家族みんなでドライブに行けるだけでなく、普段の買い物など幅広く使えて便利なコンパクトミニバン。とはいえ、足腰の弱ってきた両親を乗せる際に、箱形のミニバンよりは狭いのでちょっと心配……。そんなときに便利なのが、シートが回転したり昇降する機能の付いたコンパクトミニバンだ。今回ご紹介するトヨタ ウィッシュの助手席回転スライドシート車と助手席リフトアップシート車もそんな1台。

ベースであるウィッシュ(2003年1月~2009年3月)は同社のノア/ヴォクシーに比べて車高が低くスタイリッシュなフォルムながら7人乗れるとあって人気の5ナンバーサイズミニバンだ。サードシートにもリクライニング機構が備わるほか、ワンタッチで床下に収納できるユーティリティの高さも魅力。このウィッシュの助手席に回転スライドシートを備えたのが回転スライドシート車、回転&昇降するシートを備えたのがリフトアップシート車だ。

どちらも助手席の乗降性を高めているが、2列目シート以降は通常のウィッシュと変わらない。つまり3列目シートを床下に収納して大きな荷物を載せたり、2列目と3列目シートの片側だけ倒して長いものを載せたりすることができるなど、多彩なシートアレンジも可能。そのため親子3代でのドライブやホームセンターなどへの買い物、子どもの送り迎えなど、様々な場面をこれ一台で済ませることができるだろう。

原稿執筆時点でカーセンサーnetを見てみると、助手席回転スライドシート車は確認できなかったが助手席リフトアップシート車が7台見つかった。価格はすべて70万円前後。排気量は2Lと1.8Lがあり、走行距離は5万km~10万kmといったところ。4WDや後部に電動式車いす収納装置を備えた車(3列シートがないため乗車定員は5名)もあるなど、いろいろ選べる。「最近ヒザが痛い」と言っていた両親を乗せてドライブへ出かけたいけど、普段は日常の買い物などがメイン、なんていう人にピッタリの車ではないだろうか。

乗車定員/7名
リフト能力/100kg(シートを除く※リフトアップシート車)
シート下降時最低着座面高さ/595mm(回転スライドシート車)、430mm(リフトアップシート車
シートの車外飛び出し量/120mm(回転スライドシート車)、805mm(リフトアップシート車
回転時足元スペース/235mm(回転スライドシート車)、240mm(リフトアップシート車

Text/籠島康弘

助手席回転スライドシート車。回転するだけでなく車外へ少しスライドするため、お尻から着座しやすくなる。車内では48度までリクライニング可能

助手席回転スライドシート車。回転するだけでなく車外へ少しスライドするため、お尻から着座しやすくなる。車内では48度までリクライニング可能

助手席リフトアップシート車。シートの回転&昇降の動作はすべて電動。シート下のスイッチで操作する。車内では55度までリクライニング可能

助手席リフトアップシート車。シートの回転&昇降の動作はすべて電動。シート下のスイッチで操作する。車内では55度までリクライニング可能