▲2019年4月20日発売号(6月号)のカーセンサー誌の表紙を飾るのが、初代カングーだ。週末の小旅行で海辺に訪れた家族。せっかくベビーカーを出したのに、歩けるようになった子供は、母親ときらきらと光る波打ち際に向かって歩き出している。スマホでその様子を撮影している父親はきっとニコニコしているんだろう。周りにも同じような家族づれがチラホラ。家族で来れば、潮の匂いも波の音も日常にある非日常。そしてその雰囲気をさらにアゲるのが、現行型のミニバンに混じって佇む、黄色いカングーなのだ ▲2019年4月20日発売号(6月号)のカーセンサー誌の表紙を飾るのが、初代カングーだ。週末の小旅行で海辺に訪れた家族。せっかくベビーカーを出したのに、歩けるようになった子供は、母親ときらきらと光る波打ち際に向かって歩き出している。スマホでその様子を撮影している父親はきっとニコニコしているんだろう。周りにも同じような家族づれがチラホラ。家族で来れば、潮の匂いも波の音も日常にある非日常。そしてその雰囲気をさらにアゲるのが、現行型のミニバンに混じって佇む、黄色いカングーなのだ

ファミリーカーの選択肢は、軽やミニバンだけじゃない!

結婚して家族が増える。なんてステキなことでしょう!

このステキなイベントを機に車を買い替えたいな、と思う人も多いのではないでしょうか。

生まれてくる子供を出迎えるための準備で大きな荷物も運ぶし、出産後は車にチャイルドシートを取り付けなければなりません。

かつ、ラゲージにはベビーカーを積み、しかもその状態で買い物に行ったり、大量の荷物を積む必要もあります。

となると、車の選び方にも大きな転機がやってきます。

子育ての費用を考えできるだけ低燃費な車や、チャイルドシートに子供を乗せるとき、背が高い車だとラクということから、「室内が広い軽自動車」や「ミニバン」が候補に挙がるのは必然なのかもしれません。

でも、少し視点を変えてみると、家族が増えたことにしっかり対応できるという条件を満たす車は、探してみると案外あるもので、何も室内の広い軽自動車やミニバンだけではない、ということにも気がつくはずです。

ファミリーカーにルノー カングー、これがおしゃれでおススメなのです

▲ファミリーユースに必要な条件を満たす車は、なにもミニバンや軽だけではないのです。その代表が、ルノー カングーです▲ファミリーユースに必要な条件を満たす車は、なにもミニバンや軽だけではないのです。その代表が、ルノー カングーです

カングーは、フランスのルノーが1997年から販売するマルチパーパスカーで、広い室内と使い勝手の良さ、生活感が少ないこと、程よいこだわり感とゆるい雰囲気、乗り心地のよさと優れたハンドリング、おしゃれなデザインなどから実は高い人気を誇ります。

ご存じの人も多いと思いますが、カングーが利便性に優れているのは、この車が本来、貨物も人も運べる「貨客車」という商用車ゆえ。

ルノー、そしてフランス車には、古くから乗用車の車体後半に箱をくっつけて商用バンにする「フルゴネット(Fourgonnette)という形態があり、かつてはルノー4に食パンのような荷物室をくっつけた「4/F4」「4/F6」というモデルがありました。

またその後継としてルノー シュペール5をフルゴネットにした「エクスプレス」というモデルも存在していました。

▲まるで食パンのようなかわいらしい荷物室が装着されているフルゴネットの4/F4。これがカングーのご先祖様だ▲まるで食パンのようなかわいらしい荷物室が装着されているフルゴネットの4/F4。これがカングーのご先祖様だ
▲上の4/F4の後継車がシュペール5をフルゴネットにしたこちらのモデル「エクスプレス」だ▲上の4/F4の後継車がシュペール5をフルゴネットにしたこちらのモデル「エクスプレス」だ

