室内が広く、家族みんなで出かけるのに便利なミニバン。そこに足腰の弱い人が乗り降りしやすいシートが加われば、高齢の親をもつ人も3世代でよりドライブが楽しくなるはず。今回紹介するトヨタノア/ヴォクシー(2001年11月~2007年5月)の助手席またはサイドリフトアップシート車も、そんな家族全員に喜ばれる1台だ。

ベースとなるノア/ヴォクシーは5ナンバーサイズで3列シートを備える箱型ミニバンの代表格。両側スライドドアを備え、広々とした室内をもつ。また2列目シートが回転して3列目と対面できる車両もあり、ファミリーに人気がある。そのノア/ヴォクシーに、助手席または2列目シートが電動で回転し、車外へ昇降するリフトアップシートを備えた車がこれだ。

足腰の弱った人にとっては、車の敷居(サイドシル)をまたいで乗るのは一苦労。しかし、シートが回転して車外へ降りてくるリフトアップシートなら、車の乗り降りがとてもラクになる。また、乗ってしまえば普通の車のシートと同じだから、乗り心地も他の席と同様に快適だ。

さらに、サイドリフトアップシート車では2列目のシートが回転&昇降するだけでなく、そのまま脱着して車いすになるタイプもある。こちらは普段から車いすをよく使うという人には便利だ。なお脱着シートにはオプションで電動アシスト付きも用意されているので、用途に合わせて選ぶようにしよう。

どちらの車も高齢の親に優しいだけの車ではない。普段はノーマルのノア/ヴォクシーと同じように使えるので、お出かけがしやすくなった親、息子や娘夫婦、広い室内がうれしい孫、3世代みんなが我慢することなく乗れるミニバンだ。

助手席リフトアップシート車 乗車定員/8名
リフト能力/100kg(シートを除く)
シート下降時最低着座面高さ/460mm(2WD)
回転時足元スペース/340mm
シートスライド量/前100mm、後50mm

サイドリフトアップシート車 乗車定員/7名
リフト能力/100kg(シートを除く)
シート下降時最低着座面高さ/460mm(2WD)
回転時足元スペース/260mm
シートスライド量/前100mm、後50mm

Text/籠島康弘

ヴォクシーのサイドリフトアップシート車。リフトアップシートは助手席の設定も選べる。それぞれ2WD、4WDの用意がある

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ノアの助手席リフトアップシート車。車内では、フルリクライニングはできないものの、それでも56度まで背もたれを倒すことができる

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