私財を投じて建造!? 神奈川県藤沢市「ジムニー歴史館」館長のジムニー愛がすごすぎる!
2019/12/28
歴代のジムニーがずらりと並ぶ館内
2019年のカーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したスズキ ジムニー。
趣味性が高く、それでいて軽自動車という特異な車に、なぜ人はここまで魅せられるのだろうか。
その魅力を探るべくジムニーについて調べていると、神奈川県藤沢市に「ジムニー歴史館」なるものがあることを知った。
特定のメーカーの車を集めた博物館ならいざ知らず、1モデルのみを対象にした博物館というのは聞いたことがない。
早速、話を聞きに行った。
ジムニー歴史館館長
尾上 茂さん
ファンの間で広く知られている、ジムニー専用のパーツショップ「アピオ」の創業者。現在は社長を退き、私費で建てたジムニー歴史館の館長を務める。
インタビュアー
カーセンサー編集部 今泉翔太
東京生まれだが、実は細い道で結構ドキドキしてしまう34歳。3人の子供たちにワイルドなパパであることをアピールするため3列シートのSUV購入を画策しているが、そのサイズ感にビビり二の足を踏んでいる。
今日はよろしくお願いいたします。ものすごくきれいな建物ですね。なんだかジムニーがもつアウトドアの雰囲気とはかけ離れているというか……。
どうせ造るなら、来た人が喜んでもらえる場所にしたい。そう思ってあれもこれもってやっていったら、こんなになっちゃいました(笑)。めちゃめちゃお金がかかりましたよ。でも自分の好きなように造って、好きなものを見てもらいたかったから全部自費です。
自費!? てっきりメーカーさんとかからお金が出ているものと思っていました。では中にある車も、館長の私物ですか?
僕のもあるし、大切に乗られていたオーナーさんから寄贈いただいたものもあります。アピオというジムニー専用のパーツショップを経営していたのですが、そのころから集めていたものもあります。
この博物館ができるまで、その車たちはどうしていたんですか?
広い倉庫に入れていました。そのうちにどんどん台数が増えていって、だったらファンの人たちに見ていただこうと思って。
それにしてもジムニー1車種だけで、さらに自費というのがすごすぎます……。ジムニー以外の車は置かないんですか?
ライバル車として紹介するために三菱 パジェロミニや、ジムニーの祖先になったホープ自動車 ホープスターという車を展示していますが、それ以外はすべてジムニーです。
最初の印象は「正直微妙な車」
もともとジムニーの販売などをされていたのでしょうか?
いえ、ジムニーとの出会いは仕事ではなく、人に勧められて購入をしたのが始まりです。オフロードを走るのが好きで、軽いし楽しそうな車だからということで、仲間うちの何人かで買おうという話になったんです。もう50年以上前の話です。
それで、すぐに虜になった?
いや、その逆でした。購入したのはSJ30型というモデルだったんですが、パワーがないし遅い。すぐに売ろうと思ったのですが、その下取り額が冗談のように低くて、だったら自分でいじって速くしてやろうと思ったんです。
そこで売らなかったからこそ、尾上さんとジムニーの関係は続いているんですね。
自分でパーツを作ってレースなどに出て、ジムニーより排気量の大きい車に勝ったりして。それでそのパーツが評判になり、量産して販売するようになったんです。自分で走っては作りというのを繰り返しているうちに、支持をいただけるようになりました。
お仕事にまでしてしまったジムニーという車。その魅力はどんなところにあるのでしょうか?
年齢も性別も関係なく人を惹きつける車だと思います。見た目の愛くるしさもあるけれど、乗っている人の気持ちを和らげてくれる、小さいし周りを威圧するような雰囲気も全くないでしょ?
確かに。どの世代のモデルでも、共通してそんな雰囲気があります。
僕のようにオフロードやレースを楽しむように改造しても楽しいんだけど、現行型はオンロードも快適。だからジムニーに初めて乗るという人でも、普段乗りの車として楽しめる。ジムニーなら今まで味わったことがないカーライフが待っていると思いますよ!
ジムニーはコアなファンばかりで、ちょっととっつきにくいイメージもあった。
だがここに行けば、この丸目の愛らしい車に親近感を抱くだろう。
車ばかりが並ぶ実直なミュージアムではあったが、外に出たときには何だか温かい気持ちになっていた。
ジムニー乗りでなくても、車への愛をもつ人であれば必見だ。
【施設情報】
●ジムニー歴史館
【住所】神奈川県藤沢市用田2140
【開館時間】10:00~17:00
【休館日】月~水曜日、年末年始
【問い合わせ】電話番号0466-90-3011
【関連リンク】
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