マツダ CX-5 ▲躍動感あふれる力強さと洗練された独自のフォルムが際立つ、マツダ CX-5
 

いまやマツダを代表するモデルとなったCX-5(現行型)。その概要を端的に言えば「2列シートの5人乗りSUV」であり、シンプルかつド直球。奇をてらった要素は見当たりません。

最大の特徴はその流麗なデザインにあります。そして、実際に所有して乗れば乗るほど「G-べクタリングコントロール(後述)」など、買って良かったと満足度が深まるSUVと言えるでしょう。

ただベースとなるグレードは11種類も存在しするので、自分のカーライフにフィットするCX-5を選びたいところです。 そこで、グレードのバリエーションや2017年に登場してからの改良の変遷などを中心に、CX-5の魅力の振り返りと、その選び方をまとめました。
 

 

【概要】大人の感性を刺激する美しさの表現

CX-5がオンリーワンな存在として人気を博している理由は、何と言ってもそのデザイン。

マツダ独自のデザイン哲学である「魂動デザイン」が用いられています。 まるで躍動する野生動物のしなやかさを、エクステリアデザインへ封じ込めたような造形。車が止まっていても今にも動き出しそうな力強さがあります。

その「魂動デザイン」で最初に成功を収めたのが、ほかでもない初代CX-5(2012年登場)でした。 「魂動デザイン」の市販車第1弾としてマツダのブランドイメージをグイグイけん引しながら、ヒットモデルとして成長していったのです。

そのCX-5人気が勢いを増し、マツダブランドの全ラインナップに「魂動デザイン」がほぼいきわたったころ、 マツダのデザインの中核にいる、ある人物にこんな質問をする機会がありました。

「魂動デザインの次は、何を提示するのでしょうか?」

答えは「エレガンス」でした。 その後、魂動デザインはより高い次元へと昇華するため「大人の感性を刺激する美しさの表現」を追求するものへと進化。エレガンスさをまとうことになったのです。

そうして初代CX-5で自信を深めたデザイン哲学を一歩進め、マツダの考える高級車として進化したのが現行型のCX-5なのです。
 


マツダ CX-5
▲躍動感や力強さだけではなく高級車に共通するエレガンスを与えられているCX-5(現行型)。国産車でありながら高級欧州車のような印象を受ける

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【変遷】毎年のように進化・充実する安全装備

2020年9月現在、CX-5はまだ一度もマイナーチェンジをしていませんが、すでに複数回の改良を受けてきました。 その変遷を見るとき、着目すべきは安全装備の進化と追加です。 また、2018年には新エンジンが追加されたのに伴い、グレードも増えています。では、順を追ってみてみましょう。
 

2017年2月 デビュー
2016年12月発表のCX-5(現行型)は、2017年2月に発売されました。 当初、エンジンは2.0Lと2.5Lのガソリン、そして2.2Lのディーゼルの3種類でした。トランスミッションはすべて6ATです。2.5Lはグレードによって2WDと4WDがあり、ディーゼルは全グレードに2WDと4WDがあります。
 

2.0L直列4気筒ガソリンエンジン
排気量:1997cc
最高出力:114kW(155ps)
最大トルク:196N・m(20.0kgf・m)
JC08モード燃費:16.0km/L
 

2.5L直列4気筒ガソリンエンジン
排気量:2488cc
最高出力:135~140kW(184~190ps)
最大トルク:245~251N・m(25.0~25.6kgf・m)
JC08モード燃費:14.6~14.8km/L
 

2.2L直列4気筒ディーゼルターボエンジン
排気量:2188cc
最高出力:129kW(175ps)
最大トルク:420N・m(42.8kgf・m)
JC08モード燃費:17.2~18.0km/L
 

グレードは2.0Lガソリンエンジン搭載の20S、20S プロアクティブ。2.5Lガソリンエンジン搭載の25S、25S プロアクティブ、20S Lパッケージ。 そしてディーゼルはXD、XD プロアクティブ、XD Lパッケージがあり、全8グレードとなっています。 当時の新車価格は246万2400~352万6200円でした。
 

