第52回:個人間売買のオークションで車を購入したら!?
カテゴリー: 契約のトラブル
タグ:
2008/04/15
Q.個人間売買のオークションで車を購入した場合
必ずしも返品は不可能ですか?
個人間オークションで車を購入しました。届いた車は写真よりもみすぼらしくてガッカリ。それどころか、故障個所も見つかりました。しかしノークレーム、ノーリターンを盾に返品に応じてもらえません。この場合、瑕疵担保責任を追及できないのでしょうか?
A.出品者が完全な個人の場合は
まずは販売店で購入した場合の話をしましょう。車に隠れた瑕疵があった場合には、たとえ現状販売であったとしても売り主には無償修理の責任が発生します。また、数多くの販売店が加盟している(社)日本中古自動車販売協会連合会(中販連)の規約でも「見本カタログなどによって申し込みをして車両がそれと相違し、その補修もしくは補充が不可能な場合は契約を解除できる」となっています。ですから、写真と現物が違うと認められる場合は解約が可能です。
しかし、今回は個人間の取引です。当然、中販連にも加盟していないでしょう。もし、出品者が反復継続して同じような出品をしている場合には、業者と判断される場合もあるかもしれませんが、自分が乗っていた車を一度きりで出品した場合はやはり個人間の取引ということになります。
個人に対して瑕疵担保責任を追及できるのか?民法では売り主に対しての責任を問うているので、理論上は追及可能です。しかし、瑕疵担保責任は民法第572条は任意規定と呼ばれるものです。これは、当事者に法律と異なる特約がある場合には、その意思を優先するもの。つまり、個人間で「いかなる場合もノークレーム、ノーリターン」という契約を交わしている場合には、当事者間による法律と異なる特約に該当するため、瑕疵担保責任よりも契約(意思)が優先されます。
ただし、出品者が故障を知っていた場合は、民法572条で「担保責任を負わない旨の特約を交わしていても、売り主が知って告げなかった事実については免れない」とされています。極端に言うと、ただの「ノークレームノーリターンでお願いします」では説明が十分でないとも考えられます。この場合、「ノークレームノーリターンでお願いします」といっていても責任は免れません。なお、商品等の説明が不十分であるために取引の重要な事項につき錯誤がある場合には、動機の錯誤による無効が認められる可能性もあります。また、壊れた車を意図的に売りつけようとした場合は、詐欺罪も考えられます。
しかし、これらを根拠に裁判を起こしても、出品者が故障を知っていたことを証明する責任は購入者にあります。現実問題として出品者に「知らなかった」と言われれば証明は難しいでしょう。
個人間売買には相応のリスクが生じることを忘れないでください。
A.出品者が完全な個人の場合は
追及は難しいでしょう
まずは販売店で購入した場合の話をしましょう。車に隠れた瑕疵があった場合には、たとえ現状販売であったとしても売り主には無償修理の責任が発生します。また、数多くの販売店が加盟している(社)日本中古自動車販売協会連合会(中販連)の規約でも「見本カタログなどによって申し込みをして車両がそれと相違し、その補修もしくは補充が不可能な場合は契約を解除できる」となっています。ですから、写真と現物が違うと認められる場合は解約が可能です。しかし、今回は個人間の取引です。当然、中販連にも加盟していないでしょう。もし、出品者が反復継続して同じような出品をしている場合には、業者と判断される場合もあるかもしれませんが、自分が乗っていた車を一度きりで出品した場合はやはり個人間の取引ということになります。
個人に対して瑕疵担保責任を追及できるのか?民法では売り主に対しての責任を問うているので、理論上は追及可能です。しかし、瑕疵担保責任は民法第572条は任意規定と呼ばれるものです。これは、当事者に法律と異なる特約がある場合には、その意思を優先するもの。つまり、個人間で「いかなる場合もノークレーム、ノーリターン」という契約を交わしている場合には、当事者間による法律と異なる特約に該当するため、瑕疵担保責任よりも契約(意思)が優先されます。
ただし、出品者が故障を知っていた場合は、民法572条で「担保責任を負わない旨の特約を交わしていても、売り主が知って告げなかった事実については免れない」とされています。極端に言うと、ただの「ノークレームノーリターンでお願いします」では説明が十分でないとも考えられます。この場合、「ノークレームノーリターンでお願いします」といっていても責任は免れません。なお、商品等の説明が不十分であるために取引の重要な事項につき錯誤がある場合には、動機の錯誤による無効が認められる可能性もあります。また、壊れた車を意図的に売りつけようとした場合は、詐欺罪も考えられます。
しかし、これらを根拠に裁判を起こしても、出品者が故障を知っていたことを証明する責任は購入者にあります。現実問題として出品者に「知らなかった」と言われれば証明は難しいでしょう。
個人間売買には相応のリスクが生じることを忘れないでください。
■ワンポイント法律用語■
瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)
売買の対象とされた商品に、購入時に一見して見つけることができないキズや故障があり、買い主がこれを知らない、かつ知らないことに過失がない場合、瑕疵の存在を知ったときから1年以内であれば、代替物との交換や損害賠償を請求できる。さらに、瑕疵のために契約をした目的を達することができないときは、契約の解除ができる。中古車の場合は替えのきかない特定物なので、損害賠償または契約の解除を請求することになる動機の錯誤(どうきのさくご)
人の主観的な認識と客観的な事実との間に誤解を生じている状態。特定の性能を求めて購入しようという客の意思と表示から推測される商品の性能などの不一致をいう日刊カーセンサーの厳選情報をSNSで受け取る
第52回:個人間売買のオークションで車を購入したら!?/渋滞ができる法律相談所