インディをはじめ、数々のレースで活躍するプロレーシングドライバー・ロジャー安川氏が、北米でしか販売されていない魅力的な車を日本のみなさんに紹介します。

外見は日本モデルとほとんど同じだが、エンジンは2.5Lシングルターボ

トヨタ ランドクルーザー200 フロントスタイル|ロジャー安川の米国自動車浪漫 トヨタ ランドクルーザー200 リアスタイル|ロジャー安川の米国自動車浪漫
↑レクサスのLX570とは姉妹車とも言えるランドクルーザー。200系モデルとなり、だんだんルックスがまさにSUVという雰囲気に変わってきています
日本車の中で最も長く継続生産されているトヨタ ランドクルーザーは、北米でもオフロードファンの中で高い人気を誇ります。そのランドクルーザーが200系となり、2007年にフルモデルチェンジ。レクサスブランドで販売されているLX570とは、姉妹車ともいえるランドクルーザーですが、北米版200系はLX570と違うところも多々ありますし、さらに日本モデルと異なるところがいくつかあります。
インテリアの質感に関しては若干LX570に劣りますが、アウトドアなど山や海に行くことを考えると、むしろランドクルーザーのレベルで十分だと思います。また、LX570にある2&3列目シートをボタン一つで折り畳む機能なども装備していません。全体的にランドクルーザーのほうが“男向け”という印象を受けます。

トヨタ ランドクルーザー200 インパネ|ロジャー安川の米国自動車浪漫 トヨタ ランドクルーザー200 ラゲージ|ロジャー安川の米国自動車浪漫
↑インテリアのクォリティはLX570と肩を並べるレベル。前モデルから全長が235mm延びたことによって室内はさらに広々としています
ルックスに関しては日本モデルと大きな差はありませんが、日本モデルが前モデルの100系と同じ2UZ-FE型の4.7Lエンジンを搭載しているのに対し、アメリカ版にはLX570やピックアップトラックにも採用されている5.7Lエンジンを搭載しています。トランスミッションも、日本モデルは5ATですが北米版は6AT。車のパフォーマンスや牽引力に関しては、北米モデルのほうが明らかに勝っているといえるでしょう。

トヨタ ランドクルーザー200 エンジン|ロジャー安川の米国自動車浪漫 トヨタ ランドクルーザー200 走り|ロジャー安川の米国自動車浪漫
↑エンジンにはピックアップトラックのタンドラやLX570にも使用している、5.7Lエンジンが搭載。日本モデルとは異なりミッションも6MTが装備されています
実際にエンジンパフォーマンスはLX570に乗った時と同様に、アクセルを踏むと2.5tの車に乗っているとは思えない加速感。そしてV8の重低音のサウンドは、アメリカンっぽくパワフルに聞こえます。クロールコントロールや、ヒルスタート・アシスト・コントロールシステム(HAC)などの安全装置も標準装備されていて、オフロードでの走行でも安心です。
確かに5.7Lエンジンのパフォーマンスは良いですが、ベース価格が64,755ドル(約650万円)ともなると、LX570に心が揺れしてしまいそうな気も…。しかし、他のフルサイズSUVのランドローバーやリンカーン ナビゲーターと比較すると、確実に走りの内容やコストパフォーマンスに関してランドクルーザーのほうが優れていると言えます。
個人的には、60,000(約602万円)ドルを超えるプライスタグが、どうしても気になります。その理由は、日本モデルのベース価格のほうが、100万円以上も安いからです。内容は若干違ったとしても、単純に日本モデルのほうがお買い得でしょう。

主要諸元のグレード:ランドクルーザー200 駆動方式:4WD トランスミッション:6AT 全長×全幅×全高:4950mmX1970mmX1880mm ホイールベース:2850mm 車両重量:2581kg 乗車定員:8名 エンジン種類:DOHC V型8気筒 総排気量:5.7L 最高出力:381ps/5600rpm 最大トルク:55.4kg-m/3600rpm 10・15モード燃費(km/L):- ガソリン種類/容量:無鉛プレミアム/96L 車両本体価格:$64,755(約650万円)
(Tester/ロジャー安川 Photo/竹内英士)