CX-5登場時のラインナップ
・20S 2WD(FF)
・20S プロアクティブ 2WD(FF)
・25S 4WD
・25S プロアクティブ 4WD
・25S Lパッケージ 2WD(FF)/4WD
・XD 2WD(FF )/4WD
・XD プロアクティブ 2WD(FF)/4WD
・XD Lパッケージ 2WD(FF)/4WD
 

また、この時期に発売されたCX-5に設定されている先進安全装備「i-ACTIVSENSE」の内容は以下のとおりです。
・マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール:追従可能な速度域の下限を0km/hとしており、0~100km/hの間での追従走行が可能。
・アダプティブ・LED・ヘッドライト:12分割のLEDブロックを採用する単眼式ユニットを採用。
・アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート:ブレーキを自動制御して衝突回避などをサポート。車や障害物だけでなく、歩行者も検知の対象。
・交通標識認識システム:速度制限・進入禁止・一時停止の交通標識を認識して、アクティブ・ドライビング・ディスプレイに表示。
 

マツダ CX-5 ▲安全装備i-ACTIVSENSEは複数の技術から構成されている。20S プロアクティブ、25S プロアクティブ、25S Lパッケージ、XD プロアクティブ、 XD Lパッケージに標準装備されている
 
 
 

2017年8月 先進安全技術を標準装備
はじめて行われた改良で、「i-ACTIVSENSE」が全グレードに標準装備となりました。衝突回避・被害軽減を図るプリクラッシュセーフティ技術に加え、ドライバーの安全運転をサポートするアクティブセーフティ技術からなるものです。 中でも、「車線逸脱警報システム」と認知支援技術の「先進ライト」を装備したことで、すでに装備していた「アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート」や「AT誤発進抑制制御(前進時)」との合わせ技で「サポカーS・ワイド」に該当。

また、車線変更時などに斜め後方から接近する車両を知らせる「ブラインド・スポット・モニタリング」や、駐車場での後退時などに接近する車両を知らせる「リア・クロス・トラフィック・アラート」なども標準装備しています。 全グレードに標準装備される「i-ACTIVSENSE」技術は以下のとおりです。サポーカーS・ワイドに該当する技術と、それ以外の技術に分けて列記しています。
 

サポカーS・ワイドに該当する安全技術
・車線逸脱警報システム・先進ライト
 ハイ・ビーム・コントロールシステム(20S、25S、XD)
 アダプティブ・LED・ヘッドライト(上記以外のグレード)
・アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート(従来から継続)
・AT誤発進抑制制御/前進時(AT車のみ/従来から継続)
 

車両周囲の危険認知と安全運転をサポートするその他の安全技術
・ブラインド・スポット・モニタリング
・リア・クロス・トラフィック・アラート
・スマート・シティ・ブレーキ・サポート/後退時(AT車のみ)
・リアパーキングセンサー(センター/コーナー)
 

マツダ CX-5 ▲アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポートはフォワード・センシング・カメラで前方の車両と歩行者を検知し、 衝突の回避または被害軽減を図るシステム
 

2017年9月 一部改良
リアドアの開閉角度が約80度まで開くようになり乗降性が向上しています。後部座席を利用する頻度の高いユーザーにはうれしい変更となりました。
 

マツダ CX-5 ▲リアドアの開く角度が大きくなって人の乗り降り、荷物の載せ降ろしがしやすくなった
 

2017年11月 一部改良
フロントグリルに、低環境負荷で高質感のバイオエンジニアリングプラスチックが採用されました。この材質は、植物由来の原料を使用されており、石油資源の使用量やCO2排出量の削減に貢献するものです。環境に配慮するだけでなく、深みのある色合いや鏡面のような平滑感を無塗装の材料着色で実現しています。
 

マツダ CX-5 ▲フロントグリルという複雑でしかも大きなパーツでありながら、バイオエンジニアリングプラスチックを使用できるようになったことがポイント。中古車を探すとき、この有無をチェックすることはないかもしれないが、マツダの取り組みとしてCX-5は着実に進化していった
   

