大きな車を運転するのは苦手という方も少なくない。家族を介助するためとはいえ無理に大きな車を運転し、毎回気をつかうのでは介助する側も疲れてしまう。そういった場合は、やはり運転しやすい小さな車を選ぶのが正解だ。例えばホンダゼスト(2006年3月~)の車いす仕様車なら小さくて運転しやすいし、軽自動車だから経済的でもある。

2006年2月に登場したホンダゼストは、当時のライバル・スズキワゴンRとほぼ同じサイズのトールワゴンだ。さらに同社お得意の低床設計によって広々とした室内空間を実現。全高はライバルより10mm低いものの、室内高は逆に35mmも高く、同社のステップワゴン並みの1340mmとなっている。ちなみにテールゲートの開口部も地上から530mmと、同クラスではトップレベルで低いため、重い荷物を載せやすいのが好評だった。

そのゼストの広い室内を生かして車いすも乗せられるようにしたのが、今回ご紹介するゼスト車いす仕様車だ。低床ゆえスロープの角度は約10.5度と低く、そのため力の弱い女性の介護者でも車いすを押し入れることができる。またスペアタイヤの代わりにパンク修理キットを助手席下に用意。スペアタイヤがラゲージの側面に配されることがなくなり、車いすに乗る人の足元や頭周りが広々とした空間となっている。

リアシートなしとリアシートありの2タイプが用意され、リアシートありの場合の定員は最大4名まで。家族でのドライブや子どもの送り迎えなどにも使うのであれば、リアシートありのタイプを選ぼう。車いすを乗せる際にはリアシートを畳む必要があるが、それも簡単に操作できる。普段の買い物やドライブだけでなく、必要に応じて車いすの家族を送迎する足にもなる経済的な1台。大きな車の運転は不安というドライバーでもストレスなしで運転できるだろう。

乗車定員/4名(リアシートあり。リアシートなしの場合は2名+車いす)
スロープ角度/約10.5度
スロープ幅(内寸)/665mm
スロープ突出長/1315mm
スロープ耐荷重/200kg

Text/籠島康弘

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  • リアシートなしとありの2種類がある。いずれもFFのみ。エンジンは自然吸気のみでミッションは4AT

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    装備はノーマル車のGグレードに準じる。エアコンはマニュアル、オプションでオートが用意されていた。カーナビやオーディオもオプションで設定があった

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