第146回 納車後、前所有者に不幸があったことがわかった
カテゴリー: 購入後のトラブル
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2012/07/10
Q. 前所有者に不幸があった事実を告知する義務が販売店にはあるのでは?
車を購入したあとに前所有者に不幸があったことが判明しました。不要になり、ご家族が売りに出したそうですが、事前に知っていれば購入しなかったかもしれません・・・。やはり気になるので返品可能でしょうか?
A. 亡くなられた理由がその車に関係しているなどの特別な事情が明確でない限り、契約の解除は難しい
前所有者が亡くなっていると知って、契約を解除したいと思う気持ちはわかります。しかし、これは主観的な感情なので契約解除の要件としては考慮されません。基本的に契約が解除できるのは、車の性能に瑕疵などがあった場合です。前所有者がどんな人であろうと、それは車の性能とは関係がありません。
ただし、「車内で亡くなった」「死亡事故を起こしてしまった」など、敬遠してしまうような事情がある場合に、その事実を知っているにもかかわらず伝えていなかったとしたら「重要事項の告知義務」の違反に当たる可能性はあります。
とはいえ、販売店がオークションなどで落札する場合、その車の前所有者のことまで調べるのは現実的ではありません。その場合、立証することは難しいです。
ここがポイント!
自動車公正取引協議会によって告知義務が定められているのは、修復歴がある場合など。前所有者の人となりや生死は含まれない。
■使える法律用語■
重要事項の告知義務(じゅうようじこうのこくちぎむ)
消費者契約法では、勧誘に際して目的物の質などの重要事項に関し、事業者が消費者の利益になる旨を告げ、不利益な事実を故意に告げなかった場合、誤認した消費者は申し込みを取り消すことができる。日刊カーセンサーの厳選情報をSNSで受け取る
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