マツダ CX-8徹底ガイド。初代(現行型)の中古車情報やグレードなどまとめ
2019/09/14
今、最も伸び代のある自動車ブランドのひとつがマツダ。2020年にマツダは100周年(!)を迎えることもあり、さらなるブランド価値向上を掲げているそうです。単なるブランドからハイブランドへ、ですね。具体的にはカーラインナップの価格帯を広げると明言されているのですが、その広がりは上方向限定のベクトル。お安いだけの車は出さず、すでにある車種については付加価値を高めて価格アップを認めてもらえるようにしたり、新たな高級車を追加するというのです。
現時点で言えば、実質上のマツダのフラッグシップモデルはCX-8です。CX-8に乗ることは、ハイブランドへの道を歩み始めた、マツダの高級路線の先取りとも言えるのでは? 今回、そんなCX-8を徹底研究してみましょう。
【概要】2018年に最も売れた3列シートSUV
CX-8は3列シートの高級SUVです。マツダのSUVにはコンパクトなCX-3、ミドルレンジのCX-5、そして最上位のCX-8があります。さらに大きなCX-9もありますが、こちらは北米など海外向けのモデルです。ちなみに、CX-5、CX-8、CX-9のボディサイズを比べてみましょう。
CX-5(4WD XD L Package)
全長4545mm×全幅1840mm×全高1690mm
ホイールべース2700mm
CX-8(4WD XD L Package)
全長4900mm×全幅1840mm×全高1730mm
ホイールべース2930mm
CX-9(AWD シグネチャー ホイールアーチモールディング&シャークフィンアンテナ装着)
全長5065mm×全幅1969mm×全高1753mm
ホイールベース2930mm
CX-8とCX-5は幅が同じで、フロントマスクはうり二つです(CX-8の全高が少しだけ高いのはルーフレールが装備されているからです)。そのため、CX-8はCX-5の全長とホイールベースを伸ばしたものといわれることがありますが、これは正確ではありません。マツダの公式なコメントにおいても、CX-8はCX-5を伸ばしたのではなく、海外専売モデルのCX-9をベースに、幅をCX-5と共通化させたものとあります。幅が同じこともあり、インパネはCX-8とCX-5は相似形です。
少しだけ話を脱線すると、躍進の続くマツダの強さの理由のひとつは開発リソースを無駄にしないことです。例えば、CX-5やCX-9を作ってから、その中間のCX-8を作るのではなく、早い段階からCX-5もCX-8もCX-9も企画しておき、無駄なく部品などを共用することで、スマートにラインナップを充実させているのです。なので、CX-5がベース、CX-9がベースというより、ひとつの源流から枝分かれした3モデルと見た方が理にかなっています。
もちろん、ミドルレンジのCX-5がベースと言われるより、より大きなCX-9がベースと言われた方が、高級車としてのCX-8にとって筋書きとして美しいですし、買おうと検討しているドライバーにとってもテンションは上向きます。
実際のところ、CX-9譲りとして、CX-5にはないトーイングオプション(後述)がCX-8には設定されています。これは車の骨格にも関わることなので、CX-8はCX-9ばりの設計であることは間違いなさそうです。
さて、あらためてCX-8はマツダの日本国内に向けた最上級SUVです。長さこそ4900mmと堂々としたプロポーションではあるものの、幅はCX-5と同じ1840mmですので、日本の道路事情の中でも、それほどとまどうことなく運転できます。
繰り返しになりますが、幅はCX-5と同じであり、インパネの基本デザインも同じです。CX-8のインテリアは構成材質をアップグレードすることで高級化が図られています。こういった素材の扱いのうまさは、このところのマツダには自信が感じられます。デミオ(現在はマツダ2に改名)には、素材がアップグレードされたことで「小さな高級車」とも呼びたくなる特別仕様車がたくさんあります。マツダのインテリアデザイナーのセンスの良さを実感させらるところです。語弊があるのを承知で言えば、デミオですらそうなのですから、たかだか「材質の違い」とは侮れません。
また、CX-8は高級SUVであると同時に、3列シートの多人数乗用モデルでもあります。実のところ、あえてCX-5ではなくCX-8を選びたくなる最大のポイントです。しかも、2列目がキャプテンシートになっている2ー2ー2の6人乗りと、2列目がベンチシートになっている2ー3ー2の7人乗りが選べます。
