▲ETCの整備や渋滞が顕在化している箇所での道路構造の改良、LED表示板などによる速度回復の呼びかけ、渋滞予測情報の提供など、様々な取り組みが効果を発揮。渋滞が台数・時間的に与えた影響を表す指標である「渋滞損失時間」は、2013年を境に減少傾向にある ▲ETCの整備や渋滞が顕在化している箇所での道路構造の改良、LED表示板などによる速度回復の呼びかけ、渋滞予測情報の提供など、様々な取り組みが効果を発揮。渋滞が台数・時間的に与えた影響を表す指標である「渋滞損失時間」は、2013年を境に減少傾向にある

渋滞は減少傾向と言うけれど、はまるとやっぱりイライラするよねー

待ちに待ったゴールデンウイーク。レジャーや帰省に車も大活躍する時期です。一方で、高速道路の渋滞は頭痛の種。今年の渋滞は、上下線ともに5月3~5日に多く発生するとの予測。下りのピークは3・4日、上りは4・5日の見通しだそうです。ちなみに、10km以上の渋滞回数は、昨年に比べると、およそ13%増える予想だとか。んー、渋滞にはまるとイライラしてしまいます。そこで、今回は渋滞を快適に乗り切れるかもしれない、いやむしろハマりたくなるかもしれない車選びを紹介します。

安全運転支援システムを搭載した車を選ぼう

ベタですが、まずは運転支援システムを搭載した車を選びましょう。理由はいわずもがなですよね。平成26年中の高速自動車国道等における事故類型別交通事故発生状況をみると、車両相互の事故が90.4%を占めています。そして、車両相互の事故では,車線上の停止車への追突が最も多く、次いで走行車への追突が多くなっているからです。

最近では各メーカーが搭載していますが、中古車でオススメしたいのはスバル。お馴染み「EyeSight」を早い時期から展開していたので、中古車市場で探しやすいといったアドバンテージがあります。現在の「EyeSight」はVer.3ですが、中古車で狙うなら、2010年モデルの一部から搭載されているVer.2。搭載車には5年落ちもあり、価格もこなれてきています。

もちろん、機能的にはVer.2もなかなかのもので、衝突回避ブレーキと全車速追従クルーズコントロールを実現しています。衝突回避ブレーキは渋滞時の不注意による追突リスクを軽減、また、全車速追従クルーズコントロールは、高速道路や自動車専用道路で0-100km/hの広い車速域で先行車を追従走行してくれるので、アクセルやブレーキ操作のわずらわしさを軽減してくれます。

渋滞時はタダでさえイライラするもの。そこに、細かいアクセルのオンオフで疲れると、つい奥さんや子供にきつくあたることもあるかもしれません。しかし、「EyeSight」を搭載していれば、そんなイライラも低減。楽しい車内になること間違いなしです。

▲オススメは、7人乗りで、友人同士や実家の親などとも一緒にレジャーに行ける『エクシーガ』。2012年7月に改良して発売されたモデル以降は、「EyeSight(ver.2)」搭載モデルをラインナップしている。今年の夏には、2回目の車検での買い替えによる下取り車も出てきそう。お盆や年末、来年のGWの渋滞に向けて、狙い目かも▲オススメは、7人乗りで、友人同士や実家の親などとも一緒にレジャーに行ける『エクシーガ』。2012年7月に改良して発売されたモデル以降は、「EyeSight(ver.2)」搭載モデルをラインナップしている。今年の夏には、2回目の車検での買い替えによる下取り車も出てきそう。お盆や年末、来年のGWの渋滞に向けて、狙い目かも

渋滞中はお気に入りの音楽でテンションアゲアゲ

イライラした気分を落ち着かせてくれるといえば、お気に入りの音楽。ヒーリングだけでなく、渋滞で眠くなったときなどは、大音量でかけて眠気を吹き飛ばしたという経験がある人も多いでしょう。

ソニー損保が2016年に採ったアンケートで「お盆の帰省中、“眠気覚まし”に最も聴きたい曲」では、1位はゴールデンボンバーの「女々しくて」、2位はB'zの「ultra soul」、3位はウルフルズの「ガッツだぜ!!」という結果に。ちなみに、順位の変動はあれども、この3曲は2014年から3年連続で3曲とも3位以内にランクインしていました。

