軽自動車をベースとした車いす仕様車なら、購入後の維持費が安くて助かるけれど車内が狭そう…。しかし、軽自動車とは思えないほどの大空間が自慢のダイハツ タント(03年11月~07年11月)スローパーなら心配ない。

全長&全幅は軽自動車規格のサイズを目いっぱい使い、頭上にも大空間が広がるタント。軽自動車ながら室内長は2Lセダンなみとなる2000mmだ。こうした軽自動車とは思えない広さが人気となって初代タントは大ヒットした。

この大空間を生かして車いすを乗せられる機能を備えたのがタントスローパーだ。バックドアを上げ、格納されているスロープのロックを解除すると、リアバンパーの一部が下に開いて、スロープを広げることができる。あとは後退防止ベルトを車いすにかけ、乗員ごとスロープを押し入れて、車内のフラットなフロアに車いすを固定すればOKだ。

この際、後席シートは前方向へ跳ね上げて収納することになる。つまり車いすを乗せないときは4人乗車が可能というわけ。またこのシートは外すこともできる(最初から外してあるリアシートレス仕様も用意されていた)。

そのほか約90度開くドアを生かして、助手席シートが電動で回転&スライドダウンする助手席シートリフトバック機能がオプションとして用意されていた。車いすのまま乗り込むと、それ以外には2名しか乗ることができなくなるが、助手席に座ってもらえばあと3人乗ることができる。

また助手席シートリフトパック付きなら、今はまだ足腰が弱っているだけだがいずれは…と先のことを考えて、あらかじめ購入しておくという方法もアリだ。

経済的な軽自動車1台で、普段のお買い物から家族でのお出かけ、さらには車いすの方の通院などにも使いたい。タントスローパーの後席シート装着車なら、そんなワガママにも応えられる。

乗車定員/4名
スロープ角度/10度
スロープ幅(内寸)/600mm
スロープ突出長/1210mm
スロープ耐荷重/200kg

Text/籠島康弘

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