2018年2月 ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンともに改良。また、安全装備も充実
マツダの最上級SUVであるCX-8に搭載されていた、進化した最新のSKYACTIVエンジンがCX-5にも導入されました。 他メーカーがハイブリッドやEVに注力する流れの中にあって、内燃機関でまだまだやれることがあるだろう、というマツダらしい改良となっています。
 

ディーゼルターボエンジン「SKYACTIV-D 2.2」
独自の燃料噴射による「急速多段燃焼」や、「段付きエッグシェイプピストン」、「超高応答マルチホールピエゾインジェクター」、「可変ジオメトリーターボチャージャー」といった技術やメカニズムを投入したエンジンです。
 

2.2L直列4気筒ディーゼルターボエンジン
排気量:2188cc
最高出力:140kW(190ps)
最大トルク:450N・m(45.9kgf・m)
WLTCモード燃費:17.4~17.6km/L
 

ガソリンエンジン「SKYACTIV-G 2.0」「SKYACTIV-G 2.5」
2.0Lと2.5Lガソリンエンジンのいずれもピストンの形状が改良されて、高負荷がかかっているときの燃費やトルクが改善され、静粛性が向上しています。また、新ノズル付き拡散インジェクターを採用。より正確な燃料噴射制御が行える新PCM(Powertrain Control Module)も導入されて、環境性能も向上しました。2.5Lについては「気筒休止」を採用。高速道路などを走行中、巡航しているときなどエンジン負荷が低いと、4気筒のうち2気筒を休止させることで燃費を良くしています。これは多気筒の高級車を中心に採用されている技術です。
 

2.0L直列4気筒ガソリンエンジン
排気量:1997cc
最高出力:115kW(156ps)
最大トルク:199N・m(20.3kgf・m)
WLTCモード燃費:14.6km/L
 

2.5L直列4気筒ガソリンエンジン
排気量:2488cc
最高出力:138~140kW(188~190ps)
最大トルク:250~252N・m(25.5~25.7kgf・m)
WLTCモード燃費:13.8~14.8km/L

安全装備についても充実していますが、2017年の改良ほど大幅なものではありません。具体的には以下のとおりです。
・車速感応式オートドアロック(衝撃感知ドアロック解除システム付/標準装備)
・360度ビュー・モニター(メーカーセットオプション)
 

加えて、フロントドアリアドアのパワーウインドウに「自動反転機構およびワンタッチ&タイマー付」を標準装備。細かいところでは、パワーリフトゲートのメーカーセットオプション設定をガソリンエンジン車でも選べるようになったり、フロントドア/リアドアのパワーウインドウスイッチにイルミネーションを追加して、使い勝手や、夜間の操作性が良くなっています。
 

マツダ CX-5 ▲改良されたディーゼルターボエンジンの「SKYACTIV-D 2.2」。最高出力がそれまでの129kWから140kWに、最大トルクが420N・mから450N・mにアップした
   

2018年10月 新エンジンを追加導入
エンジンラインナップに、ガソリンターボの「SKYACTIV-G 2.5T」が追加されました。これに伴い、グレード設定も追加。また、ディーゼルエンジンを搭載するグレードのXD系では6MTを選べるようになっています。
 

2.5L直列4気筒ガソリンターボエンジン
排気量:2188cc
最高出力:169kW(230ps)
最大トルク:420N・m(42.8kgf・m)
JC08モード燃費:17.2~18.0km/L
 

新たに加わったグレード・特別仕様車
・25T Lパッケージ 2WD(FF)/4WD←新ガソリンターボ搭載
・25T エクスクルーシブ モード 2WD(FF)/4WD←新ガソリンターボ搭載
・XD エクスクルーシブ モード 2WD(FF)/4WD

このうち、エクスクルーシブ モードは特別仕様車です。一般的に特別仕様車は、カタログに掲載されるグレードをベースに特別な仕様や装備を施したもののことを言いまが、CX-5の場合は特別仕様車という名目ながら、最上級グレードとして設定されています。インテリアには、ナッパレザーや本杢パネルといった素材を採用しているので、よりゴージャスなCX-5を手に入れたい方にはぴったりです。

