輸入セダントップ3の一角に大幅値落ちの兆候が!?
VWジェッタをご紹介した第24回で 「輸入セダンの人気は上々、なかでもドイツが誇るスリートップ、M・ベンツCクラス、BMW3シリーズ、アウディA4は、国産セダンの牙城をいともたやすく破っています」と書きましたが、それは人気の面での話。ステータス性抜群のこれらのブランドはやっぱり高いから、価格面では国産車に分があるでしょ?というのが一般的な見方かもしれません。ところが、このトップ3のなかでBMW3シリーズ(現行型)の値落ちが一気に進んでいるという現象が最近見られるのです。

大きな理由の一つとして、2008年の4月で登場から3年を迎え、買い替えによる中古車の流通量が増えたことが考えられます。中古車市場は需要と供給により成り立っているので、在庫がダブついてしまうと価格を下げざるを得ないのです。

それと、上に出てきたスリートップ(Cクラス、3シリーズ、A4)はワゴンの人気が高いということもあるかもしれません。ワゴン人気に押されてセダンの価格が落ちてきている・・・。これは推測の域を出ませんが、多少なりとも影響があるのではないかと思います。
BMW 3シリーズ 走り|おいしい中古車 BMW 3シリーズ リアスタイル|おいしい中古車
↑「駆けぬける歓び」を掲げるBMWの走りは、スポーティでシャープな味わい。スタイリングは奇をてらわない、オーソドックスなセダンスタイル(左右)
そんなワケで今回のおいしい中古車は、意外な盲点(?)のBMW3シリーズ(現行型)をご紹介します。

現行型の3シリーズ(セダン)は、2005年の4月に登場。旧型に比べ一回りも二回りも大きくなり、全幅は1800mm(旧型は1740mm)を超えています。となればBMWの神髄ともいえる走りの楽しさが薄れてしまったのでは?と思いがちですが、さにあらず。重量増はたったの50kg(325i)なのです。走りの楽しさはそのままに、より快適性がアップした車と言えるのではないでしょうか。

エンジンはNAの2L直4と、2.5L、3Lの直6をラインナップ(2006年10月から3Lターボも追加)。珠玉のシルキーシックスと呼ばれるのは後者ですが、2L直4エンジンは直6にはない小気味良く軽快な走りが楽しめます。ミッションは6ATが基本となり、2Lの直4を搭載したモデルのみ6MTを選ぶことができます。

ステータス性抜群の現行BMWが200万円台で手に入る!
さて、ここで比較する車として登場するのは、なんと国産車。3シリーズの5カ月後に登場したレクサスISです。国産セダンは軒並み買いやすい状況にあるのですが、なぜかISだけは別格。人気があるのかはわかりませんが、一人我が道を行く状態で高値安定なんです。
BMW 3シリーズ インパネ|おいしい中古車 BMW 3シリーズ エンジン|おいしい中古車 BMW 3シリーズ セダン/ツーリング/クーペ/カブリオレ|おいしい中古車
↑使いやすい位置にスイッチ類が並べられたインパネ(左) BMW伝統の6気筒エンジン“シルキーシックス”(中) セダンのほかにも3種類のボディタイプをもつ(右)
3シリーズ:320i+2006年式+走行2.1万km+修復歴なし=268万円(新車時価格:399万円)
IS:250バージョンS+2005年式+走行2.2万km+修復歴なし=339万円(新車時価格:405万円)

年式や走行距離などをほぼ同条件に揃えて比較してみると、3シリーズのほうが71万円も安いんです。新車時価格は6万円ほどとわずかな差ですが、値落ち額を見てみると3シリーズは131万円、ISは66万円。65万円も3シリーズのほうが値落ちしているんです。3シリーズに興味のある人は、ガチンコのライバルとなるCクラスを検討されるかと思いますが、同条件で探そうとすると2000年デビューの旧型になってしまい、若干の古さを感じてしまいます。その点3シリーズなら現行型ですから。

「3シリーズは欲しいけど人気車だから」とハナから諦めていたみなさん(私も含めてですが・・・)、状況はここ数カ月で一気に変わりました。これを機会に「駆けぬける歓び」を味わうなんていかがでしょう?運転を楽しむのはもちろん、“適度な”ステイタス性も欲しいという人にはうってつけの一台だと思いますよ。

Text/金子剛士

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