▲2つのカメラが前方を監視。車両や人、自転車などを識別し、危険が迫ると回避するためブレーキなどを制御します。最新バージョンでは車線をはみ出さないようステアリング(ハンドル)操作のアシストも行うようになりました ▲2つのカメラが前方を監視。車両や人、自転車などを識別し、危険が迫ると回避するためブレーキなどを制御します。最新バージョンでは車線をはみ出さないようステアリング(ハンドル)操作のアシストも行うようになりました

何よりも大切な「安全」を実現する機能

車に乗る際に何よりも優先したいもの、それは安全ですよね。一歩間違えば自分や他者の命を奪ってしまうこともあるわけですから、少しでも安全性の高い車を選びたいものです。

現在、車が周囲の状況を認識し、ドライバーの運転を支援する技術が急速に進化しています。駐車時などに後方の死角をカメラで映したり(バックモニター)、センサーを利用し障害物などを知らせる認知支援技術(コーナーセンサー)はかなり前からありましたが、現在では前方を走る車両までの距離を測り、距離が近づくとドライバーに警告したり車線変更時に近くに車がいると光と音で警告したり……。様々な機能が実用化されています。

各社が力を入れる安全技術の中でも、高い評価を得ている代表的なものがスバルの「EyeSight(アイサイト)」※1です。車体に取り付けられた2台のカメラ(ステレオカメラ)が前方の状況をモニタリング。危険が迫るとドライバーに注意喚起し、必要に応じてブレーキ制御などを行い危険を回避してくれる総合的な運転支援システムです。

今回はその歴史を振り返りつつ、中古車でも狙いやすい価格となってきたアイサイト搭載モデルのオススメをご紹介していきましょう。

世界に先駆けた運転支援システム

アイサイトが登場したのは2008年5月。レガシィシリーズに初搭載されました。ちなみに開発したのは富士重工業と日立製作所、日立オートモティブシステムズ。以前は「ADA」という名称だったアイサイトは、ステレオカメラだけで衝突回避のためのブレーキやAT誤発進制御を行う世界初のシステムとあって大きな話題になりました。

2010年5月には、アイサイトは第2世代(Ver.2)へと進化します。レガシィシリーズの年次改良(1年ごとに行われる改良)で備わったVer.2では、30km/h以下で走行中にシステムが「このままだと衝突する」と判断した場合、ブレーキをかけて車両を停止させるようになりました。また前方を走る車両との車間距離を保つクルーズコントロールの性能も強化されています。より実用的に進化しているのですね。

そして現在、アイサイトは第3世代(Ver.3)が登場しています。2014年6月にデビューしたレヴォーグから順次搭載されているのですが、大きな変化としてステレオカメラがカラーになっています。これにより前を走る車のブレーキランプ点灯なども認識できるようになったため、制御の精度が大きく向上しました。

またVer.3では、衝突回避に対応する速度が30km/hから50km/hへ引き上げられた他、道路の白線を認識して、車線からはみ出さないようステアリング操作をアシストもしてくれます。

Ver.2を搭載した中古車が狙いやすくなった

実用性が向上したVer.2が登場して約6年たったこともあり、アイサイトを搭載した中古車も探しやすくなりました。以下のVer.2以降を搭載したオススメモデルを挙げていきたいと思います。ちなみに念のためお伝えしておきますが、これらはあくまで運転者の判断を補助するもの。機能が付いているからといってわき見運転などをすることは絶対にやめてくださいね。

▲5代目レガシィツーリングワゴンは、B型と呼ばれる2010年5月以降に生産されたモデルからアイサイトVer.2が搭載されました。この年式だと150万円以下が探しやすくなっています。オススメは2012年5月のマイナーチェンジ以降のモデル(D型)。新世代エンジンが搭載された他、アイサイトの衝突回避機能が高められています。まだ200万円以上する中古車が多いものの、走行距離にこだわらなければ200万円以下も見つかります ▲5代目レガシィツーリングワゴンは、B型と呼ばれる2010年5月以降に生産されたモデルからアイサイトVer.2が搭載されました。この年式だと150万円以下が探しやすくなっています。オススメは2012年5月のマイナーチェンジ以降のモデル(D型)。新世代エンジンが搭載された他、アイサイトの衝突回避機能が高められています。まだ200万円以上する中古車が多いものの、走行距離にこだわらなければ200万円以下も見つかります
▲インプレッサの最低地上高を高めつつ、全高を抑えることで立体駐車場にも入れられるようにしたコンパクトSUVがSUBARU XV。スバル初となるハイブリッドモデルもあります。搭載されるアイサイトはVer.2になります。初回車検を終えた2013年式なら200万円以下の中古車も多数。狙い目ですよ! ▲インプレッサの最低地上高を高めつつ、全高を抑えることで立体駐車場にも入れられるようにしたコンパクトSUVがSUBARU XV。スバル初となるハイブリッドモデルもあります。搭載されるアイサイトはVer.2になります。初回車検を終えた2013年式なら200万円以下の中古車も多数。狙い目ですよ!
▲現行型フォレスターは2015年10月のマイナーチェンジでアイサイトがVer.3に進化しましたが、前期型に搭載されるVer.2の性能もかなりのものです。前期型だと流通する中古車の中心価格帯は200万~250万円。走行距離は3万km以下のものが多いですよ! ▲現行型フォレスターは2015年10月のマイナーチェンジでアイサイトがVer.3に進化しましたが、前期型に搭載されるVer.2の性能もかなりのものです。前期型だと流通する中古車の中心価格帯は200万~250万円。走行距離は3万km以下のものが多いですよ!
▲海外市場を見据えレガシィシリーズが大きくなったことを受け、新たに日本の道路事情を考慮し誕生したのがレヴォーグです。搭載される水平対向エンジンは1.6Lと2L。ほとんどのグレードでVer.3のアイサイトが標準装備になります。デビューしてからまだ2年弱ですが、すでに200万円代前半の中古車が出始めています。おいしい中古車が探しやすいモデルと言えるでしょう ▲海外市場を見据えレガシィシリーズが大きくなったことを受け、新たに日本の道路事情を考慮し誕生したのがレヴォーグです。搭載される水平対向エンジンは1.6Lと2L。ほとんどのグレードでVer.3のアイサイトが標準装備になります。デビューしてからまだ2年弱ですが、すでに200万円代前半の中古車が出始めています。おいしい中古車が探しやすいモデルと言えるでしょう
text/高橋 満(BRIDGE MAN)
photo/富士重工業