また、走行安定性を高める技術である「G-ベクタリング コントロール(GVC)」が「G-ベクタリング コントロール プラス(GVC プラス)」(全車に搭載)へと進化しています。ハンドルを切った際の従来の制御に加えて、ハンドルを戻す際の制御も追加したものです。高速走行の車線変更や、滑りやすい路面での安定感がさらに高まっています。

さらに、安全性能も進化しました。具体的には以下のとおりです。
・アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート(アドバンストSCBS)に夜間歩行者検知機能を追加
・360度ビュー・モニターをエクスクルーシブ モードに標準設定。全グレードにメーカーオプション設定

細かい部分ですが、内外装も見直しを受けています。外装では17インチアルミホイールの塗装がダークシルバーからグレーメタリックへ変更されています(デザインそのものは変更ありません)。内装では、エアコンパネルデザインと各種スイッチ・ダイアルのデザインが一新され、質感と操作性が向上しています。また、ノーマルスピーカー車のAピラートリム表面素材が従来の樹脂からファブリックに変更されています。さらに、ノーマルスピーカー車はAピラー根元にツイーターを追加。スピーカーの数が従来の4個から6個に増加しています。
 

マツダ CX-5 ▲新たに加わったガソリンターボエンジンの「SKYACTIV-G 2.5T」。組み合わされるトランスミッッションは6ATのみ
   

2019年12月 悪路走破性が向上
ADWのグレードに、悪路であってもスムーズな脱出をサポートする、オフロード・トラクション・アシストを採用しました。これは砂地などでスタックした際、接地輪への駆動力伝達を最大化するシステムです。

また、新たな特別仕様車「シルクベージュセレクション」がラインナップに加わりました。こちらはシルクベージュカラーのハーフレザレットシートをはじめ、LED室内照明、LEDフロントフォグランプ、IRカットガラスを専用装備としています。
 

 

マツダ CX-5 ▲新しく追加された特別仕様車「シルクベージュセレクション」の内装


 
 

【グレード】多種多様なグレード

CX-5のグレードラインナップは11種類あり、搭載するエンジンによって下記のように大別することができます。
・2.0Lのガソリンエンジンを積む20S系
・2.5Lのガソリンエンジンを積む25S系
・2.5Lガソリンターボエンジンを積む25T系
・ディーゼルエンジンのXD系

エンジンタイプの次にグレードを絞り込む際、2つの要素があります。ひとつは2WDか4WDか。もうひとつは6ATか6MTか、という点です。4WDが欲しい方は、エントリーグレードとなる20S系が2WDのみの設定ですので、必然的に25S、25T、XD系から選ぶことになります。また、6MTが選べるのはXDのみになっています。変遷のパートでも紹介しましたが、改めてまとめましょう。
 

2017年2月(デビュー時)のラインナップ
・20S 2WD(FF)
・20S プロアクティブ 2WD(FF)
・25S 4WD
・25S プロアクティブ 4WD
・25S Lパッケージ 2WD(FF)/4WD
・XD 2WD(FF )/4WD
・XD プロアクティブ 2WD(FF)/4WD
・XD Lパッケージ 2WD(FF)/4WD
 

2018年10月以降、新たに加わったグレード
・25T Lパッケージ 2WD(FF)/4WD
・25T エクスクルーシブ モード 2WD(FF)/4WD
・XD エクスクルーシブ モード 2WD(FF)/4WD
 

搭載するエンジンで大別される20S系、25S系、25T系、XD系は、さらに細かくグレード分けされています。

無印のベースグレード、装備を充実させたミドルグレードであるプロアクティブ、シート表皮が本革となる上位グレードのLパッケージ、そして厳密には特別仕様車ではあるものの、CX-5では最上位グレードとして扱われているエクスクルーシブ モードです。

