軽自動車に高齢の親や祖父母を乗せ、一緒に買い物へ出かけたり、病院まで送り迎えするというのはどこにでもある光景だ。しかし、もし同乗者の膝や腰が痛いとすれば、できれば乗降しやすい車を選びたいもの。例えば今回紹介するホンダ ライフのアルマスなら助手席が回転&昇降してくれるので、足腰の弱った人も喜んで乗ってくれるのではないだろうか。

ベースであるライフ(2003年9月~2008年10月)はライバルであるスズキ ワゴンRやダイハツ ムーヴなどと同様に、背の高いスタイルによって広い室内空間を備えた人気の軽自動車だ。室内には様々な収納が用意されるなどユーティリティも高い。このライフの助手席が回転&昇降して乗降をラクにしてくれるのが、同車に用意されたアルマスだ。回転は手動、昇降は電動となる。

膝や腰が痛いと、片足を上げて乗り込む際に転倒の危険があったり、車に乗るのが億劫になりがちだ。車に乗ることを避けて外出が減ると、筋力が衰えてさらに膝や腰が痛くなることも考えられるし、高齢であるほど転倒すれば骨折の危険も増す。その点、助手席シートが外までせり出て、座りやすい高さまで下りてくる回転&昇降シートなら、お尻から座れるので足腰が弱くてもラクに乗降できる。

原稿執筆時点でカーセンサーnetを見るとライフ アルマスは3台見つかった。最安値は6.4万kmの2004年式で、総額は約46万円。数は少ないものの、いずれもほかのライフの中古車と価格差はないので、同じ価格帯で回転&昇降シートが付いてくると見ることもできる。膝や腰が痛いという家族のいる人にとっては、付加機能分がおトクに狙える状況だ。検討候補の一台にいかがだろう。

乗車定員/4名
リフト能力/100kg(シートを除く)
シート下降時最低着座面高さ/445mm(2WD)
シートの車外飛び出し量/700mm
ドア開口角度/69度
回転時足元スペース/190mm

Text/籠島康弘

2WDと4WDがある。いずれもミッションは4ATで、エンジンは自然吸気のみ

2WDと4WDがある。いずれもミッションは4ATで、エンジンは自然吸気のみ

ラゲージには標準で車いすを収納しやすくする車いす固定ネットと保護カバーが用意された

ラゲージには標準で車いすを収納しやすくする車いす固定ネットと保護カバーが用意された