Q.「特別な車」だと思って購入したのに…

「もう二度と出ない車」「程度の良い超掘り出し物」などという言葉につられて車を購入しました。しかし、納車の日に販売店に行ってみると、ほぼ同じコンディションの同車種が…。「特別な車」だと思って買ったのに納得がいきません。

A.在庫があることを故意に隠していたのなら
     問題でしょう

車を売るためにお買い得な話をするのは、ある程度の宣伝文句として認められるでしょう。実際、中古車は同じコンディションの車が常時入荷するわけではないので、「次にいつ入荷するかわからない」くらいの売り文句は嘘にはあたらないと思われます。

しかし、在庫があるにもかかわらず「これが最後」と嘘をついたり、修復歴があるなどの不利益を隠したまま、価格の安さだけを伝えるなどした場合は話は別です。この場合は、「不利益事実の不告知」となり消費者契約法に違反します

このケースの場合、購入した車と同車種、同グレード、装備や程度もほぼ同じ状態の車が買った直後に大幅に値下げされて売り出されていた場合などは、販売店と値引き交渉することもできるでしょう。期間の目安としては購入から1週間くらい。それ以上経過していたら、特別な事情が無い限り値下げ交渉をするのは難しいでしょう。

第34回 法律相談所
illustration/もりいくすお

■ワンポイント法律用語■

消費者契約法(しょうひしゃけいやくほう)
消費者と事業者の間で結ぶすべての契約が対象。消費者に契約の取消権を与え、消費者の利益を守ろうとする法律
不利益事実の不告知(ふりえきじじつのふこくち)
事業者が消費者にとって利益となる旨を告げ、デメリットとなる部分を故意に消費者に説明しないこと。その誤認にもとづいた契約は取り消すことができる