各グレードの装備は変遷のところでも紹介したように、デビュー時と現在発売されている新車では異なります。もっとも着目すべき違いは2017年8月における先進安全技術「i-ACTIVSENSE」の導入ですが、これはグレードを問わず標準装備されています。そのうえで、各グレードの違いを現行販売されている仕様で比較すると以下のようになります。
 

20Sや25S、XDなど無印系にはなくてプロアクティブやLパッケージにあるもの
・レーンキープ・アシスト・システム(LAS)&車線逸脱警報システム(LDWS)
・アダプティブ・LED・ヘッドライト(ALH)
・交通標識認識システム(TSR)
・アクティブ・ドライビング・ディスプレイ(フロントガラス照射タイプ/カラー)
・フロントシート 運転席パワーシート
・フロントシート シートヒーター
・Boseサウンドシステム&10スピーカーのオプションが無印系では選べない
・19インチアルミホイールは無印系ではオプション扱い
 

 

Lパッケージ以上にしかないもの
・フロントフォグランプ
・フロントシート 助手席パワーシート
・IRカットガラス(フロントガラス/フロントドア)
・レザーシート
 

 

エクスクルーシブ モードの標準装備
・高輝度ダーク塗装アルミホイール(Lパッケージはガンメタ塗装)
・360度ビュー・モニター+フロントパーキングセンサー(Lパッケージではオプション)
・フレームレス自動防眩ルームミラー(Lパッケージではフレームあり)
・フロントシート シートベンチレーション
・CD/DVDプレーヤー+地上デジタルフルセグTVチューナー(Lパッケージではオプション)
・Boseサウンドシステム(Lパッケージではオプション)
・10スピーカー(Lパッケージではオプション)
 

 

CX-5の場合、無印系がエントリーグレードとはいっても、外装ではアルミホイールを履いているなどチープな印象はありません(ただし、上位のグレードが19インチなのに対して17インチ)。予算重視派は、無印から検討してみましょう。

旅行やゴルフ、帰省などで長距離ドライブが多く、渋滞走行が避けられないという方は、レーンキープ・アシスト・システム(LAS)&車線逸脱警報システム(LDWS)など運転支援が充実しているプロアクティブだと満足度が高いはず。それに加えて本革シートを求めるなら必然的にLパッケージ以上となります。エクスクルーシブ モードはBoseサウンドシステムなどとりわけAV系が充実しているので、車内の視聴環境にこだわる方へオススメします。
 

マツダ CX-5 ▲CX-5のエクステリアはグレードによる差別化は控えめ。ただし上級グレードでは19インチアルミホイールが標準装備となっている
 

【内外装】外装と内装はグレード間の差別化が控えめ

CX-5の最大の魅力は、マツダのアイコンともなっているエクステリアデザイン。SUVであっても、やぼったさを一切感じさせないスタイリッシュなものです。マツダの他の車種と同様、グレード間による外装の違い、差別化は控えめ。もしも中古車などで外装の違い、特別な印象を感じたのであれば、その多くはアクセサリー装着によるものです。メーカー純正のエアロパーツやアンダーガードなどオプションパーツが豊富なので、少し人とは違うCX-5を求めるなら、そういったパーツが装着されている中古車を探すのも一案です。
 

マツダ CX-5 ▲メーカー純正アクセサリーのエクステリアパーツが豊富なので、自分の好みのCX-5に仕立てることもできる。また、そういったカスタムが施された中古車も珍しくない
 

内装もマツダらしいものです。とりわけメッキ処理など加飾が上品で、これもグレード間での差別化はほとんどありません。というものもマツダの場合、手で触れて操作したり調整したりできる部分へ意図的に、このメッキ処理を施しています。見た目の良さだけでなく、視認性や機能性を伴っているので、グレードによって差別化すべきではないというポリシーが感じられます。
 

マツダ CX-5 ▲ダイヤル類、エアコンの吹き出し口、ドアのインナーハンドルなど、手で触れて操作する部分は意図的にメッキ処理が施されている
 

内装における最大の違いはシート表皮。内装はブラックのファブリックが基本ですが、Lパッケージではピュアホワイトまたはブラックのレザー内装になります。また、エクスクルーシブ モードでは専用のディープレッドと呼ばれる配色のナッパレザーシートになります。
 

