【福祉車両購入ガイド】ホンダ モビリオアルマス
カテゴリー: 福祉車両 ニューモデルガイド
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2012/11/29
毎日のお買い物や子どもの送り迎えに使いやすく、排気量も小さくて経済的なのがコンパクトカー。一方で小さい車は、高齢の親のために購入を考えている人にとっては「両親の乗り降りがしにくいのではないか」と心配する方もいるだろう。そこで今回紹介したいのがホンダ モビリオ(2001年12月~2008年4月)に用意されたアルマスだ(アルマスは2003年7月発売)。
ベースであるモビリオは、コンパクトカーのフィットをベースに開発されたミニバンだ。全長約4mと、同社の人気ミニバン、ステップワゴンよりもさらにコンパクトで、現在のフリードの先駆けと言える。小さなボディながらウインドウが大きいため、大きな車の運転は苦手という人にも扱いやすい車だ。
このモビリオに、回転&昇降する2列目シートを備えたのがモビリオアルマスだ。高齢で足腰の弱った人にとって、車の乗り降りは大変。片足を上げるともう一方の足に負担がかかり、下手をすれば転倒する危険もある。しかしモビリオアルマスは、両足を地面に付けたままでも乗り降りしやすいように、2列目の助手席後ろ側シートが車外へ降りてくれる。
回転&昇降の動作はすべて電動。開閉部が広いスライドドアだから車いすからの乗り換えがしやすいし、介助もしやすい。乗ればコンパクトなサイズとは思えないほど頭上に余裕がある。なお、モビリオアルマスは後部に車いすを乗せておける専用の固定装置が備わるため、乗車定員は4名となる。
原稿執筆時点(2012年11月22日)で中古車を探すと、例えば2006年式/走行距離4.3万km/修復歴なしの車が総額88.6万円で見つかる。これは同年式&同走行距離の他のモビリオとだいたい同じ価格帯だ。足腰の弱い人から日常的に車いすを使用する人まで対応でき、さらに広々とした室内空間をもつコンパクトカーは希少。流通台数が少ないので(原稿執筆時点で3台)、見つけたらなるべく早めに問い合わせたほうがいいだろう。
乗車定員/4名
リフト能力/100kg(シートを除く)
シート下降時最低着座面高さ/480mm(2WD)
シートの車外飛び出し量/595mm
回転時足元スペース/290mm
シート回転角度/72度
Text/籠島康弘