シトロエンGSA
写真上のシトロエンGSAぐらいの年式の場合、ゴム製部品はいかに走行距離が少なくても時の経過とともに劣化していると思ったほうがいい。しかし逆に言えば、そういったところをビッと整備しておけば後々のトラブルは想像以上に少ないもの。ちなみに下写真の190Eあたりの世代のメルセデスには「かなり偏愛された低走行物件」が多い。要注目のジャンルである。
メルセデス・ベンツ190E
●伊達軍曹公式サイト「伊達軍曹.com」
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多少のネガは承知で気になる存在「ちょい古お宝低走行物件」

過日、当欄にて「多走行車のススメ」的なことを書いたが、舌の根も乾かぬうちに言おう。「年式古めの低走行車はステキだ!」と。この二枚舌野郎と責めることなかれ。人間の心とはアンビバレント(両義的・両価的)なもので、何か一つの価値観にズッポリってことはあんまりないし、あったとしたら、それは少々危険というものである。

それはさておき、年式古めの低走行車。いやもちろん、そういった類の輸入中古車にはいくつかのネガもあることは承知している。「年式的にけっこう古いのにやたら走行距離が少ない輸入中古車」の代表的ネガポイントと言えば、下記の2点だろう。

1)各種ホースや配線カバー、ブッシュやマウントといった「ゴム部品」の劣化
2)様々な故障が「これから」噴出する可能性

1のゴム関係は、走行距離がいかに少なかろうと「時間の経過」により確実に劣化する。例えば「15年落ちなのに走行2.8万km! 車庫保管!」みたいな物件で、内外装もエンジンルームもひたすらビカビカだったとしても、納車後の安心を期するためには、例えば燃料ホースは要交換だったりする。

2については説明不要だろう。それなりの距離を走った車であれば、走っているうちに何らかの故障が発生し、前オーナーがそれについて対処したため、しばらくは心配無用・・・というケースが多い。しかし「走ってない車」については、これから「あなた」が対処しなければならないかもしれないのだ。

神経質すぎる納車整備は(たぶん)必要ない

しかし、それでもやはり「低走行物件の魔力」には抗いがたい。下記の物件リンクを見ていただければ一目瞭然かと思うが、単純に内装がひたすら美しいのが低走行車の魅力のひとつだ。よく言われることだが、いちばん長い時間目にし、そして自分の手や身体が触れるのは外装ではなく内装。そこがひたすら美しいということは、ひたすらの総合的な満足につながりやすいのである。

だが、ゴム関係部品をはじめとする故障問題についてはどう考えるべきか? 心配性で完璧主義の人は、納車時に大金をかけてフル取っ替えするのも良いだろう。というか、正道はそちらだろう。しかし邪道かもしれないが、わたしならば以下のように対処する。

●専門店または専門工場のアドバイスに基づき、「絶対に今交換しといたほうがいい」という部分は納車前に交換。その他については「様子見」とする。
●そのうえで納車後、「様子見」とした部分にもしも何らかのトラブルが出たら、出た時点で対処する。

個人的見解だが、経験によればこのシステムでもおおむねノープロブレムなはずであり、また、「様子見」のまま結局は何のトラブルも出ず、シアワセな中古車生活をまっとうしました・・・というのもよくある話だ。

ということで、今回の伊達セレクションはずばりこちら。
ローリスク・ハイリターンな「ちょい古低走行物件」に萌えろ!


文・伊達軍曹 text/Sergeant DATE