マツダ CX-5 ▲エクスクルーシブ モードの内装。前席および後席左右のシート背もたれの前面、サイドサポート部内側、シート座面にナッパレザーを使用している
 

【スペック】サイズ感や室内の広さなどをチェック

型式 6BA-KF5P 最小回転半径 5.5m
駆動方式 FF 全長×全幅×全高 4.55m×1.84m×1.69m
ドア数 5 ホイールベース 2.7m
ミッション 6AT 前トレッド/後トレッド 1.6m/1.6m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) 1.89m×1.54m×1.27m
4WS - 車両重量 1560kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 -kg
ミッション位置 フロア 最低地上高 0.21m
マニュアルモード    
標準色

エターナルブルーマイカ、ディープクリスタルブルーマイカ、ソニックシルバーメタリック、ジェットブラックマイカ、チタニウムフラッシュマイカ

オプション色

ソウルレッドクリスタルメタリック、マシーングレープレミアムメタリック、スノーフレイクホワイトパールマイカ

掲載コメント

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型式 6BA-KF5P
駆動方式 FF
ドア数 5
ミッション 6AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 エターナルブルーマイカ、ディープクリスタルブルーマイカ、ソニックシルバーメタリック、ジェットブラックマイカ、チタニウムフラッシュマイカ
オプション色 ソウルレッドクリスタルメタリック、マシーングレープレミアムメタリック、スノーフレイクホワイトパールマイカ
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
フロア
マニュアル
モード
最小回転半径 5.5m
全長×全幅×
全高
4.55m×1.84m×1.69m
ホイール
ベース
2.7m
前トレッド/
後トレッド
1.6m/1.6m
室内(全長×全幅×全高) 1.89m×1.54m×1.27m
車両重量 1560kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 0.21m
掲載用コメント -
 

【メカニズム】先進安全技術のi-ACTIVSENSE

CX-5の安全性は高く、2017年度前期JNCAP予防安全性能評価では最高ランク「ASV++」を獲得しました。これを実現した技術が、マツダの先進安全技術「i-ACTIVSENSE」の装備です。この最高ランク獲得に関する機能は、被害軽減ブレーキ技術「スマート・ブレーキ・サポート(SBS)」や「アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート(アドバンストSCBS)」、車線の逸脱警告・防止技術「レーンキープ・アシスト・システム&車線逸脱警報システム(LAS & LDWS)」です。
 

・スマート・ブレーキ・サポート(SBS)
フロントのレーダーセンサーとフォワードセンシングカメラを利用。約15km/h以上で走行中に、前方の車を検知すると、警告やブレーキの自動制御が行われます。
 

・アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート(アドバンストSCBS)
フォワードセンシングカメラで前方の車と歩行者を検知すると制動を行い、衝突の回避または被害軽減を図ってくれる。車には約4~80km/hの範囲で、歩行者には約10~80km/hの範囲で作動します。
 

・レーンキープ・アシスト・システム&車線逸脱警報システム(LAS & LDWS)
車線の逸脱警告・防止技術。レーンキープ・アシスト・システムは、フロントガラスに設置したカメラで車線の区画線を認識して、車線を逸脱しないようドライバーのステアリング操作をアシストしてくれます(約60km/h以上で走行中)。また、車線逸脱警報システムは、道路上の車線を感知し、車線を逸脱することを予測してドライバーに警告してくれます。
 

 

【走行性能】「G-べクタリングコントロール」

CX-5は走行性能の評価も高いSUVです。その理由のひとつが「G-ベクタリングコントロール」。この技術は平たく言うと、運転のうまいドライバーがさりげなくやっているテクニックを、どんなドライバーも気づかないうちに運転へ生かせるようにしたものです。

