誰もが運転しやすく、ゲーム感覚もあって楽しいハイブリッドカー

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注目のハイブリッドカー、ホンダ インサイトの試乗会に参加してきました。
タイミング的には発売から2週間たっていませんが、すでに1万台が売れたそうです。エコカーブームということもあるでしょうが、この不景気による節約志向も追い風になっているようです。

200万円以内でハイブリッド専用ボディ。
それが同社のリサーチによる、「消費者が買いたいと思えるハイブリッドカー」像だったそうです。それを具現化したのが今回のインサイト。ライバルであるトヨタプリウスに対し44万1000円も安い(最廉価グレードで比較)という戦略的な価格設定は、このようなリサーチの裏づけがあったのです。

実際に価格を下げるために行われた技術として、まずバッテリーのモジュール数がシビックハイブリッドの11本から7本に減っています。本数は減っていますが、同じ性能を引き出せるように改良されています。
また、ハイブリッドシステムの制御をつかさどるPCUは新設計で、ダウンサイジングとともにコスト面での見直しも図られました。ケーブルもコストを下げるため、シビックハイブリッドで2本だったところを1本にまとめられるよう工夫されています。
  • ホンダ インサイト フロントシート|ちょい乗り試乗
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ボディの大きさはプリウスとほぼ同じ。ただし、ハイブリッドシステムの考え方は違います。プリウスは、モーターを主としエンジンがサポートと言ってもいいぐらいにモーターを駆使します。一方でインサイトは、エンジンが主でモーターはあくまでサポート。そのため、10・15モード燃費の数値はプリウスが35.5km/L(グレードはS)に対し、インサイトは30.0km/Lとなります。
それでもすごい数字ですけどね。

エンジン主体、ということで走っているとプリウスよりもエンジンが回っていることが多いようです。アイドリングストップ機構を備えているので、信号待ちなどでブレーキを踏んで止まっていると何も音がしません。しかし、ブレーキから足を離すとすぐにエンジンがかかり、出だしに戸惑うことはありませんでした。ただ、パーキングに入れて止まっているときなどはエンジンがかかったままです。この辺はプリウスとは制御が異なります。

燃費向上のため車の底面まで空力が考えられているボディは、新しい車のカタチを感じさせカッコイイと思えます。上の写真右は無限のエアロパーツをまとったインサイトですが、この手のエアロパーツが似合うハイブリッドカーって、新しいですよね。
運転席からの眺めは広々として視界良好です。コンパクトなボディサイズということもあり、左右の感覚もつかみやすく、ボディの先端が見えなくても誰もが簡単に運転できるはずです。

ただし後席は空力ボディの影響で、身長173cm&座高が高めな私では天井に頭が付いてしまいます。せめて同社のフィットのように後席リクライニング機構をつけてもらえたら、うまく天井がよけられるのですが。
  • ホンダ インサイト ラゲージ|ちょい乗り試乗
  • ホンダ インサイト 後方視界|ちょい乗り試乗
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ECONと呼ばれる緑のスイッチを押すと、エンジン出力からエアコンの風量まで、すべてを省エネモードにして燃費を向上させます。このボタンを押しても街中や高速道路での加速感に不満はありませんでしたし、試乗当日は寒い日でしたが、エアコンは十分利いていました。

乗り心地はというと、15&16インチモデルともにライバルよりは硬めです。段差はうまくいなしてくれますが、ファミリィユースを考えると、もう少し足回りはしなやかにしたほうがいいのではないでしょうか。

一方で、意外と面白かったのはアンビエントメーター。通常のメーターパネルの上にある速度計の部分、その背後に表示される色の移り変わりがドライバーの心理にビシッと突き刺さるのです。
エコ運転中ならグリーン、ちょっとエコ程度ならグリーンとブルーの混ざった色、加速中など燃費が悪い場合にはブルーが表示されます。私のような単純人間は、不思議なもので出来るだけグリーンにしようと、ついつい無意識に頑張ってしまいます。

同様に、メーターパネル内のマルチインフォメーションディスプレイに表示されるecoスコアのリーフ(葉っぱ)の数も、育てようとしてしまいます(エコ運転度が高いほど、リーフが増えます)。同社のインターナビを付けていれば、運転後に「運転がどれほどエコだったか」を教えてくれたり、インターナビ・プレミアムクラブに加入すれば、全国のインサイトオーナーと燃費を競い合うこともできます。

エコをただ謳ったり心がけたりするよりも、こうしたゲーム性の導入はかなり有効な方法だと思えます。新時代の車に乗っているのだとオーナーに自覚させてくれるのではないでしょうか。
<カーセンサーnetデスク・ぴえいる>