BMW▲遊びに出かけるために遠出しがちで、広い室内空間の確保や4WD装備のために重くなりがちなSUV。ガソリン車と比べて燃費が良く、力強いディーゼル車はそんなSUVと相性ピッタリだ

2015年前後から輸入ディーゼルSUVが投入された結果、今がおいしい時期に

ガソリンエンジンよりも燃費が良いディーゼルエンジンは、特にヨーロッパでは排ガス規制が一層厳しくなったつい最近まで人気があり、2016年までは新車販売台数の50%以上がディーゼル車だったほどだ。

売れるのだから当然、輸入車メーカー各社も昔からずっと開発を続けている。

一層厳しくなった排ガス規制に対しても、基準をクリアしているディーゼル車は数多いし、メルセデス・ベンツ SクラスやBMW 7シリーズ、アウディ A8といったドイツ御三家のラグジュアリーセダンに今もなお採用されている。

BMWにいたっては3シリーズの高性能モデル、Mパフォーマンスモデルに初のディーゼルエンジンを搭載した(M340d xドライブ)ほどだ。

一方で、日本市場ではNOxをはじめとした有害物質という、ディーゼルの負の部分に注目が集まり、それもあってなかなか導入が進まなかった。

しかし、2012年にマツダが発売したCX-5のクリーンディーゼルモデルがヒットし、以降徐々に輸入ディーゼル車が投入されるようになってきた。

燃費が良いだけではなく、トルクがあるから重いボディもラクにピックアップできるディーゼル車は、海や山へと駆け回るSUVとの相性もいい。

2015年前後から輸入ディーゼルSUVもグンと増えたこともあり、今では100万円台前半から狙える車種もある。そこで今回は、支払総額200万円未満で10台以上見つけられる、オススメ輸入ディーゼルSUVを紹介しよう。

2種類のディーゼルエンジンから選べる、4WDもある
ミニ ミニクロスオーバー(初代)

ミニ ミニクロスオーバー▲ラゲージ容量は通常で350L、後席を倒すと1170Lまで拡大できる。シートポジションはミニより高めで、その分乗り降りがしやすい。ルーフのアンテナを日本独自仕様にしたことで全高を欧州仕様より11mm低い1550mmに抑えている
ミニ ミニクロスオーバー▲当初カップホルダーや物入れなどマルチに使えるセンターレールが前後を貫く4人乗りも用意されていたクロスオーバーだが、2014年9月マイナーチェンジ時点、つまりディーゼルモデルが登場した時にはすでに、後席がベンチシートとなる5人乗りのみに

ミニに新しいボディタイプのクロスオーバーが加わったのは2011年1月。

当時の本家ミニの全長が3700mmなのに対し、全長4105mmと大きなボディで、ミニとして初採用となる4枚ドア&4WDを採用するなど、より実用的なモデルとして投入された。

そんなミニクロスオーバーにディーゼルモデルが投入されたのは、2014年9月のマイナーチェンジの時だ。

搭載されたエンジンは2Lディーゼルターボ。出力違いで2種類があり、最高出力112ps/最大トルク270N・mのエンジンはクーパーDとクーパーDオール4(4WDモデル)に、高性能版の最高出力143ps/最大トルク305N・mのタイプはクーパーSDに搭載される。

いずれもトランスミッションは6速AT。ちなみに最高出力112psのクーパーDのJC08モード燃費は16.3km/Lと、クーパー(1.6Lガソリン)の14.0km/Lより低燃費だ。

サイズが大きくなったとはいえ、そこはミニブランド。ちょっと視点が高く、室内が広いミニ、といった感じだ。

キビキビとしたスポーティさは、他のSUVにはない魅力のひとつ。

4WD車はさらにシステムが走行状況に応じて、前100:後0~前0:後100まで駆動力を自在に操ることで、ミニブランドらしい走行性能と安定性を提供してくれる。

ディーゼルモデルのデビュー時の車両本体価格は341万~387万円。

原稿執筆時点(2020年6月17日)で支払総額120万円から探すことができ、200万円以下で100台以上見つかるので選びやすい。

▼検索条件

ミニ ミニクロスオーバー(初代)×ディーゼル×総額200万円未満×全国

コンパクト高級SUVの先駆者が約150万円から
BMW X3(2代目)

