セダンとSUVで値動きは大きく異なる? AMGの中古車相場をチェック!【MARKET EDGE】
カテゴリー: 特選車
タグ: メルセデス・ベンツ / AMG / Gクラス / Cクラス / EDGEが効いている / MARKET EDGE / 伊達軍曹
2020/11/15
セダン系は初度登録から1年で3割以上も下落する?
10月27日発売の雑誌「カーセンサーEDGE 12月号」では、「AMGはパワーで選べ。」と題したAMG大特集を展開している。
ここでは、同特集内に掲載された「スペシャルなメルセデスのマーケット事情」をweb用に再構成した特別バージョンをお届けしながら、メルセデスAMGおよびAMGの中古車相場について考えてみたい。
V8ミッドシップフェラーリや、俗に言う役付きポルシェ 911などは「値下がりしない車」として知られている。
だが残念ながらというのか何というのか、前記した2カテゴリーと同様に「スペシャルな1台」であるはずのメルセデスAMGは、意外と値落ちが激しい。
具体的には、新車時価格1252万円だった2019年式メルセデスAMG E53 4マチックプラスの現在の中古車相場は、走行距離2万km未満の物件に限っても710万から840万円といったところ。
Eクラスは今年9月にビッグマイナーチェンジが行われたから――という理由もあるのだろうが、それにしても初度登録からわずか約1年で3割から4割以上も下落するというのは、新車で買った人からすれば頭の痛い話であろう。
だが中古車ハンターとしての立場から見るのであれば、メルセデスAMGの高年式モデルはかなり「おいしい」選択肢だ。
特に、前述した2019年式あたりのバリバリ系を探すのも悪くはないが――もしもあなたが「法人の社長さん」であるならば、耐用年数6年の新車と違って「2年ぐらいの期間で全額を減価償却できてしまう」という2016から2017年式付近のメルセデスAMGは、果てしなくおいしい。
例えば、新車時価格1774万円だったE63S 4マチックプラスの2017年式中古車は、走行距離1万km台の個体であっても総額900万円程度。
で、それを6年間ではなく2年か3年で丸々償却できるとなれば――儲かっているオーナー経営者にとって、いろいろな意味で素晴らしいお買い物であることは、今さら詳しく説明するまでもないだろう。
だが、人気ジャンルのSUVはセダンほどには値落ちせず
ということで、勤め人各位には申し訳ない話ではあるものの、経営者各位に対しては「3、4年落ちで程度のいいメルセデスAMGがあったなら、この際バンバン買い替えましょうや!」と強く訴えたいのである。
だが、以上は残念ながら「セダン限定の話」だ。
前述のEクラスやCクラスなどのAMGモデルは初度登録から3、4年で新車の半値ぐらいにはなるのだが、今一番人気のカテゴリーであるSUV、つまりメルセデスAMGで言うところのGクラスやGLE、GLCなどはその限りではない。
いやもちろん、それらAMG系のSUVも初度登録から3、4年でずいぶん安くはなるのだが、値落ちが激しいセダンと違ってさすがに半額まではいかず、せいぜい35%落ち前後にとどまるのである。
まぁそれにしたって、「けっこうおいしい話」ではあるのだが。
とりあえず注目しておきたい4モデルの相場は?
