▲東京オートサロンに出展された新型ヴォクシー/ノアG’s(写真はヴォクシー)。2016年4月にも発表される見込みだが、もしかしたらG’sのネーミングを掲げて登場する最後のモデルかもしれない ▲東京オートサロンに出展された新型ヴォクシー/ノアG’s(写真はヴォクシー)。2016年4月にも発表される見込みだが、もしかしたらG’sのネーミングを掲げて登場する最後のモデルかもしれない

スポーツ系をGRブランドに統一

生産ラインでの架装を長所に掲げて割安感を売りにしている、トヨタのG’sシリーズが新しいネーミングに変わる。それは豊田章男社長の「鶴の一声」がキッカケだったようだ。

トヨタが販売しているスポーツ系シリーズには、大きく分けてGRMN、G’s、RSの3つがある。「GAZOO Racing Tuned by マイスター of ニュルブルクリンク」の頭文字に由来しているGRMNは、ボディや足回りの補強に加えて、エンジンのチューンナップも実施され、動力性能が引き上げられている。

かたやRSは、カタログモデルとして他のグレードと同じく生産ラインで組み立てられており、専用のシート表皮やエアロパーツが用いられスポーティな雰囲気に仕立てられている。カタログモデルならではの買いやすい価格設定も魅力のひとつだ。

その間に挟まれて、個性を放っているのがG’sだ。2010年6月に、先代ヴォクシー/ノアへの設定から始まった同シリーズは、床下への補強パーツ追加や、足回りのチューンナップ、専用バンパーなど、操る楽しさと見た目の差別化に重点が置かれている。

ただし、エンジンはカタログモデルと同じで、動力性能には一切手が加えられていない。そのおかげで、組み立てはカタログモデルと同じ生産ラインで行われており、価格上昇幅が抑えられているのがポイントだ。

いま現在、ヴィッツ、アクア、プリウスα、マークX、ハリアの5車種に設定されている。そのG’sが誕生から7年を経て新ネーミングに変わることが判明した。

▲ヴィッツを例に新ラインナップを解説すると、RSはGRスポーツに、G’sはGRにそれぞれ改名される。限定販売されたGRMNが再販される可能性は低いが、頂点に据えられる点は今後も変わらない ▲ヴィッツを例に新ラインナップを解説すると、RSはGRスポーツに、G’sはGRにそれぞれ改名される。限定販売されたGRMNが再販される可能性は低いが、頂点に据えられる点は今後も変わらない

新しいネーミングは、GAZOO Racingの一シリーズであることを示すGRだ。MNの2文字がつかないことからもわかるように、GRMNほどスポーツ指数は高くなく、ヘビーすぎない点は名称からも想像がつく。

今回の改名は、G’sだけにとどまらず、カタログモデルのRSにも及ぶ。こちらもGAZOO Racingの息がかかっていることを示すべく、「GRスポーツ」と名づけられる。スポーツの4文字がつく分、こちらの方がスポーツ指数は高そうだが、これが現行RSと同じエントリーシリーズに位置づけられる。

GRおよび、GRスポーツのネーミングが用いられるのは、2017年4月から。商品改良やマイナーチェンジを機に、既存のグレード名が順次リニューアルされる公算が大きいが、インパクトある発表を行うため、一斉に改名される可能性も否めない。

最後に余談ながら、この改名は前述のとおり、「GRMNやら、G’sやら、いろいろあってわかりにくいから統一しよう」と豊田章男社長が放った一声が発端だったとの内部情報もある。

※2016年4月18日における予測記事です。改名を保証するものではありません

text/マガジンX編集部
photo/トヨタ