カーセンサーで3列シートのSUVを検索すると、現行国産車ではトヨタ ランドクルーザープラド、日産 エクストレイル、ホンダ CR-Vなどがヒットします。ポストミニバンの受け皿として地味に人気のあるジャンルなのですが、2018年に最も売れた3列シートSUVこそ、このCX-8であることも付け加えておきます。
【変遷】グレード間の違いの少ないCX-8
デビュー時の搭載エンジンは「SKYACTIV-D 2.2」と呼ばれる、2.2Lのディーゼルターボのみ。組み合わされるトランスミッションは全車6ATとなっています。グレードは「XD」「XD PROACTIVE」「XD L PACKAGE」の3種類。いずれのグレードも駆動系は2WD(FF)と4WDが設定されていました。また、新車時価格は以下のとおりです。
排気量:2188cc
最高出力:140kW(190ps)
最大トルク:450N・m(45.9kgf・m)
WLTCモード燃費:15.4~15.8km/L
XD(7人乗り/6人乗り)2WD(FF) 319万6800円
XD(7人乗り/6人乗り)4WD 342万9000円
XD PROACTIVE(7人乗り/6人乗り)2WD(FF)353万7000円
XD PROACTIVE(7人乗り/6人乗り)4WD 376万9200円
XD L PACKEGE(6人乗り)2WD(FF)395万8200円
XD L PACKEGE(6人乗り)4WD 419万400円
2017年9月のデビュー時には、本革シートを採用するグレード「L PACKAGE」には6人乗りのみ設定されていましたが、新たに7人乗り仕様が追加されました。新車時価格に変更はありません。
それまでのディーゼルエンジンに加え、新たに2種類のガソリンエンジンが追加されました。 2.5Lガソリンターボの「SKYACTIV-G 2.5T」と、2.5Lガソリンの「SKYACTIV-G 2.5」です。
排気量:2488cc
最高出力:140kW(190ps)
最大トルク:252N・m(25.7kgf・m)
WLTCモード燃費:12.4km/L
排気量:2488cc
最高出力:169kW(230ps)
最大トルク:420N・m(42.8kgf・m)
JC08モード燃費:11.6km/L
また、細部にわたり次のような変更が加えられています。
コーナリングでの安定性を高める「G-ベクタリングコントロール(GVC)」が「G-ベクタリングコントロールプラス(GVCプラス)」(いずれも全車に搭載)へと進化しました。従来はハンドルを切ったときに制御していましたが、新たにハンドルを戻す際の制御を追加しています。
「アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート(アドバンストSCBS)」が夜間でも歩行者を検知できるようになりました。また、「360°ビュー・モニター」が「25S L Package」、「25T L Package」、「XD L Package」、「XD PROACTIVE」に標準装備。その他のグレードについてもメーカーオプションとして設定されるようになりました。さらに、コネクティビティシステム「マツダコネクト」がApple CarPlayやAndroid Autoに対応しています。
17インチと19インチアルミホイールの塗装を新色に変更。形状変更はありませんが、質感がアップしています。
エアコンパネルデザインと各種スイッチ・ダイアルのデザインを一新。質感だけでなく操作性が向上しています。また、前席センターコンソールのアームレスト高が約15mm低くなり、より自然な着座姿勢となり疲労も軽減されるようになりました。3列目シートまわりについては遮音性能を強化。1列目シートから3列目まで、自然に会話できるようになっています。
前席シート両側に、体との間にこもる不快な熱気を吸い出す「シートベンチレーション」機能が追加されました。インパネでは、3眼メーター中央に7インチのフルカラーTFT液晶を用いた「7インチマルチスピードメーター」を採用。安全装備の作動状態、制限車速、航続可能距離などの運転時に必要な情報を見やすく表示します。また、ルームミラーが鏡面側の縁取りをなくしたフレームレスインナーミラーとなったり、オーバーヘッドコンソールが新造形となっています。さらには、インテリアの照明を白色LEDで統一するなど、室内空間がより洗練された印象となっています。シフトノブ周辺へのダウンライトや、前後席への足元照明を採用しているので、夜間でも室内を見渡しやすくなっています。
