▲いかにも「ハイソなファミリーの休日」といった感じの写真ですが、実はこのBMW 2シリーズグランツアラー、中古車であれば日産 セレナの新車と似たような予算でも狙えるのです ▲いかにも「ハイソなファミリーの休日」といった感じの写真ですが、実はこのBMW 2シリーズグランツアラー、中古車であれば日産 セレナの新車と似たような予算でも狙えるのです

走行数千kmレベルの物件でも200万円台

「正直あまり好きではないのだけど、家庭の事情でミニバンを選ばざるを得なくなった」という人は決して少なくないでしょう。で、さらに「いかにもファミリー向けっぽい国産ミニバンはちょっと耐えられないし、最近流行りの超ゴージャスな国産ミニバンもちょっと……」と思っている人も、それなりにいらっしゃるかもしれません。

これまで、そういった人にとっての選択肢はフォルクスワーゲンの7人乗りミニバン「ゴルフトゥーラン」ぐらいしかありませんでした。しかし15年6月にBMWから「BMW 2シリーズグランツアラー」という3列シートのミニバンが登場したことで、そして最近その中古車流通量が増えてきたことで、国産ミニバンが好きではない人にとっての魅力的な選択肢は増加しました。

「でも高年式のBMWでしょ? ってことは中古車でもけっこう高いんじゃない?」と思うかもしれませんが、実はそうでもありません。もちろん「激安!」みたいな相場ではありませんが、おおむね260万円から299万円ぐらいの車両価格で――つまり例えばですが日産 セレナの2.0Gを新車で買うのと似たようなプライスで――走行数十kmからせいぜい数千kmぐらいの15~16年式を狙えてしまうのです。

ある種の人にはこれってかなりグッとくる話かと思うのですが、どうでしょうか?

▲こちらがBMW 2シリーズグランツアラー。5人乗りの5ドアハッチバックである2シリーズアクティブツアラーの全長とホイールベースなどをストレッチさせた3列シートの7人乗りミニバンです ▲こちらがBMW 2シリーズグランツアラー。5人乗りの5ドアハッチバックである2シリーズアクティブツアラーの全長とホイールベースなどをストレッチさせた3列シートの7人乗りミニバンです

見た目はミニバン。しかし乗り味はスポーティカー的

BMW 2シリーズグランツアラーという車について簡単にご説明しましょう。BMW初の3列シートミニバンとして15年6月に登場したモデルで、弟分である2シリーズアクティブツアラー(こちらは2列シートの5人乗り)と同様「BMW初のFF車」でもあります。

搭載エンジンは最高出力136psの1.5L直3ターボと、同192psを発生する2Lの直4ターボ、そして同150psを発生する2L直4ディーゼルターボの3種類。組み合わされるトランスミッションは3気筒モデルが6ATで、それ以外は8ATとなります。

スリーサイズは全長4565mm×全幅1800mm×全高1645mm。ベースとなった5人乗りのアクティブツアラーより21cmぐらい長く、10cm近くmm高いというニュアンスですが、その走りっぷりは「いかにもBMW!」といった感じです。乗り味はひたすら重厚でボディの剛性感も強烈ですが、しかしステアリングを切れば、切った分だけすみやかに、そして軽やかに車の向きを変えます。で、背が高いミニバンでありながらドライバーはロール(コーナリング時の車の傾き)をほとんど感じません。「スポーティカーかよ!」ってぐらいに。

そして内装のデザインや質感は2シリーズ全般に共通するニュアンスのBMW風味全開ですので、ドイツ車のノリを好む人であればかなり気に入るはずです。外装は、ミニバンですからどうしても胴長のずんどうフォルムとなりますので、「カッコいい!」と思えるかどうかは正直微妙というか、人それぞれでしょう。しかし他のBMW車と共通するデザインのフロントまわりやテールレンズ付近の雰囲気は、なかなかイケてると評しても良いのではないでしょうか。

