売されたが、現行のラインナップは4MATICのみとなっている。
最初期型でも300万円を切る物件はほとんどなく、中古車相場も450万円あたり。また、GLCクーペも最廉価グレードで400万円前後と高値をキープしている。
このサイズのメルセデスSUVを安価にということであれば、GLCのルーツであるGLKクラスを狙ってみるのも手だ。当時の4MATICの構造上、左ハンドルモデルのみの設定で日本ではそれほど人気を得られなかったが、250万円ほどの予算でパワフルなGLK350 4MATICなども見つかる。
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GLC/GLCクーペ×全国Mクラスをルーツにもつラグジュアリー色を強めたSUV
GLEクラスのルーツは、1998年に発売したMクラスだ。
MクラスはMLという名称で3世代にわたって生産され、2015年の3代目MクラスのマイナーチェンジのタイミングでGLEクラスへと名称変更された。
2016年には派生モデルのGLEクーペも登場している。そして2019年に2世代目へとフルモデルチェンジした。
新型GLEは、流通台数が少なく相場は1000万円前後と高値安定だ。GLEとしては初期型となる2015~16年式で300万円台後半~、それなりの程度を求めれば500万円ほどの予算は必要になる。
300万円前後の予算であれば、GLEの前身であるMクラスを狙う手もある。GLEクーペは高値安定で最低でも550~600万円の予算が必要だ。
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GLE/GLEクーペ×全国SUVのフラッグシップカーらしい重厚な乗り味
GLSクラスのルーツは、2006年に登場したGLクラスだ。メルセデスSUVにおけるフラッグシップモデルであり、元祖3列シート7人乗り仕様でもある。
2012年に2世代目へとモデルチェンジし、GLEと同様に2015年のマイナーチェンジのタイミングでGLSと車名変更された。
そして、2019年に現行型のGLSへとフルモデルチェンジする。
GLSは流通台数が少ないこともあり、初期型で走行距離の多い物件も550~600万円あたりの価格がつけられている。
GLクラスまでさかのぼれば、200万円を切る価格でも見つけることができるが、13~14年落ちのモデルが多いだけに、整備履歴のわかるものなど程度重視で選んだ方がベターだ。
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GLS×全国メルセデスのSUVといえばこれ!
メルセデスSUVのルーツといえばGクラスだ。
こちらは最新モデルも乗用車ベースのモノコックではなく、ハシゴ型の強固なラダーフレームを採用しているいわゆるクロカンタイプだ。
実は2000年代前半、ハードなクロカンモデルの需要低下とともにGクラスの生産終了が検討されていた。その代替モデルとして2006年に登場したのがGLクラス(現在のGLS)だった。
ところが、日本をはじめアメリカなどでも、四角くて無骨なスタイリングがファッションアイテムのひとつとして人気を呼び、メルセデスは生産継続を決定。そして、人気が再燃したGクラスは2018年に、フルモデルチェンジにも匹敵する改良を行い、ラダーフレームを採用しながらも弱点だった乗り心地を大幅に改善している。
現在、新型の納車待ちは半年以上、仕様によっては1年近くにもなるといわれている。
メルセデスのラインナップの中でも、最も高いリセールバリューを誇るGクラスだけに旧型モデルであっても特に高年式車は高値安定だ。
長くつくり続けられているモデルだけに、20年落ち、走行距離10万km超といった物件も多く見つかるが、それでも相場は300万円前後からとなっている。このあたりを狙う場合は車両本体とは別に、それなりの整備費用を見ておいた方がいいだろう。
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Gクラス×全国メルセデスは2019年まで、国内で販売されている純輸入車として5年連続で首位を、7年連続でプレミアムブランドNo.1を獲得している。そして、2020年度上半期(2020.4~2020.9)の輸入車新規登録台数(JAIA調べ)でも、VWを抑えてトップの座をキープしている。
SUV攻勢でその記録はさらに更新されそうだ。
今後、ますます中古車マーケットにもメルセデスSUVが増えていくはずだ。掘り出しものも見つかるのでカーセンサーEDGE.netでのマメなチェックをお忘れなく。
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