【福祉車両ニュース】徹底した改良とコスト削減! 新型タントスローパーの秘密
カテゴリー: 福祉車両 ニュース&トピックス
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2014/06/12
2013年10月に登場した新型タント。広々とした室内と、助手席側のセンターピラー(助手席ドアと後席ドアとの間の柱)がドアに内蔵されていて、スライドドアを開けると大開口が現れる「ミラクルオープンドア」などが人気の軽自動車です。
タントスローパー(車いす仕様車)とタントウェルカムシート(回転&昇降シート車)を合わせた2014年1月~4月の平均月販台数は460台。福祉車両というジャンルにおいては非常に好調な数字です。そんな大人気のタントの秘密を、開発を担当する特装車両室の太田室長に伺いました。
「新型タントスローパーでは、専門メーカーと共同で、新しい電動ウインチを1から開発しました。その結果、汎用品を上手く活用するなどして、従来の固定用のモーターよりもコストも抑えることができたのです」と太田さん。
福祉車両の普及を妨げる原因のひとつは、やはりその価格です。普通の車にはない専用部品を使うため、どうしてもコストがかかってしまい、ベース車に比べ割高な価格設定になってしまいます。特に価格に対する消費者の意識が厳しい軽自動車においては、機能の改良と並行してコスト削減を実現する必要があったのです。
そうした機能開発の努力によって、新型タントスローパーは旧型に比べて約15万円安い142万円~という魅力的な価格を実現しています。
「新型タントスローパーに電動ウインチを搭載したことで、スロープ長を短くできました。短くなったことで軽くなりますから、介助する方にも取り扱いやすくなっています」と太田さん。
そのほかにもリアシートを新開発して折り畳む際の手順を簡略化したり、ボディ内部の出っ張りを減らすなど、使い勝手を高めながらも、コスト削減を実現する小さな改良を積み重ねたのだとか。これらによって旧型よりもグンとコストを抑えたタントスローパーが誕生したのです。
■タントスローパー
乗車定員/4名
スロープ角度/13度
スロープ突出長/1115mm
スロープ幅/640mm
開口部高/1370mm