【福祉車両購入ガイド】トヨタ ラウム助手席リフトアップシート車
カテゴリー: 福祉車両 ニューモデルガイド
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2012/12/06
膝や腰が痛いという人に、シートが車外まで降りてきてくれる車はとても便利。例えば以前紹介したトヨタ ポルテ サイドアクセス車などはその一例だ。今回取り上げるトヨタ ラウム 助手席リフトアップシート車は、ポルテより先に大開口スライドドアを利用して、回転&車外へ昇降する助手席を用意したモデルだ。
ベースである2代目ラウムは2003年5月に登場したコンパクトカー。初代から後席用にスライドドアを採用し、物を積んだり子どもが乗ったりするのに便利だと好評だった。この2代目は、スライドドアを備える意味をさらに一歩進め、「クルマづくりにおけるユニバーサルデザインの追究」をテーマに開発。当時盛んに言われていた「ユニバーサルデザイン」を車に持ち込むとどうなるのかを具現化した1台だ。
それゆえ、足腰の弱い人や車いすの人にやさしい助手席リフトアップシート車の登場は、とても自然なこと。センターピラー(助手席と後席の間にある柱)を無くし、助手席のスイングドアと後席のスライドドアを開け放つと幅1500mmもの大開口を実現。そこに回転&昇降する助手席を備えたのがこの車だ。乗員が乗り降りしやすいのはもちろん、介助する人もラクになる。また助手席のドアだけを開けた場合でもシートを回転&昇降することができ、すべての動作は電動でシート下のスイッチを操作するだけでいい。
助手席側のスライドドアの開閉も電動だ。助手席以外は普通のラウムと同じで、後席はリクライニングも折りたたむこともできるので、大きな荷物も載せやすい。細かい収納スペースもたっぷりあり、「ユニバーサルデザイン」をそこかしこに感じられる。日常的に使える車に足腰の弱い両親なども乗せたいという方に、オススメのコンパクトカーだ。
原稿執筆時点(2012年11月30日)で見ると、総額45.2万円で2004年式/3.2万km/修復歴なしの中古車が見つかる。車両本体価格50万円前後なら、走行距離5万km以内の車は他にもあるので、お手頃価格で手に入る助手席回転&昇降シート車と言える。台数も20台以上あって選びやすい。
乗車定員/5名
リフト能力/100kg(シートを除く)
シート下降時最低着座面高さ/535mm(助手席と後席スライドドアを開けた場合)
シートの車外飛び出し量/840mm(助手席と後席スライドドアを開けた場合)
回転時足元スペース/545mm(助手席と後席スライドドアを開けた場合)
乗車時シートスライド量/50mm
乗車時リクライニング角度/33度
Text/籠島康弘