以上のように、CX-8はデビュー1年後に数多くの改良を受けています。ラインナップと新車時価格は以下のとおりです。
25S 2WD (FF) 289万4400円
25S PROACTIVE 2WD (FF) 325万6200円
25S L PACKAGE 2WD (FF) 375万8400円
25T PROACTIVE 4WD 374万2200円
25T L PACKAGE 4WD 424万4400円
XD 4WD 360万7200円
XD PROACTIVE 2WD(FF)369万3600円
XD PROACTIVE 4WD 392万5800円
XD L PACKEGE 2WD(FF)422万8200円
XD L PACKEGE 4WD 446万400円
この改良、ガソリンエンジン搭載車の購入を検討している方にとっては無視できますが、ディーゼルエンジン搭載車を検討している方は頭に入れておくようにしましょう。同じ2018年式(平成30年式)であっても改良前後のモデルが存在します。とりわけ「L PACKAGE」はアップグレードされたポイントが多数あります。高級車を選ぶ方のマインドはフル装備、つまり「付いていないものがない」ものに引かれるものです。仮に多少の価格差があったとしても改良後のモデルを優先的に検討すると後悔しないはず。
【グレード】搭載エンジンと装備によって分かれる
CX-8のグレードはディーゼルエンジンを搭載する「XD」系、ノンターボガソリンエンジンを搭載する「25S」系、ガソリンターボエンジンを搭載する「25T」系があります。さらに、それぞれに、下位からスタンダードな無印、実用的な装備を充実させた「PPROACTIVE」、本皮シートなど高級志向の「L PACKAGE」があります。全グレードで6人乗りと7人乗りが選べる一方、25S系は2WD(FF)のみ、25T系は4WDのみ、XD系はいずれの駆動系も存在します。では、各グレードの特徴を2018年6月以降のモデルを軸に見てみましょう。
CX-8のスタンダードな存在。CX-8の3列シートやシートを倒したときの荷室の広さなど、実用性に魅力を感じてCX-8を選ぶなら無印系の一択です。外装に関しては、マツダのラインナップに共通することですが、グレード間による差別化は控えめ。あえて言えば、上位グレードが19インチのアルミホイールが標準なのに対して、17インチサイズが標準です。スタイリッシュなのは19インチですが、乗り心地に定評があるのは17インチです。ただし、オプションでもルーフレールは選べません。内装に関しては、運転席が電動パワーシートでなく手動であったり、運転席まわりのガラスがIR(中赤外線カット)が省かれていたり、やや快適性の面で劣ることは否めません。また、クルーズコントロールが装備されているものの、スマートブレーキサポート&マツダレーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)はオプション扱いです。長距離ドライブの頻度が高い方は、このオプションが装着されているものを探すか、標準で装備される上位グレードを選びたいところ。
CX-8の中心的な存在で、シートはファブリックで十分という方にオススメしたいグレードです。ただし、後になって「やはり最上級のL PACKGEにしておけばよかった」とならないよう、いくつか押さえておきたいポイントがあります。まず、内装。運転席は10ウェイパワーシート&シートメモリーですが、助手席は手動です(ちなみにL PACKAGEの助手席は6ウェイ電動)。6人乗りの2列目シートはキャプテンシートであり、そのセンターにはL PACKAGEのような大型のアームレスト付コンソールボックスはありません。逆に、ウオークスルーになっているので2列目と3列目の往来が容易です。機能面を含め、外観ではパワーリフトゲートやルーフレールがオプション扱いです。中古車を探す場合、とくにパワーリフトゲートの有無チェックは必須です。