BMW X3▲写真は前期型。2014年6月のマイナーチェンジではキドニーグリルとヘッドライトがつながったデザインに。またリアバンパー下で足を振るとバックドアがオープンする機能も標準装備された。ラゲージ容量は通常で550L、リアシートを倒すと1600L
BMW X3▲バックミラー一体型ETC車載器やHDDナビなどを標準装備。よりスポーティなコーナリングを楽しめるパフォーマンスコントロールや、足回りの硬さを制御するダイナミックダンピングコントロールは、20dではオプションで用意された

兄のX5やレクサス RXが切り開いた、高級SUVという新しいマーケットを拡大すべく投入された、X5よりコンパクトなX3。

2011年3月に登場した2代目は、当初は3L直列6気筒の自然吸気(28i)とターボ(35i)、2L直列4気筒(20i)というラインナップ。

2012年5月に28iが2L直列4気筒ターボになり、2012年9月には日本仕様のX3としては初の2L直列4気筒ディーゼルターボ搭載モデル(20d)が投入された。

いずれも8速ATと、路面状況に応じて瞬時に前後の駆動力を瞬時に制御するxドライブが組み合わされる。


ディーゼルの20dの燃費はJC08モードで18.6km/L。ちなみに同時期のほぼ同サイズのSUV、初代マツダCX-5(2.2Lディーゼルターボの4WD)が18.0km/Lだ。

それでいて最大トルク380N・mは3.5Lガソリン車なみという力強さがあり、2t超という重さを感じさせない。

2014年6月のマイナーチェンジの際には衝突被害軽減ブレーキを含むドライビングアシストや、サイドビューカメラなどを標準装備。

全車速追従型アダプティブクルーズコントロール(ACC)が、ドライビングアシストプラスとしてオプション設定された。

スポーツサスペンションなどを装備した「Mスポーツ」も新たに設定されている。

2012年9月時点の20dの車両本体価格は564万円。

原稿執筆時点で支払総額約150万円から狙える。支払総額200万円未満は約20台と台数は少ないものの、衝突被害軽減ブレーキを備えたマイナーチェンジ以降のモデルも見つかるため、こまめにチェックしてみてほしい。

▼検索条件

BMW X3(2代目)×ディーゼル×総額200万円未満×全国

安全装備が充実した2WDのシティ派SUV
ボルボ V40クロスカントリー(初代)

ボルボ V40クロスカントリー▲専用ルーフレールが標準装備されているのでルーフ上にアウトドアギアを積むことも可能だ。2016年7月のマイナーチェンジでT字型のLEDヘッドライトを標準装備した
ボルボ V40クロスカントリー▲裏側が空洞になっているセンターコンソール。インテリアカラーは通常の布地シートで6種類、オプションの本革で8種類のカラーコンビネーションから選べた

ハッチバックのV40のクロスオーバーモデルがV40クロスカントリーだ。V40の約2ヵ月後となる2013年5月に日本に登場した。

当初は2L直列5気筒ターボ×6速AT×4WDのワングレード(T5 4WD)だったが、2015年7月に2L直列4気筒ディーゼルターボのD4が追加された。

ちなみに新開発されたこのエンジンを積むV40やS60、V60、XC60も同時に投入され、同社のディーゼル車のラインナップが一気に増えている。

同エンジンの最大トルクは400N・mと4Lガソリン車なみで、車重約1.8tのボディを軽々と走らせる。

トランスミッションは8速AT。JC08モードで21.2km/Lは、同じエンジンを積むボルボ車の中で最も燃費がいい数値となる。

駆動方式は2WDのみだし、最低地上高はV40より+10mmとちょっぴり高いだけなので、クロスオーバーとはいえ、街乗り中心がピッタリなモデルだといえる。

V40クロスカントリーは、当初から全車に衝突被害軽減ブレーキのシティセーフティを標準装備。

さらにD4のデビュー前となる2014年12月に、歩行者・サイクリストを検知する衝突被害軽減ブレーキや、全車速追従ACCなどを含む先進安全運転支援機能のインテリセーフ・テンも全車に標準で装備されるなど、安全性の高いモデルだ。

D4のデビュー時の車両本体価格は364万~414万円。

原稿執筆時点で支払総額約150万円から狙えるが、上記2台と比べると総台数自体が少ないため、支払総額200万円未満は10台ほど。

気に入ったボディカラーなどがあれば早めにアクションした方がいいだろう。

▼検索条件

ボルボ V40クロスカントリー(初代)×ディーゼル×総額200万円×全国
文/ぴえいる、写真/BMW、ボルボ

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。