以下、代表的な「おいしいAMG」の概要と、それぞれの中古車相場を記してみよう。
買える人・買えない人、あるいは好きな人・あまり好きではない人がいらっしゃるとは思うが、何らかの参考にしていただけるなら幸いだ。
注目相場:530万から680万円
前述したEクラスのAMGモデル前期型と同様に、2016から2017年式あたりのC63およびC63Sも「新車時の半値程度」というか、むしろ半値以下で狙えてしまう選択肢だ。
C63とC63SはどちらもM177型4L V8直噴ツインターボを搭載するモデルで、C63(新車時価格1195万円)のほうは最高出力476ps、高出力版のC63S(新車時価格1325万円)は同510ps。
で、C63の相場が今現在530万から680万円付近となっており、C63Sもそれとほぼ同程度。
もちろん安い買い物ではないわけだが、その新車価格から考えるなら「激安」でもある、新車時価格の約半値でイケるビジネス超特急だ。
▼検索条件
メルセデスAMG C63/C63S×全国
注目相場:510万から600万円
同じ「C」が付くAMGモデルでも、活況のSUVになると値落ち幅はいきなりシブくなる。
例えば、2016年9月登場のGLC 43 4マチック。こちらは最高出力367psの3L V6直噴ツインターボを搭載する、AMGモデルの中では「手頃な1台」と呼べるSUVで、新車時価格は863万円。
その2016から2017年式中古車は、走行距離が延び気味の個体なら車両400万円台で探せるが、2万km台までの物件は510万から600万円。3割強の値落ちにとどまっている。
今一番の人気ジャンルゆえ、値落ちペースはどうしたってややシブいようだ。
▼検索条件
メルセデスAMG GLC 43 4マチック×全国
注目相場:1100万から1400万円
現行世代のGクラスはもちろんかなり素敵だが、程良くお手頃な買い物をしたいのであれば(なおかつオーナー社長として減価償却にも注意を払うなら)、2016から2017年式あたりの先代G63ロングがちょうどいい。
最高出力571psの5.5L V8ツインターボを搭載したモデルで、新車時価格は1900万円。
しかしこれも、先代とはいえいまだ大人気なモデルゆえ中古車相場はさほど大きくは下がっておらず、走行2万km台までの個体は1100万から1400万円が目安。
「先代」となった以降も、往年の味とカタチを残す世代はその人気と高値をおおむねキープしている。
▼検索条件
メルセデスAMG G63 ロング×全国
注目相場:320万から550万円
6.2LのV8自然吸気エンジンを搭載しているということで自動車税はベラボーに高い。
だが今後、この手のエンジンを搭載する車は二度と出ないだろうことを考えれば、先代CクラスベースのC63はやはり注目に値する。
走行距離がかさんだ個体なら車両200万円台からイケるが、「名車を保有する」という観点からすると、比較的低走行な、できれば「パフォーマンスパッケージ(鍛造ピストンやコンロッド、軽量クランクシャフトを採用したグレード)」を探したい。
その場合の相場目安は320万から550万円付近となる。法外な自動車税以外は今なおすべてが素晴らしい、長く手元に置いておきたい文化遺産だ。
▼検索条件
メルセデス・ベンツ C63 AMG パフォーマンスパッケージ×全国自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル XV。
【関連リンク】
あわせて読みたい
- 西川淳の「SUV嫌いに効くクスリをください」 ランボルギーニ ウルスの巻
- EVハイパーカーメーカー「リマック」が今熱い!従来のスーパーカーを猛追するクロアチアの新星【INDUSTRY EDGE】
- 【功労車のボヤき】「オペルとは思えないほどイカしてる!」というトホホな褒め言葉に涙した日もあったけど……。オペル一族の逆襲!?
- 【試乗】メルセデス・ベンツ 新型Sクラス│”新時代の車”を堪能できるラグジュアリーセダンの最高峰!
- 植田圭輔さんが、真っ赤なポルシェで緑の中を駆け抜ける!
- ドア開閉音からも分かる卓越したビルドクオリティ、空冷時代だからこそ生きたポルシェの技術力
- 【試乗】新型 フォルクスワーゲン T-Cross│「TさいSUV」はハッチバックよりもどこが欲張りか? 実際に乗って考えた
- 今はもう中古車でしか味わえない高純度FR、国産を代表するミドルセダンのレクサス GS【Back to Sedan】
- 世界で3社しか市販していないレアなFCVの1台、トヨタ MIRAIのドライブフィールに注目! 【EDGE’S Attention】
- 【試乗】新型 アウディ A4 アバント│実用性の高いアバントボディがクアトロらしい俊敏な走りとマッチし、絶妙にバランスがとれた逸品