ドライバーがハンドルを切ると、エンジンを制御して(回転数を落として)減速Gを発生させ、車をやや前のめりにすることで前輪への荷重移動を行います。すると前輪のグリップ力が増え、車が反応よく曲がり始めるのです。そして、ハンドルを切る手が止まると同時にエンジンの駆動トルクを元に戻して後輪へ荷重をさせ、車の安定性を向上させてくれるのです。

これはCX-5全車に標準装備されており、SUVらしからぬハンドリングとともに、CX-5の走行フィーリングをより自然に、かつ安全なものとしています。さらに、2018年10月の変更で、この「G-ベクタリングコントロール」 が「G-ベクタリングコントロールプラス」へと進化しました。

従来はエンジンの制御だけでしたが、あらたにブレーキも制御するようになったのです。コーナリングの終盤、ハンドルを戻すとコーナー外側のタイヤにほんのわずかにブレーキをかけて、車を直進状態へ戻す手助けをします。素早いハンドル操作に対する追従性が高まったのと同時に、ハンドルを戻したときに発生する挙動の収束性を大幅に改善しています。
 

 
マツダ CX-5 ▲G-ベクタリングコントロールは、ドライバーの気づかないところで走行性能を高めてくれる技術。一般的な車でブレーキをかけるほどでもない緩やかなカーブを曲がるとき、ほんの少しだけアクセルを緩めると、同じような現象を体感できることがある
 

【オプション】ソウルレッドクリスタルメタリック

CX-5に特別塗装色として選べるのが、ソウルレッドクリスタルメタリックです。メタリックのための反射層には薄くて小さくした高輝度アルミフレークと、光を吸収してシェードの濃さを強める光吸収フレークを採用しています。これらを均等かつ平滑に分布させることのできるマツダ独自の塗装技術によって実現した、鮮やかさと深みがあります。結果、メーカー希望小売価格が7万円(消費税抜き、2019年7月現在)と、国産車のボディカラーとしては強気の設定。マツダの自信を感じさせるオプションです。ソウルレッドクリスタルメタリックの中古車は、このオプション価格の分だけ、お得感があるといえるでしょう。
 

マツダ CX-5 ▲マツダの塗装技術「匠塗 TAKUMINURI」によるソウルレッドクリスタルメタリック。マツダの幅広い車種に設定されており、今やその「造形」とともに、マツダのアイコンになりつつある


 
 

【口コミ】ユーザーの評価と、その理由を解説

 

良かった点

運転していてあまり疲れません。そして本当に静かです。アイドリングや一般道走行ではエンジン音はほぼ聞こえません。ドアを閉めた瞬間に「遮蔽された」感じがします。高速道路でも100キロの定速走行は気になりません。若干ロードノイズが聞こえますがそれでも静かです。前車だと高速道路では音楽は聞こえませんでした。 寝ている家族の為に音量を上げられない為。このKFは高速道路でも静かで音楽が良く聞こえます。オプションでBoseを付けたのでその恩恵も少しはあると思いますが車の遮音性能が非常に高いと感じています。

引用元 :カーセンサー内『口コミ』  はるまJJさん/東京都

解説:CX-5は静粛性にもこだわっています。そのひとつが風騒音対策です。高速走行時の風騒音を低減するために、デザインの初期段階から空気の乱れを小さくするよう検討されています。例えば、走行中に風を切るワイパーをボンネット下側に収めるレイアウトにしたり、ドアミラーやAピラーの形状を空気の流れを乱さないものにしています。さらに、ボディ表面に存在する隙間を最小限にするなど、細かい積み重ねによって実現した静粛性を感じることができるようです。
 

走りに関してですが、スタート時の加速がいいのでストレスなく運転ができます。エンジン音も気にならないし、急な坂道や山道、悪路もスイスイ運転できます。速度や車間を設定すれば一定の運転ができるので高速時はとても快適でした。また、ディーゼルなので維持費が安いのも気に入っています。(編集部注:2.2 XD プロアクティブ)

引用元 :カーセンサー内『口コミ』  ここさん/福岡県

解説:2.2Lのディーゼルターボは、2000回転という低い回転域で420N・m/42.8kgf・mという最大トルクを発生する力強いものです。スタートではトルクフルで、高速走行においてもエンジンを高回転まで回す必然性がなく、巡行域においても静かに感じられます。
 

