「人生一度はポルシェを!」と考えている中高年よ、そろそろケイマンまたはボクスターはどうだ?
2018/10/30

中高年が車を存分に楽しめる残り時間は意外と短い
お若い人にはお若い人なりの都合があるように、筆者(50歳)を含む中高年にも、もちろん中高年なりの様々な都合と事情がある。そして車を選ぶ際にも、当然ながら「中高年特有の事情」はそれなりに考慮されなければならない。
で、その「事情」には様々なものがあるわけだが、とりわけ忘れてはならないのが「中高年はとにかく時間がない」という事実だ。
時間がないといっても、「仕事が忙しい」とかそういった話ではない。人生の、生物としての残り時間がぶっちゃけ少ないということである。

筆者の場合でいえば、本日時点で恥ずかしながら50歳。大病をしなければあと30年ぐらいは生きられそうな気配もあるが、比較的ピンピンと、休日などにちょっとしたスポーツなども楽しめるのは、せいぜいあと20年ぐらいだろう。
車の購入や運転についても同様である。
年を取ればどうしたって(一般的には)収入も下がり、運転技能も少々あやしくなってくる。となると、好きな車をある程度自由に買い、ある程度問題なく乗り回せる時間は「あと10年か15年ぐらいしか残ってない」と考えられるのだ。
で、親愛なるご同輩諸兄はよくご存じのとおり、中高年にとっての10年や15年なんていうのはほとんど「あっという間」である。我々はあっという間に、感覚的には秒殺にも近いニュアンスで、好きな車に、好き勝手に乗ることが難しくなるのである。
決して下品にあおりたいわけではないのだが、それゆえ、我々は少々急がねばならないのだ。

いつかはポルシェと言うけれど、「いつか」っていつのこと?
ところで我々は何を「急ぐ」べきなのか?
ポルシェである。
ポルシェという車の、購入である。
いや、もちろん「ポルシェ? ぜんぜん興味ないけど」とおっしゃる方も多いだろう。その場合は申し訳ないが、本稿は読み飛ばすかスルーでお願いしたい。すみません。
だが、「そうだよ! 人生一度は、いつかは、ポルシェに乗りたいと思ってるんだよっ!」と雄たけびを上げている方も、いや雄たけびは上げないまでも、そのように内心思ってらっしゃる人もいるはずだ。
その昔「いつかはクラウン」なんてフレーズがあったが、「いつかはポルシェ」というのも素敵なフレーズであり、素敵なアイデアである。不肖筆者も大いに賛同する。やはり車好きたるもの、人生一度はアレに乗るべきであろう。
……だが、その「いつか」は、果たしていつやってくるのだろうか?
70歳になって初めて「それ」がやってくるのも、もちろん素晴らしいことではある。しかし肉体コンディションなどのもろもろも考えれば、いささか遅すぎるというのが正直なところだ。
であるならば、状況が完璧に揃うのを待つのではなく、多少の見切り発車であったとしても「今」もしくは「近い将来」ポルシェを買うというのが、中高年にとっては極めて合理的な答えとなるはずなのだ。

できれば911を買いたいところだが、いくつかの問題も
残る議題は「じゃあ、どのポルシェを買うか?」ということだが、最も望ましいのは、もちろん「ポルシェ 911」だろう。911こそがポルシェにおける基本中の基本であり、同時に最終到達点でもある。
だが、911にはいくつかの問題もある。
や、「問題」と言うとちょっと違うのかもしれないが、少々やっかいな点もあるにはあるのだ。
まず、最新世代の新車や高年式中古車に関しては、「ぶっちゃけ高い」というのがある。
新車となれば素のカレラでも総額1500万円ぐらいは必要で、高年式中古車でも総額はおおむね1000万円から。
……そう簡単に出せる金額ではない。
「ならば!」ということで1世代前の911、型式名で言うタイプ997の中古車を狙うのは悪くない選択だ。
しかし、そこにも「まだ多少高い」という問題がある。
また、昔の911と違ってボディの寸法がかなりデカくなっているため、「中高年的には多少手に余る」という難点もあるかもしれない。
さらには「パワフルすぎて(日本の公道では)あまりアクセルを踏めない」という、意外とクリティカルな問題もあったりする。
「じゃあ……」ということで空冷エンジンだった時代のクラシカルな911を買うとなると、こちらはこちらで中古車相場が世界的に大高騰してしまっている。
ちょっとした5MTのカレラ2でも総額700万円以上となるのが、残念ながら昨今の常識だ。

そこで「何かとちょうどいい」初代後期のケイマンまたはボクスターを!
以上のとおり、いざポルシェ買うと決めても「ううむ……」となかなか困ってしまうわけだが、実は割と都合の良い選択肢がひとつ、いや正確には2つある。
初代の後期型ケイマンまたは同時期のボクスターを探してみるのだ。
ケイマンというのはご存じのとおり、911よりも少々小ぶりなサイズの2シータースポーツ。
駆動方式は911のRR(リアエンジン/リアドライブ)と違ってミッドシップ。それゆえ、ともすれば「エントリーモデル」と呼ばれがちな車種ではある。
だが、実際には「むしろ911より本格的」と言うこともできる。で、そのケイマンのオープン版となるのがボクスターだ。


両モデルの新車は、さすがに911より安いとはいえ、なかなか高額だ。なんだかんだで総額800万円ぐらいは最低でもかかるだろう。
現行718ケイマン/718ボクスターの高年式中古車も、支払総額は700万円からというイメージである。
しかし2コ前の世代、987型と呼ばれる2005年から2012年までのものであれば、その中古車相場は総額230万~450万円といったところ。
中でも特にオススメとなる「後期型(2008年11月以降)の素のケイマンまたはボクスター」は総額400万円前後というのがおおむねのターゲット。
……さすがに激安ではないが、「一生モノの買い物である」と考えれば納得できる水準ではある。
なぜ「素のケイマン/ボクスター」がオススメなのかといえば、「その方がアクセルを踏めるから」だ。
ハイパワーな3.4Lエンジンを積む「ケイマンS/ボクスターS」の方が当然速く高性能。
だが、あれはちょっと(日本の道で使うには)速すぎるため、不用意にアクセルを踏むと大変なことになる恐れもある(事故るという意味ではない。「免許がなくなるかも」という意味)。
それゆえ、2.9Lエンジンとなる素の後期型の方が実際には楽しかったりするのが本当のところなのだ。

いずれにせよ、日本の道路においても中高年が扱いやすいサイズで、程よいパワーで(といってもかなりのモノだが)、そして「ポルシェならではの感触」を間違いなく堪能でき、さらには「現実的な価格」でもある初代後期のポルシェ ケイマンおよび同時期のボクスター。
かなりナイスな選択であり、人生の後半戦の一部をそこに賭けてみるのも悪くない話かと思うのだが、どうだろうか?
▼検索条件
987後期型×総額430万円以下×総額表示ありこの記事で紹介している物件
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