本革シートや本杢パネルなどを採用したグーレドです。変遷のところでも紹介しましたが、2018年6月以降は、L PACKAGEにしか付いていない装備が増えました。とりわけ快適装備の充実ぶりは上級グレードにふさわしいものです。前席シートのシートベンチレーションインテリア照明のLED化や、ダウンライト類の追加など、細かいところにも高級車らしい粋な演出を感じられます。メーター中央の7インチマルチスピードメーター装備もL PACKAGEだけの特権です。安全面でも、360°ビュー・モニター+フロントパーキングセンサー(センター/コーナー)を標準装備するなど、ボディサイズの大きさに多少なりとも不安を感じている方にも L PACKAGEを選ぶメリットがあります。
【内外装】3列シートの価値を整理しましょう
マツダは2017年にミニバンから撤退しました。それと入れ替わるように、3列シートモデルとして発売されたのがCX-8です。まだまだミニバンの人気が衰えない中にあってミニバンから手を引くのはメーカーなりの理由があってのことでしょうが、購入者として気をつけたいのは、同じ3列シートでもミニバンのそれと、SUVとではまったく異なるということです。それは最後尾のサードシートの違いにあります。
CX-8は「1列目は誰もが理想的なドライビングポジションを取れること、2列目は大柄な乗員でもゆとりをもってくつろげること、3列目は身長170cmの乗員が無理なく座れること」を想定して設計されています。
であれば、3列すべてのシートを問題なく活用できそうなものですが、CX-8に限らず、SUVのサードシートは、そもそも荷室だったスペースに置かれています。荷室は居住空間としては室内高が十分でないため、身長の高い人でも乗れるように設計しても、足を置く床の位置からお尻を置く座面の位置まで、高低差が少なく、腿の裏が座面から離れてしまいます。極端な言い方をすれば、体育座りのイメージです。このため、座面との接するのはお尻の周辺に限られてしまい、ここへ荷重が集中してしまいます。長時間の着座では疲れやすいのです。
ですので、ミニバンからの乗り替えで3列シートを必須条件としてCX-8を検討する場合、この点については十分に吟味することをオススメします。具体的には、ミニバンであっても3列目シートをめったに使わないオーナーは少なくありません。そういった方はCX-8を選んでOKです。また、3列目シートに座るのは小学生のお子さまなど、利用者が限定されている場合も問題ありません(ただし、後述しますが6人乗り仕様か7人乗り仕様かは十分に検討する必要があります)。一方、大人6人乗車など、3列目を常用する、しかも長距離ドライブも含むのであれば再考の余地があるでしょう。
3列シートの使い方を振り返ったうえで、CX-8が理にかなっていると結論に至った場合、今度は6人乗り仕様もしくは7人乗り仕様を選ぶことになります。選び方のポイントは当然、使い方によりますが、ここではいくつかポイントを挙げておきます。
ひとつは、2列目と3列目シート間のウオークスルーが可能なのは6人乗り仕様です。ウオークスルーのメリットは3列目に乗り込むとき、いったん2列目に乗車してから3列目に移動できるので、7人乗りのように2列目シートを倒す面倒がないことです。また、あらためて申し上げますが、6人乗りでも「L PACKAGE」は2列目のセンターにアームレスト付コンソールボックスが配置されているので、ウオークスルーではありません。ご留意ください。
もうひとつは、7人乗りは3列目シートをたたんでも最大5名乗車が可能です。3列目シートをたたんだ荷室の広さは、当然ですがCX-5をしのぎます。つまり、荷室の広い5人乗りSUVを探している方にもオススメできるのがCX-8なのです。しかも、7人乗り仕様であれば、2列目と3列目シートをたたんだ際に床面がほぼフラットとなるため、アウトドアやアクティビティでの活用方法に広がりがあります。
【スペック】現行型のサイズ感や室内の広さなどをチェック
マツダ CX-8(2018年11月~生産中) 2.5 25S
型式 | 6BA-KG5P | 最小回転半径 | 5.8m |
---|---|---|---|
駆動方式 | FF | 全長×全幅×全高 | 4.9m×1.84m×1.73m |
ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.93m |
ミッション | 6AT | 前トレッド/後トレッド | 1.6m/1.6m |
AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | 2.69m×1.54m×1.25m |
