人気のクロスオーバーはまだ高い? 先代ミニの中古車相場をチェック!【MARKET EDGE】
カテゴリー: 特選車
タグ: ミニ / ミニ / ミニクラブマン / ミニクーペ / ミニクロスオーバー / ミニペースマン / EDGEが効いている / MARKET EDGE / 伊達軍曹
2020/12/06
3ドアハッチバックは確かに順調に値落ちしているが
11月27日発売の雑誌「カーセンサーEDGE 1月号」では、「本当のMINIを知っていますか?」と題した新旧ミニの大特集を展開している。
ここでは、同特集内に掲載された「先代ミニの中古車相場事情」をweb用に再構成した特別バージョンをお届けしながら、先代ミニ主要モデルの相場について考えてみたい。
ミニ各モデルの現行世代の中古車相場については、カーセンサーEDGE 1月号の特集内ですでにおおむねご説明した。
そのためここでは、今や中古車としてしか入手できない「先代モデル」の中古車相場について検討してみよう。
車でも時計でも「レア物」というのは、古くなっても値が落ちなかったり、逆に値上がりしてしまうケースが多い。
だが、BMW製となったミニの場合はあいにく(?)決してレア物ではないため、先代ミニ各モデルの中古車相場は順当に値落ちしている。
それと同時に比較的高年式な先代中古車であれば、機械的な劣化やパフォーマンス上の陳腐化もさほど気にならないレベルであるため、先代ミニの中古車全般は「気軽に買える足グルマまたは趣味の車」として、なかなか好ましい選択肢だと言えるはずだ。
だが、すべての先代ミニが好ましいかといえば、実は意外とそうでもない。
例えば、コンベンショナルな3ドアハッチバックの先代クーパーやクーパーSは、走行3万km台までの好条件な物件でも総額90万円程度から探すことができ、中には総額70万円前後でも、けっこういい感じの個体があったりもする。これであれば、「あえて新車ではなく中古車を選ぶ意義」は大いにあるといえるだろう。
一方、同じ先代のミニでもクロスオーバー(本国名カントリーマン)のクーパーDだと、好条件車は総額180万円以上となるのが普通で、よりハイパフォーマンスなクーパーSDだと、好条件な物件の総額はおおむね220万円以上となっている。
「現行世代では消滅したボディ形状」にも注目したい
総額200万円以上の予算を投じるなら、わざわざ“ちゅうぶる”を買うのではなく、まっさらな、しかも先代より確実に高いパフォーマンスが期待できる現行世代の新車を買いたくなってしまうか、あるいは新車をうらやましく思ってしまうのが、生身の人間の感情というものだろう。
そういった意味で、今あえて中古で狙う意義がある先代のミニとは、前出の3ドアハッチバック全般と、やや特殊で高額なジョン・クーパー・ワークスを除くクラブマン、そしてコンバーチブルのクーパー。
つまりは「けっこういいモノが、けっこうお安い値段で買えちゃう車種」だ。
これらであれば、うまく選べば中古車としての「納得感」は非常に高くなるだろう。
そしてもうひとつの中古で選ぶべきセグメントは、「現行世代では消滅してしまったボディ形状群」である。
新車ではあまり売れなかったが、小股の切れ上がった印象が強い車であったクーペやロードスター、あるいはクロスオーバーの3ドア版であるペースマンは――そもそも今や中古でしか買えないわけだが――あえて2020年の今、シブく乗りこなしてみたいしゃれたレア物である。
とりあえず注目しておきたい「先代ミニ4モデル」の相場は?
ということで以下、代表的な「中古車としておいしい先代世代ミニ」の概要と、それぞれの中古車相場を記してみよう。
各自、様々な好みの違いや事情はあるかと存じるが、「お手頃価格なのにおしゃれで楽しい1台」を探すための、何らかのご参考にしていただけるなら幸いだ。
注目相場:70万から150万円
鋼のごとき剛性感を手に入れた現行型と比べれば見劣りする部分も多いが、先代ミニの小ぶりなサイズ感と手頃なプライス感は、褒め言葉としての「下駄」に最適。
自然吸気1.6Lのクーパーであれば、好条件な中古車でも総額70万円ぐらいから。
パワフルな1.6Lターボを搭載するクーパーSでも、総額110万円前後から好ましいスペックの1台を見つけることが可能だ。
また、新車価格400万円前後だったジョン・クーパー・ワークスも、同じく好条件な個体が総額100万円台後半から見つかるので、それを「超高性能な下駄」とする毎日もステキだろう。
▼検索条件
ミニ ミニ(R56)×全国
注目相場:90万から180万円
小ぶりなエステートであるクラブマンも、まずは相場という面で先代を選ぶ意義がある車。
高出力なジョン・クーパー・ワークスはさすがにまだ高額で、そもそも流通量も激少だが、一般的なクーパーまたはクーパーSであれば、内外装および機関のコンディションがまずまず良好な1台を、総額90万円あたりから探すことができる。
現行型のクラブマンと比べればサイズ的に小ぶりなため、積載力は劣るが、小ぶりゆえの機動性の高さと「おしゃれな下駄」としてのパワーは、総額100万円級予算感で狙える車の中ではトップクラスだ。
▼検索条件
ミニ ミニクラブマン(R55)×全国
注目相場:120万から180万円
「5番目のミニ」として2011年9月に追加された先代ミニの2シータークーペ。
ハッチバックと比較して車高が50mm低く、またAピラーの角度は13度寝かされたスポーティなフォルムを採用している。トランクリッドには、80km/hを超えると自動的にせり上がる格納式ウイングも。
まぁ、高いお金を出してこれの新車を買う人は少なかったため、廃番となってしまったわけだが、クーパーの場合で総額150万円前後が中心となる中古車であれば、これで遊んでみたい気にもなる。
ただし、クーパーSとジョン・クーパー・ワークスはまだそこそこ高額なのだが。
▼検索条件
ミニ ミニクーペ(R58)×全国
注目相場:110万から180万円
2013年2月に「7番目のミニ」として追加されたペースマンは、簡単に言えば「クロスオーバーの2ドアクーペ版」だが、ボディのディメンションは微妙に異なる。
具体的にはクロスオーバーより15mm長くて5mm狭く、そして20mm低いというワイド&ローなフォルムになっているのだ。
しかし、「クロスオーバーと似たようなサイズなのにドアが2枚(ハッチを入れて3枚)しかない」という点が敬遠され、人気薄なまま廃番に。
だがその分だけ中古車相場は割安で、しかも「よくよく見ると個性的(というか地味にレア物)でもあるという意味で、後席に人を乗せる機会が少ないのであれば大いにオススメできる、「微妙な曲がり方の変化球」だ。
▼検索条件
ミニ ミニペースマン(R61)×全国自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル XV。
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