▲ミニバンということでさすがに「ずんどうフォルム」ではありますが、BMW 3シリーズなどと共通するデザインテイストのテールレンズなどにより、受ける印象はかなり良好なはず。また走りも当然かなりのもの ▲ミニバンということでさすがに「ずんどうフォルム」ではありますが、BMW 3シリーズなどと共通するデザインテイストのテールレンズなどにより、受ける印象はかなり良好なはず。また走りも当然かなりのもの
▲シート表皮は写真のレザーの他、ファブリックなど個体によって異なりますが、2シリーズグランツアラーのインテリアはおおむねこのようなニュアンス。シンプルでありながら高級感もある仕上がりです ▲シート表皮は写真のレザーの他、ファブリックなど個体によって異なりますが、2シリーズグランツアラーのインテリアはおおむねこのようなニュアンス。シンプルでありながら高級感もある仕上がりです

3列目の狭さとエンジンに関する「あなたの意見」は?

ということで、とってもステキなBMW製の高年式ミニバンが、ファミリータイプの国産ミニバンを新車で買うのと(おおむね)同予算で買えることがわかりました。気になる人は、ぜひ下記物件リンクをチェックしてみてください……ということで話を終えられればいいのですが、なかなかそうもいきません。なぜならば、世の中には「うまい話」はないからです。それゆえ当然ですが、「200万円台で超高年式・低走行のBMWミニバンが買えちゃう!」という話にもいくつかの問題点は隠されています。

まず第一に「2シリーズグランツアラーは3列目シートがけっこう狭い」という事実です。小学生ぐらいまでのお子さんなら問題ありませんが、大人(特に男性)がこの車の3列目に長時間座るのは正直ちょっとキツいでしょう。

そして第二に「今のところ車両200万円台で狙えるのは1.5Lの直列3気筒ターボを積む318i系だけ」という事実があります。

前述したとおりエンジンラインナップは最高出力136psの1.5L直3ターボと、同192psを発生する2Lの直4ターボ、そして同150psを発生する2L直4ディーゼルターボの3種類で、イチオシはやはり2Lのディーゼルターボです。低回転域からやたらとトルクフルですので、非常に乗りやすく、そして高速道路では楽ちんでありながら速く、そして燃費性能にも優れるという超優等生ですから。

しかしこのディーゼルターボは新車時価格がけっこう高く、そして中古車市場でも人気ですので、さすがに200万円台では今のところ買えません。2月28日現在、218d系のボリュームゾーンは350万~390万円といったところで、二番人気である2L直4ターボの220i系も同じく350万~390万円ぐらい。で、車両200万円台で狙える3気筒ターボの218i系は、決して悪いエンジンでも非力でもないのですが、2Lのディーゼルターボやガソリンターボと比べてしまうとさすがに見劣りはします。ちなみにATも、218i系は8速ではなく6速ですし。

これらの客観的なネガ(?)があるからこそ、218i系の中古車相場はお安いわけです。自由な市場経済としては当然のことでありましょう。

問題は、あなたがこれらの客観的事実を「主観的に」どう見るか? ということです。

「やはり3列目も広い方がいい」とか「車はやっぱ鬼のように速くないと」と思うのであれば、200万円台のBMW 2シリーズグランツアラーは正直やめておいた方がいいかもしれません。しかし物事の感じ方や使い方というのは人それぞれです。もしもあなたが「いや、ウチは3列目に座るのは子供だけだから」とか、あるいは「そんなに飛ばさないんで、速さは必要ないですよ」という人であるならば、そしてなおかつ国産のミニバンがどうしても好きになれないのであれば、200万円台のBMW 2シリーズグランツアラーはかなりのオススメです。

ということで、ご自分の嗜好と生活スタイルを今一度しっかり把握したうえで、下記物件リンクをチェックしてみてください。

▲写真ではイメージしにくいかもしれませんが、身長175cmぐらいの人間がここに座ると、かなりヒザが立つ感じの座り方になります。が、「そもそも3列目はあまり使わない」という人であれば問題なしという見方もできます ▲写真ではイメージしにくいかもしれませんが、身長175cmぐらいの人間がここに座ると、かなりヒザが立つ感じの座り方になります。が、「そもそも3列目はあまり使わない」という人であれば問題なしという見方もできます

▼検索条件

BMW 2シリーズグランツアラー×車両本体価格300万円以下×修復歴なし
text/編集部
photo/BMW