4WS | - | 車両重量 | 1720kg |
シート列数 | 3 | 最大積載量 | -kg |
乗車定員 | 7名 | 車両総重量 | -kg |
ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.2m |
マニュアルモード | ◯ | ||
標準色 |
ディープクリスタルブルーマイカ、ソニックシルバーメタリック、ジェットブラックマイカ、チタニウムフラッシュマイカ |
||
オプション色 |
ソウルレッドクリスタルメタリック、マシーングレープレミアムメタリック、スノーフレイクホワイトパールマイカ |
||
掲載コメント |
- |
型式 | 6BA-KG5P |
---|---|
駆動方式 | FF |
ドア数 | 5 |
ミッション | 6AT |
AI-SHIFT | - |
4WS | - |
標準色 | ディープクリスタルブルーマイカ、ソニックシルバーメタリック、ジェットブラックマイカ、チタニウムフラッシュマイカ |
オプション色 | ソウルレッドクリスタルメタリック、マシーングレープレミアムメタリック、スノーフレイクホワイトパールマイカ |
シート列数 | 3 |
乗車定員 | 7名 |
ミッション 位置 |
フロア |
マニュアル モード |
◯ |
最小回転半径 | 5.8m |
全長×全幅× 全高 |
4.9m×1.84m×1.73m |
ホイール ベース |
2.93m |
前トレッド/ 後トレッド |
1.6m/1.6m |
室内(全長×全幅×全高) | 2.69m×1.54m×1.25m |
車両重量 | 1720kg |
最大積載量 | -kg |
車両総重量 | -kg |
最低地上高 | 0.2m |
掲載用コメント | - |
【メカニズム】高級車にふさわしく安全装備も充実しています
CX-8は安全性能の高いSUVです。2018年度(平成29年度)のJNCAP予防安全性能評価において満点で最高ランク「ASV++」を獲得したのに加え、「衝突安全性能評価ファイブスター賞」を受験車中、最高得点(208点満点中193.9点)で受賞しています。事故リスク低減から衝突被害軽減まで、全方位的に安全性が証明されています。
メカニズム的には、安全ボディの「SKYACTIV-BODY」を採用していることが、この受賞の一因です。前方・側方・後方からの衝撃エネルギーを効率的に吸収・分散してキャビンの変形を抑制するものです。細かく見ると、基本骨格のストレート化、マルチロードパスといわれる構造、各部骨格を剛性の高い環状構造を基本とすることで、衝突安全性能を高めているのです。
また、歩行者との衝突を検知した瞬間にボンネット後端を持ち上げて、歩行者への衝撃を緩和する「アクティブボンネット」をCX-8は全車に標準で装備しています。
アクティブセーフティについては、マツダの先進安全技術「i-ACTIVSENSE(アイ・アクティブセンス)」をPROACTIVE以上に標準装備(ただし「360°ビュー・モニター」についてはL PACKAGE以外のグレードではオプション)しています。CX-8の安全性を享受するには、少なくともPROACTIVE以上を選びたいところです。
【走行性能】ベクタリングコントロールプラスで3列目シートも快適
CX-8のサスペンションはCX-9の構造を踏襲しつつ、これをCX-8専用にチューニングしたものです。コーナーでイン側の前輪が浮き上がりそうになるのを抑える、リバウンドスプリングをフロントダンパーに採用。サスペンションを硬くするのではなく、しっかりとストロークさせることでタイヤと路面との接地感を稼いでいます。高級車らしい滑らかで落ち着いた乗り心地とともに、安定性を実現しています。
こういった性能を基本性能と言います。CX-8は高い基本性能を獲得しつつ、その走行安定性を高める「G-ベクタリングコントロール(GVC)」を全車に採用しています。G-ベクタリングコントロールとは、一言で言うと、コーナーをスムーズに曲がるために運転熟練者が無意識にやっているような操作を、CX-8が自動的にやってくれるものです。
具体的には、コーナーの入り口などでステアリングを切り始めると、エンジンの出力を制御して(トルクを落とす)、前方向に荷重を移動させることで前輪のグリップを高める仕組みです。結果、よりスムーズに曲がるためのチカラ(旋回力)が立ち上がるのです。
