▲26年の歴史の中で、様々な限定車が発売されているロードスター。中にはプレミアム相場になったものもあります ▲26年の歴史の中で、様々な限定車が発売されているロードスター。中にはプレミアム相場になったものもあります

NAロードスターには多くの限定車が存在

9月といえばマツダファン、そしてロードスターファンには大切な月。1989年9月1日、初代ロードスター(ユーノスロードスター)が発売開始となったからです。

現行型となるND型ロードスターは昨年9月、日本、アメリカ、スペインの3都市でワールドプレミア。そしてこの時期は筑波サーキットで「メディア対抗ロードスター4時間耐久レース」(サーキットではロードスターファン向けのイベントも併催されます)が開催されるなど、ロードスターのお祝いの月なんですね。

25年以上も世界中で愛されるロードスターは、数々の限定車、特別仕様車が設定されたことでも知られています。今回は特にエポックメイキングだったものを紹介! 一緒にロードスターの思い出に浸ってみませんか?

初代NAロードスター編

今や絶滅してしまったリトラクタブルヘッドライトを採用した初代ロードスター。8年以上生産されたロングセラーモデルだけあり、最も多くの限定車が登場しました。

■J-LIMITED〈1991年7月〉
ロードスター初の特別限定車で、限定800台の発売。予約希望者が殺到し、なんと発売当日に予約受付を終了。その後抽選でオーナーが決まるという事態に発展しました。

▲J-LIMITEDのJはJAUNE(フランス語で黄色)から。サンバーストイエローのボディカラーは街で映えるため、中古車も長く高値になりました ▲J-LIMITEDのJはJAUNE(フランス語で黄色)から。サンバーストイエローのボディカラーは街で映えるため、中古車も長く高値になりました

■M2 1001〈1991年12月〉
M2とはマツダ傘下の商品企画会社で、ユーザーと直接コミュニケーションを行うことで新たな価値を創造しようと設立されました。M2の第1弾モデルがロードスターをベースに専用フロントノーズや専用バケットシートなどが採用されたM2 1001。300台の限定モデルでした。

▲M2 1001が発売された翌年にはインテリアにこだわったM2 1002が登場。こちらは100台限定でした ▲M2 1001が発売された翌年にはインテリアにこだわったM2 1002が登場。こちらは100台限定でした

■Sリミテッド〈1992年12月〉
カタログモデルのSスペシャルをベースに内装を赤でまとめたモデル。シートは本革でした。ホイールはBBSの14インチでお洒落! 1000台限定発売。

▲ブラックボディに赤レザーはオープンスポーツの王道。Sリミテッドは大人の雰囲気が漂うロードスターとして人気でした ▲ブラックボディに赤レザーはオープンスポーツの王道。Sリミテッドは大人の雰囲気が漂うロードスターとして人気でした

■SRリミテッド〈1997年8月〉
後期型Mパッケージ車をベースに、新色としてシャストホワイトと専用色としてスパークルグリーンメタリックを設定。部分革&ヌバック調バケットシート、トルセンLSDなどを装備したモデルで、700台の限定。

▲NAロードスター最後の限定車となったSRリミテッド。NAロードスターの限定車は種類が多く、それぞれがファンから支持されたことを表しています ▲NAロードスター最後の限定車となったSRリミテッド。NAロードスターの限定車は種類が多く、それぞれがファンから支持されたことを表しています

2代目NBロードスター編

リトラクタブルヘッドライトが廃止された最初のモデル。エンジンは1.6Lと1.8Lがあり、MTは1.6Lが5速、1.8Lが6速となりました。

■10周年記念車〈1999年1月〉
世界限定7500台が作られた記念モデルで、新色のイノセントブルーマイカ、青幌、バフ仕上げホイールなどが採用されました。日本には500台が割り当てられました。

▲10周年のアニバーサリーモデルは世界統一仕様で登場。世界限定7500台のスペシャルな1台です ▲10周年のアニバーサリーモデルは世界統一仕様で登場。世界限定7500台のスペシャルな1台です

■マツダスピードロードスター〈2001年5月〉
マツダスピードの純正エアロパーツをフル装備したうえで専用色であるスターリーブルーマイカでボディを塗装。車高調、マフラー、エキマニなどもマツダスピードのものに換えられたモデル。限定200台が発売されました。

▲ファミリアでも設定されたマツダスピードバージョン。それぞれのモデルが本来持っている「運転する楽しさ」を一層高めるためにチューンが施されています ▲ファミリアでも設定されたマツダスピードバージョン。それぞれのモデルが本来持っている「運転する楽しさ」を一層高めるためにチューンが施されています

■ロードスターターボ〈2004年2月〉
ロードスター=NAエンジンですが、2004年にはターボを装着した350台の限定車が発売されます。最高出力が126kW(172ps)/6000rpm、最大トルクは209N・m(21.3kg-m)/5500rpmに。ヘッドライトレンズがクリアブラックになっています。

▲2003年12月に発表され、2004年2月に限定発売となったロードスターターボ。26年の歴史の中で唯一のターボモデルで、ドライブシャフトやプロペラシャフトなどパワートレインが強化されました ▲2003年12月に発表され、2004年2月に限定発売となったロードスターターボ。26年の歴史の中で唯一のターボモデルで、ドライブシャフトやプロペラシャフトなどパワートレインが強化されました

3代目NCロードスター編

排気量が2Lへと拡大された3代目ロードスター。このモデルで全幅が1720mmとなり3ナンバーとなりました。この代では台数限定モデルは少なくなっています。

■Blaze Edition〈2006年12月〉
期間限定で発売された特別仕様車で、RSやVSなどをベースに17インチの専用BBS鍛造ホイールや専用クロムパーツ、専用クリアタイプパーツなどを装着。インテリアには専用のサンドベージュレザーシートが備わります。

▲Blaze Editionという名が示すように、NCロードスターならではの存在感を高められたモデル。ソフトトップは2006年12月、パワーリトラクタブルハードトップモデルは2007年4月に登場しました ▲Blaze Editionという名が示すように、NCロードスターならではの存在感を高められたモデル。ソフトトップは2006年12月、パワーリトラクタブルハードトップモデルは2007年4月に登場しました

■25周年記念車〈2014年5月〉
ロードスターの生誕25周年を記念して企画された限定車。ソウルレッドプレミアムメタリックの専用ボディ色にブリリアントブラックのリトラクタブルハードトップのエクステリアが特徴で、ピストン、コネクションロッド、フライホイールはベストバランスを求めて厳選したものが使われています。国内販売台数は25台!

▲25周年記念車は、国内ではわずか25台しか発売されていないスーパープレミアモデル。シリアルナンバーも刻まれており、中古車で市場に出回ることはほぼないかもしれません ▲25周年記念車は、国内ではわずか25台しか発売されていないスーパープレミアモデル。シリアルナンバーも刻まれており、中古車で市場に出回ることはほぼないかもしれません

これらの限定車は運が良ければカーセンサーで見つかるかもしれませんよ。ただ、どれも人気モデルだけに争奪戦は必至。さらにプレミアム性があるので相場は一般的なロードスターより高いことは覚悟してください。

それでも数少ないモデルをじっくり時間をかけて探すのも中古車選びの醍醐味。現行型のNDにはどんな限定車や特別仕様車が出るかを楽しみにしつつ、気に入ったロードスターを中古車で探してみてくださいね。

text/高橋 満(BRIDGE MAN)