1997年登場の初代カングーは、そのエクスプレスの後を継いだモデルとなります。

カングーとなって大きく変わったのは、それまで「人も乗れた」フルゴネットから、「人を乗せること」をメインにした乗用モデルとして発売されたことでした。

純粋な貨物用バンは、「カングー エクスプレス」として分離しています。

つまり、カングーは「フルゴネット」の伝統を継いだ車種なのです。

商用車の積載量と乗用車の走りの良さ、両方兼ね備えているのがカングー

初代カングーはバンをベースとしながらも、欧州車らしいしっかりとした走行性能をもっているため、コアなファンはその走りも評価しているくらいです。

加えて、両側リアスライドドア、観音開きのバックドア(モデルと途中から採用)、折りたたみが可能な3座独立式のリアシートなど、高い利便性も誇ります。

限定モデルや限定色をたくさん出したこともあり、おしゃれな内外装とキャラクターが受け入れられ、日本でも注目の的になったのです。

そして今では、ルノーを代表する車種となりました。

▲ルノーの代表車種となった現在のカングー(現行型)。初代よりもボディサイズは大型化したものの、カングーらしいゆるさはそのまま継続中。走りはさらにしっかり感が増している▲ルノーの代表車種となった現在のカングー(現行型)。初代よりもボディサイズは大型化したものの、カングーらしいゆるさはそのまま継続中。走りはさらにしっかり感が増している

2007年にデビューした2代目となる現行型のカングーも、基本的なイメージを初代から受け継いでいます。

シャシーが新しくなり走りはさらに良くなっています。また車幅を広げたことで積載力も大きく向上しました。

初代、現行型ともにカングー最大の魅力は、「この車で新しい生活がやってくるんだ!」というワクワク感を与えてくれること。

新しく増える家族との新生活や、子供が大きくなってからやってみたいキャンプやアクティビティなど、カングーをもっているだけで楽しい想像やしてみたいことのイメージがどんどん膨らんでいきます。

大きな箱を背負っているカングーなら、荷物も夢もいっぱい載せられるということですね。

海や山ではもちろん、都会でも絵になるカングーなら、周りからも「なんだかあのファミリー、センスいいなあ」と感じてもらえること間違いなしです。


安い、広い、おしゃれの三拍子揃った初代カングーに要注目ですよ!

▲進化した現行型もすごくいいですが、絶版車になった初代は良い意味でクラシカルなオーラを纏いはじめていると思いませんか? だからこそ今初代を手に入れることで、おしゃれにプラス「あえて選んだ感」「わかっている感」が備わった一目置かれるファミリーカーになるのでしょう▲進化した現行型もすごくいいですが、絶版車になった初代は良い意味でクラシカルなオーラをまとい始めていると思いませんか? だからこそ今初代を手に入れることで、おしゃれにプラス「あえて選んだ感」「わかっている感」が備わった一目置かれるファミリーカーになるのでしょう

今回表紙に選んだのは、初代カングーの最終型、2007年式。

まだまだ台数も多く、状態の良い物件がたくさん見つけられます。

相場もこなれてきているので、調べみたら「あら、全然予算内で買える!」なんて物件も絶対見つかると思いますよ。

輸入車だから……という不安や警戒をする人もいるかと思いますが、以前に比べれば実は機械的なトラブルは大きく減っています。

私のオススメは、4月20日発売号のカーセンサーの表紙に描いた黄色いカングー(初代)です。

今からカーセンサーで物件を探してみてください。もし、ステキだなぁと思える物件に巡り合えたら、ぜひ思い切って買ってみてはいかがでしょうか?

新しい生活をきっと素敵に彩ってくれるはずですよ。

文・絵/遠藤イヅル、写真/ルノー

遠藤イヅル(えんどういづる)

イラストレーター/ライター

遠藤イヅル

1971年生まれ。大学卒業後カーデザイン専門学校を経て、メーカー系レース部門のデザイナーとして勤務。その後転職して交通系デザイナーとして働いたのち独立、各種自動車メディアにイラストレーター/ライターとしてコンテンツを寄稿中。特にトラックやバス、商用車、実用的な車を好む。愛車はプジョー 309とサーブ 900。