さらに、変遷の項でもお伝えしましたが、2018年10月以降のモデルは、「G-ベクタリングコントロール(GVC)」が「G-ベクタリングコントロールプラス(GVCプラス)」に進化しています。従来はハンドルを切ったときに制御していましたが、新たにプラスでは、ハンドルを戻す際の制御を追加しているのです。
コーナーで曲がった後、直進に戻すのにステアリングも元に戻します。あくまで一般論ですが、わたしたち一般的なドライバーは走行時、ステアリング操作がやや遅れる傾向にあるといわれています。そのため、コーナーが終わって直進すべきタイミングにも関わらず、いつまでも旋回するチカラが車に残っているケースがあります。これに慌ててステアリングを急に戻すと、揺れ戻し(オツリともいわれることがあります)が発生します。G-ベクタリングコントロールプラスでは、このステアリングを戻すのが遅いがために「いつまでも残っている旋回力」を打ち消すために、エンジンとブレーキを自動的に制御してくれるのです。
この結果、コーナーでのスムーズさと安定性が増して、まるで運転がうまくなったかのような走行が実現します。とりわけ、重心が高くて横揺れが発生しやすいSUVにおいては効果が大きいものです。さらに言えば、揺れ戻しがなくなることで3列目シートの快適性はグンとアップします。3列目シートを頻繁に仕様する、もしくは車酔いしやすい人が同乗するといった場合は、2018年10月以降のモデルに狙いを定めましょう。
【オプション】ディーゼルエンジン搭載車に設定されたトレーラーヒッチ
ディーゼルエンジン車(XD系)にはトレーラーを連結するための装置である、トレーラーヒッチ本体とブラケット、ハーネスがオプションで用意されています。これを装着することで750kg以下のキャンピングトレーラーやフィッシングボードを載せたボードトレーラーなどをけん引できるようになります(総重量750kg以下のトレーラーなら普通免許でけん引が可能です)。厳密に言えば、CX-5もアフターマーケットのトレーラーヒッチを装着すれば、けん引きそのものは可能です。
CX-8はけん引のためのオプションを用意しているだけではなく、けん引時の走行安定性を高めるために「トレーラー・スタビリティ・アシスト(TSA)」というブレーキ制御を標準装備しているのです。けん引走行中に、路面状態の変化や横風などによるトレーラーの横揺れを検知すると、一輪または四輪にブレーキをかけてトレーラーの揺れを抑え、安定して走れるようサポートしてくれるのです。
【口コミ】ユーザーの評価と、その理由を解説
ヘッドアップディスプレイやオルガンペダルなど細かい事ですが事故防止につながる仕様になっているのは良かったです。ディーゼルでしたが音は全然気になりませんでした。デザインはシャープな感じでカッコイイと思います。
引用元 :カーセンサー内『口コミ』 チーバ君2年目さん/千葉県
マツダコネクトの画面が7インチと一般的であること。対ミニバン、そしてボディサイズからして8インチでバランスがとれるのではなかろうか。いや、全車統一することで、コストダウンを計っているかも知れない。ちなみにCX-9は8インチ。私は、考慮した上の結果、メーカーオプションのBOSEとディーラーオプションのリアシートモニターの組合せを選択した。
引用元 :カーセンサー内『口コミ』 KENBOUさん/静岡県
【中古車】ディーゼルエンジン搭載車は改良後から物色しましょう
CX-8の中古車を購入するとこきのポイントは、ディーゼルエンジン搭載車であれば2018年10月の改良前であるか、改良後であるかという点です(ガソリン車は改良後のモデルしか存在しません)。簡単に見分けるにはエアコンの操作パネルを見ましょう。改良前は操作パネル中央に円形をモチーフにしたスイッチがあります。改良後はそれがなく、よりシンプルになっています。
全体の中古車平均価格362.5万円があるのに対して、2018年10月の改良前の中古車平均価格が355.1万円。改良後の中古車平均価格は367.6万円です。変遷のところでも触れましたが、少しでも購入予算を抑えたいということでないかぎり、改良前後では装備に差があるので、まずは改良後から探すのがベターです。
▼検索条件
マツダ CX-8 × 修復歴なし×全国【関連リンク】
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