▲従来の回転&昇降シートと比べて、乗車中の座面角度が通常のシートと同じ角度になるため、座っている際のお尻への負担が分散されやすく長時間乗りやすいという(写真はポルテ) ▲従来の回転&昇降シートと比べて、乗車中の座面角度が通常のシートと同じ角度になるため、座っている際のお尻への負担が分散されやすく長時間乗りやすいという(写真はポルテ)
 

 

回転チルトシートなら狭い駐車場スペースでも安心

シートが回転&昇降するタイプなら、見た目も使い勝手も普通の車と同じで、しかも足腰の弱い家族も乗せやすいと検討している方もいるのではないでしょうか。今回ご紹介するのは、トヨタが12月に発売を予定している、昇降ではなくチルトする、助手席回転チルトシートを備えたトヨタのポルテとスペイド、シエンタです。

その前に回転&昇降シートをおさらいすると、モーターによってシートを回転&昇降して車外に出すことができるため、足腰の弱った人でも両足を地面に着いたまま、お尻から座ることができます。 一方、回転チルトシートは昇降の代わりにチルト、つまりシートが車外方向に向かって前傾するのですが、その分車外に出るシートが少なくてすみます。これにより隣に別の車が止まっていたり、そもそも駐車場スペースが狭いところでの乗り降りがしやすくなります。また雨の日に傘で乗員とシートを覆いやすいというメリットもあります。

回転&チルトはモーターではなくすべて手動で行うため、乗降の時間が大幅に短縮できるというメリットもあります。手動とはいってもチルト操作や、回転操作がラクにできる工夫がされているので、力の弱い女性でも簡単に介助できます。介助される方が元気な方なら、自分1人で乗降できます。

現在、ポルテとスペイド、そしてシエンタに回転チルトシートを備えた車が用意されています。もちろんシートアレンジなど使い勝手はベース車とほぼ同じです。

都市部に住んでいて、回転&昇降シートだと家の駐車場を広くしないといけなかったり、通院先の病院の駐車場が狭いなどで困った経験のある人は一度検討してみてはいかがでしょうか。

(ポルテ/スペイド)
乗車定員/5名
最低シート座面高/510mm(2WD)、540mm(4WD)
回転時足元スペース/305mm
車外飛び出し量/125mm

(シエンタ)
乗車定員/5名
最低シート座面高/525mm(2WD)、540mm(4WD)
回転時足元スペース/305mm
車外飛び出し量/70mm
 

 

▲もちろん、車いすに乗車したまま、車内に乗り入れることもできます(写真はシエンタ) ▲もちろん、車いすに乗車したまま、車内に乗り入れることもできます(写真はシエンタ)
text/籠島康弘
photo/トヨタ