トヨタ ランドクルーザー ▲メッキバーが横たわるフロントグリルやフタ状に形成されたボンネットフード、現行モデルにはないホイールアーチモールなどが備わる次期ランクル。いま頃ならテストカーが海外を走っていたはずだが、新型コロナウイルスの影響で見合わせに

世界中のみんなが楽しみにしている

三菱 パジェロが姿を消した後、日系ブランドが国内でも販売するフレーム構造のヘビー級SUVはランドクルーザー(以下、ランクル)一本に絞られる。海外でも高いネームバリューを誇り、高級SUVのひとつとして支持される人気モデルにまつわる情報をお届けする。

300系を名乗る次期ランクルで目を引くのは、U字型に配されるグリルまわりのガーニッシュ兼ダクトだ。ヘッドランプ下から大きなラジエターグリルを囲うように設けられて存在感が演出される。

グリルには4本のメッキバーが横たわり、バーには現行と同じく黒いストライプが配されるようだ。

厚みが保たれるノーズでは、ボンネットフードの開口線が上面から側面(フェンダー)に移動。リッド全体がフタ状に形成される。フード中央には、前方視界の確保に役立つ凹状のレリーフを踏襲か。

また、台形のホイールアーチにはモールを新たに装着。ホイールは六角形と6本のスポークが並ぶデザインで、ダークグレーに塗装されて力強さが醸し出される。

ボディ側面で注目したいポイントが、ウエストラインだ。パネル直付けのフラッグ式に変わるドアミラーと相まってウエストラインが下げられる。側方の視界向上が図られるようだ。

トヨタ ランドクルーザー▲9年間にわたって販売された100系のモデルチェンジ版として登場した現行200系ランクル。海外向けには4.5L V8など、ディーゼルターボも用意された。優れた耐久性も人気の秘密

TNGA世代のコンポーネントを採用

次期ランクルのシャシーには、TNGA思想が反映された新開発のフレーム式プラットフォームが初採用される。このフレームは、次期レクサス LXや北米専売車のセコイアにも展開される見通しだ、がまずは次期ランクルで世に送り出される。

パワートレインのダウンサイジングによる環境性能の向上も見逃せない。

国内仕様に焦点を当てて説明すると、現在は4.6L V8が搭載されているが、次期型ではレクサス LSに搭載済みみの3.5L V6ツインターボに置き換わる。

このガソリンターボには、エンジンとATの間にモーターが置かれるハイブリッド仕様も新設定。1モーター式のシンプルな構造で、コストや重量、設置スペースを抑えつつ加速時などの燃費改善が図られる。

ハイブリッド仕様と並んでファンから歓迎されそうなのが、ディーゼル車の国内再投入だ。冒頭で触れたパジェロが、晩年ディーゼル車のラインナップで一定の支持を集めただけに市場で注目を集めるに違いない。

このディーゼルは、TNGA世代の新開発3.3L V6となるだろう。
 

関係者の出張禁止で、海外テストを行えず

現在、次期モデルの開発は足踏み状態が続いている。

というのも、本来ならこの時期に海外へ試験車両を持ち出してテストを行うはずだったが、新型コロナウイルスの影響で関係者の出張が解禁されていないため、様子見が続いているようだ。

開発当初は、2020年夏に発売される予定だったが外観デザインの再検討と、ハイブリッド機構の商品性を確実にするため2021年春へと持ち越された。

しかし、テスト走行での確認が遅れてしまうと再び発表スケジュールに影響が及んでしまう可能性もある。はたして、2021年春のリリースに間に合うよう最終確認と仕上げにこぎ着けるだろうか。

※2020年9月11日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません

【諸元・スペック】
■予想発表時期:2021年4月
■全長×全幅×全高:4970×1985×1860(mm)
■搭載エンジン:3.5L V6+ターボ 他
 

text/マガジンX編集部
photo/マガジンX編集部、トヨタ