気になった点

19インチタイヤのせいか、足回りが以外とバタバタしています。期待値が大きかったせいもありますが、もう少ししなやか感が欲しいところです。後は外寸に比べて後席が広くないです。横方向には余裕がありますがホイールベースが短めの影響でしょうか?あとタイヤサイズが大きいため交換費用がかさみそうです

引用元 :カーセンサー内『口コミ』  パン君さん/大阪府

解説 :人車一体の流れをくむCX-5では、オンロード走行におけるハンドリングは、ドライバーがダイレクトなフィーリングを感じられるものとなっています。とりわけサイドウォールが薄くて反応の鋭い19インチのタイヤ&ホイールでは顕著です。一方17インチにおいては、19インチに比較すれば緩慢である一方、乗り心地はゆったりと豊かな印象となります。これから選ばれる方は、スタイリング(一般的に大径ホイールの方がが格好がいい)と天秤にかけて、17インチの乗り心地を選ぶというのもアリです。また、アフターマーケットのタイヤの価格も17インチ<19インチですので、17インチは維持費もリーズナブルになります。エクステリアデザインにこだわるマツダとしては、ノーズ=フロントボンネットを堂々とちゅうちょせず長くしています。これはCX-5以外の車種についても言えることですが、その分、居住空間の前後長は短い傾向にはあります。どんな車もミニバン的になってはつまらないという意図を感じさせます。
 

素晴らしい完成度の車ですが、唯一視認性はいただけないです。左後方は死角もいいとこ。駐車が怖いです。

引用元 :カーセンサー内『口コミ』  うさこさん/愛知県

解説 :エクステリアデザインは後端へいくほどルーフが低くなっており、しかも最も後ろのピラー(柱)は力強さを感じさせるほど太くなっています。このため構造上、斜め後方の視界は遮られがち。ここはスタイリングとのトレードオフとも言えます。駐車に不安を感じる場合は、Lパッケージにオプション設定、エクスクルーシブ モードに標準装備されている360度ビュー・モニター+フロントパーキングセンサー装着車を探すとストレスが軽減されるでしょう。
 

 
 

【中古車】デビュー当時の上級グレードを狙う、それとも最新のエントリーグレード?

2017年2月に発売されたCX-5は、販売後約1ヵ月が経過した時点で約1万6千台を受注するほど人気を集めました。その勢いもあって、カーセンサーnetの中古車掲載台数は1500台近くあり、選択肢は豊富。しかも、中古車相場は180万~420万円と幅広く、予算に合わせて選べる状況にあります。

デビュー時に受注したグレード構成比は、当時の最上級グレードであるLパッケージが49%、プロアクティブが46%。この結果として、先進安全技術「i-ACTIVSENSE(アイアクティブセンス)」を充実させたグレードが全体の95%を占めていました。そういった安全装備の充実したグレードが豊富なことからも、中古車として選びやすいモデルと言えるでしょう。
 

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マツダ CX-5(現行型) × プロアクティブ & Lパッケージ × 全国
 


上級グレードのLパッケージやプロアクティブを探すとお得感が強い一方、登録済未使用車も全体の10%以下ながら、100台程度見つけることができます。

20Sであれば総額250万円を切る物件もあり、使用感のなさを重視する人はこちらをチェックしてみるといいでしょう。

▼検索条件

マツダ CX-5(現行型) × 登録済未使用車 × 全国
 


新車時価格より大幅にお得感のある上級グレードか、真新しいエントリーグレードか、実に悩ましい選択肢です。

いずれにせよ、CX-5はアウトドアでガンガン使う系のSUVとは異なり、乗用車的に使われていた中古車が多いので、内外装の程度は良好な傾向にあることも付け加えておきます。

※当記事は2019年8月15日に公開した内容を、2020年9月24日に最新の情報に更新したものです

文/グラブ、編集部 写真/マツダ

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マツダ CX-5 × 修復歴なし×全国