総額100万円以下で狙える! 人気の「両側電動スライドドア」付きミニバン4選
2020/06/24
相場が高い両側電動スライドドアも、予算100万円で見つかる!
前席と同じように開閉するヒンジ式のドアを採用するモデルより、乗降性に優れるスライドドアモデル。後部座席のチャイルドシートに子供を載せる際に便利なので、最初は子育て世代を中心に普及し始めたが、高齢者が車に乗り込む際や大きな荷物を積むときも便利なことから、現在では世代を超えて幅広く普及している。
両側電動スライドドア搭載モデルには、あらかじめ標準装備されているものとメーカーオプションとして装備されているものがある。現在は標準装備されているモデルも数多く存在するが、両側電動スライドドアが登場した2000年代初頭はメーカーオプションがメインだった。
当時から両側電動スライドドア付きのミニバンは人気があり、メーカーオプションは新車購入時しか取り付けられない装備であるため、片側しか電動スライドドアが付いていない中古車よりも数十万円価格が高くなることも珍しくなかった。両側電動スライドドア+純正カーナビ+本革シートという当時の三大人気装備が備わる中古車は、一般的な相場より50万円前後高くなるケースもあったほど。
現在ではそこまで相場に差がつくことはないものの、両側電動スライドドアはやはり人気装備なので、中古車の価格は高めになる。
しかしよく探せば、予算100万円だって両側電動スライドドア付きの中古車を見つけることができる。そこで今回は、総額100万円以下で購入できる、両側電動スライドドア搭載のミニバンを4モデルピックアップしてみた。ターゲットになるモデルを紹介しよう。
トヨタ エスティマ(3代目) デビュー時の中古車なら走行5万km未満も!
昨年、約30年の歴史に幕を下ろしたエスティマ。1990年5月のデビューから生産終了になるまでフルモデルチェンジはわずか2回。中でも最終モデルとなった3代目は、2006年1月から14年近く販売されるロングセラーモデルだった。
初代エスティマは1995年にグランビアが登場するまで、トヨタで最も大きく豪華なミニバンだった(ハイエースなどワンボックスタイプを除く)。それだけに早い段階で先進装備が搭載されていった。
エスティマの魅力はなんといってもその大きさ! この後紹介する3モデルよりも車格が上で、室内空間に余裕がある。大勢で出かける機会が多い人、たくさんの荷物を積んで遊びに行く人にはベストな選択だ。
3代目エスティマで両側電動スライドドアが標準装備だったグレードは以下のとおり。
・G
・アエラス Gパッケージ
・アエラス Sパッケージ
・アエラス レザーパッケージ
・アエラス Gエディション(特別仕様車)
・アエラス スペシャルGエディション(特別仕様車)
さらに、2012年5月以降のモデルであれば、アエラスシリーズの全グレードが標準装備となる。
エスティマのような大型ミニバンでは快適性を重視するユーザーが多いだけに、流通している約2000台の中古車のうち、1650台以上で両側電動スライドドアが付いていた。そのうち予算100万円以内で買えるのは580台ほど。
元の価格が高いこともあり、この予算だと見つかるのは2013年式より前のものになる。2008年式くらいまでなら走行5万km未満もあるが、2010年式から2013年式だと走行8万km前後のものが多かった。
エスティマの人気グレードはスポーティなアエラスシリーズ。ただ、エスティマらしい豪華装備が欲しい人にオススメしたいのは上級グレードであるGの7人乗りだ。セカンドシートがオットマンも付いた豪華なキャプテンシートになり、クルーズコントロールが標準装備。運が良ければオプションだったレーダークルーズコントロール付きの物件が見つかる可能性もある。
▼検索条件
トヨタ エスティマ(3代目) × 総額100万円以下 × 両側電動スライドドア搭載日産 セレナ(4代目) 後期型ハイウェイスターもターゲット!
かつて日本では車業界を体現する“販売のトヨタ、技術の日産”という言葉があった。日産は新しい技術を他社に先駆けて開発し、それをいち早く市販車に投入していった
さらに、高級車だけでなく大衆車にも先進装備や快適装備を早く搭載することが多い。2016年8月、セレナのマイナーチェンジでミニバンとして世界初搭載された運転支援技術“プロパイロット”が、今や軽自動車にも搭載されているのはご存じのとおり。
上にまとめたように、両側電動スライドドアもかなり早い段階で投入している。
2010年11月にデビューした4代目は、スライドドアのドアノブに付いたボタンを押すだけで簡単に電動開閉ができるワンタッチオートスライドドアを採用した。
また、ヴォクシー、セレナ、ステップワゴンというライバル3車種の中で、セレナはシートアレンジの自由度が高くなっているのが特徴。それを実現しているのが、2列目センターにあるスマートマルチセンターシートだ。
1-2列目間をロングスライドすることができ、畳めばテーブルとしても使える。このシートの配置により、1-2列目、2-3列目のウォークスルーも可能になるなど、シーンに合わせて有効活用できる。
4代目セレナで両側電動スライドドアが標準装備だったグレードは以下のとおり。
・20G
・ハイウェイスター G
・ハイウェイスター Vセレクション(特別仕様車)
・Vセレクション プラスセーフティ(特別仕様車)
4代目セレナの中古車は3700台近く流通していて、そのうち両側電動スライドドアを搭載しているのは2850台ほど。予算100万円以内で買える中古車は480台近くあった。
走行距離にこだわらなければ、後期型の2015年式のハイウェイスターVセレクションプラスセーフティも入手可能。逆に低走行の中古車を探したい人は標準モデルの20Gに的を絞って探してみよう。走行5万km未満のものが探しやすい。
オススメはVセレクション プラスセーフティ。人気のハイウェイスターがベースで、エマージェンシーブレーキや車線逸脱警報などが標準装備に。ヘッドライトもLEDタイプになっている。
▼検索条件
日産 セレナ(4代目) × 総額100万円以下 × 両側電動スライドドア搭載ホンダ ステップワゴン(4代目) オススメは、各種装備が充実しているスパーダZi!