さて、これらの曲を聴くのにピッタリな車ですが、ずばり、音にこだわった特別仕様車です。カーセンサーでも、検索ワードに「BOSE」と打ち込むと、3000台以上がヒットします。これらは、世界的な音響メーカーとして有名なBOSEのスピーカーやサラウンドシステムを搭載した特別仕様車かオプション装着車。この中から選んでもいいのですが、あえてオススメしたい1台を挙げるなら、2012年2月に発売された日産の特別仕様車「ムラーノ モード・ビアンコ」はどうでしょうか。

「ムラーノ モード・ビアンコ」は、専用設計されたBOSEサウンドシステムを標準装着。ムラーノに最適なスピーカー位置、イコライゼーションの周波数特性などを決定して創り上げたシステムで、音楽ソースに関わらず、音のバランスを常に最適化。自然な音楽再生を実現しているそうです。

ちなみに、スピーカーは11個。ダッシュボード中央に中高音域用スピーカーを配置したことにより、ボーカルや楽器の定位がより明確になり、ライブ感溢れる音響空間が広がるのだとか。カーセンサーで調べたところ、タマ数は8台(4月23日現在)とやや少なめですが、5年落ちだけに価格帯は200万円台半ばとこなれてきています。

音楽にこだわっている車といえば、2代目となるトヨタ『bB』も面白い。9個のスピーカーを配置して、迫力ある重低音と360度音に包まれるような臨場感でデビュー当時大きな話題となりました。ユニークなのは、音に連動してスピーカーやカップホルダー、ドアトリムなど計11カ所のイルミネーションが光るというところ。夜の渋滞もクラブ感覚で楽しくなるかもしれません。

▲2代目『bB』は、2005年12月~2016年7月まで生産。カーセンサーでの平均年式は2007年式で、平均価格は50.5万円(4月23日現在)▲2代目『bB』は、2005年12月~2016年7月まで生産。カーセンサーでの平均年式は2007年式で、平均価格は50.5万円(4月23日現在)

押し出しの強い車で車線変更を乗り切れ

渋滞で困ることのひとつが、車線変更。ウインカーを出しているのに入れてもらえず、JCT(ジャンクション)やIC(インターチェンジ)で自分が行きたい方向に行けなかったり、SA(サービスエリア)に寄りたいけど左車線に入れなかったり、悲しい思いをしたことはありませんか。悲しいことですが、車格によっては舐められてしまうこともあるのが現実。そこで、あえて押し出しが強い車に乗って、渋滞の車線変更を乗り切ってみてはどうでしょうか。

押し出しの強さに必要なものは、個性的なデザインだけではありません。あえて付け加えるなら、「高そうに見えること」も重要です。「この車にぶつけたら、大変なことになりそうだ」とか「社会的に地位が高い人がのっていそうだ」と思われれば、すんなり入れてもらえる確率は高くなる気がします。

では、そこそこの価格で押し出しが強い車といえばなんなのでしょうか。オススメは、アメ車のセダンです。威圧のあるフロントマスク。無駄に(失礼)デカイ車体。もちろん、新車時価格は高いので高級感もあります。なにより、この新車時価格は高いというのが重要で、中古車になると値落ち率が大きいんですね。

例えば、大統領専用車にも採用され、アメリカの富裕層から愛される『キャデラック』。2006年6月~2010年12月まで生産されていた『キャデラック DTS』は、新車価格840~885万円にも関わらず、カーセンサーでの中古車平均価は182.4万円(4月23日現在)。この車は、キャデラックの最上級モデルであるドゥビルが大幅なマイナーチェンジを経て誕生したモデル。このモデルから大きくデザインが変更されたこともあり、10年落ちでも古くささを感じさせません。

▲エンジンは4.6LのV8を搭載。渋滞を抜けたあとのロングツーリングも快適だ。ただし、維持費は高めになるのでご注意を▲エンジンは4.6LのV8を搭載。渋滞を抜けたあとのロングツーリングも快適だ。ただし、維持費は高めになるのでご注意を

独断と偏見で考えた、渋滞中でも、少しだけイライラが収まるかもしれない車たち。GW以外にも、お盆、年末年始と渋滞が起こる期間に車でお出かけする方は、ぜひ、参考にしてみてください。

text/コージー林田
phot/PIXTA、GM、編集部