初代ステップワゴンは1990年代のミニバンブームの立役者だった。大きな箱形ボディはファミリー層だけでなく、サーファーをはじめとするライフスタイルを重視する人からも支持された。
初代、2代目は助手席側のみスライドドアがあるタイプで、3代目から両側スライドドアに。そして3代目はホンダ得意の低床設計の利点を生かし、全高をライバルより低くしながらも室内空間を犠牲にしない独特のスタイルに。
そして今回紹介する4代目(2009年10月デビュー)では、低床設計はそのままに全高を高く取って、クラス最大(当時)のキャビンスペースが確保された。
また、ライバルモデルの3列目シートはサイドに跳ね上げるタイプなのに対し、4代目ステップワゴンは床下格納タイプになる。これにより、たくさんの荷物を積むときも3列目シートが邪魔にならいので非常に便利だ。
4代目ステップワゴンで両側電動スライドドアが標準装備だったグレードは以下のとおり。
・G Lパッケージ
・L
・Li
・スパーダ Z
・スパーダ Zi
・G コンフォートセレクション
・スパーダ Zクールスピリット
・G HIDエディション(特別仕様車)
・スパーダ Sパワーエディション(特別仕様車)
・スパーダ Sインターナビパワーエディション(特別仕様車)
4代目ステップワゴンの中古車は約1800台流通していて、両側電動スライドドアは1600台に付いていた。このうち予算100万円以下で買えるのは460台ほど。標準モデルだと走行5万km未満のものも豊富だ。走行5万kmを超えた中古車でも大丈夫なら、スパーダのZやクールスピリットが見つけやすい。
ステップワゴンといえば、やはり押し出しを強くしたスパーダが魅力的。特にオススメしたいグレードは、ホンダHDDインターナビシステムが標準装備でアダプティブクルーズコントロールも標準装備になっているスパーダ Ziだ。
▼検索条件
ホンダ ステップワゴン(4代目) × 総額100万円以下 × 両側電動スライドドア搭載トヨタ ヴォクシー(2代目) 走行距離は多めだが特別仕様車も見つかる!
トヨタは複数あった販売チャネルの関係でヴォクシー、ノア、エスクァイア(2014年10月発売)という3種類の兄弟モデルを販売している。その中で、ノアはファミリー的な雰囲気、ヴォクシーは強い父親のイメージを前面に出し、キャラクターをすみ分けている。
2代目となるヴォクシーは2007年6月デビュー。初代のイメージを受け継いだ箱形デザインや運転時の視認性に優れるセンターメーターを採用しているのが特徴だ。
中でもエアロで押し出し感を高めた特別仕様車のZS“煌(きらめき)”シリーズは、スタイルにこだわりたい人にオススメ。
2代目ヴォクシーで両側電動スライドドアが標準装備だったグレードは以下のとおり。
・V
・ZS“煌(きらめき)”シリーズ(特別仕様車)
2代目ヴォクシーの中古車は約2100台流通していて、両側電動スライドドア付きの中古車は1250代ほど。そのうち約530台が予算100万円で買えるものだった。
煌シリーズは予算内で買える中古車が300台ほど。走行距離は10万kmに近いものが中心だった。Vなら走行距離5万から7万kmほどの物件もわずかだが流通している。ただ、ヴォクシーはミニバンの中でも人気モデルなので、予算100万円で考えるなら走行距離はある程度妥協した方がよさそうだ。
ヴォクシーの人気は圧倒的にZS“煌(きらめき)”シリーズとなるが、あえてオススメしたいのは最上級グレードのV。このグレードのみ2列目シートを回転させて3列目と対面できたり、チャイルドシートを付けた2列目シートをスライドドア側に向けて子供の世話をしやすくするなど、いろいろな機能が盛り込まれている。
▼検索条件
トヨタ ヴォクシー(2代目)× 総額100万円以下 × 両側電動スライドドア搭載自動車ライター
高橋満(BRIDGE MAN)
求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESEL
あわせて読みたい
- アウトドアブームの過熱を引き金に、規格外に車内が広い車の注目度が上がる!?
- 【総予算100万円!】格安90’sミニバンを自分仕様に仕上げて遊ぶ(後編)
- 先代BMW 3シリーズ(F30型)を買うなら、総額150万円以下が狙い目だ!
- 【トヨタ タンクの中古車を買うなら?】オススメの選び方や相場、グレードなどを徹底解説
- 現行型ヴォクシーの平均価格が200万円切り目前|迫力重視の「煌」も、燃費重視のハイブリッドも買い時到来
- 【総予算100万円!】格安90’sミニバンを自分仕様に仕上げて遊ぶ(前編)
- 2022年モデルのGT-Rニスモ、スペシャルエディションを投入
- 【試乗】新型 日産 ノート|市販モデルではプロトタイプのネガ部分が消え、スタビリティの高さが際立った
- 【フェルディナント・ヤマグチ×編集長 時事放談】自動車業界と半導体について(後編)
- 次期クラウンの開発事情