ハスラーのヒットを支えた、色にまつわるアツい話。
2015/01/09
「遊べる軽」の色にまつわる熱いエピソード
車選びに重要なのは何か。価格やスペックはもちろんだが、見た目の良さも大切だろう。特に、最近では車の色にこだわるユーザーが増えているように感じる。それは、各自動車メーカーから美しく鮮やかなカラーデザインの車が数多く登場してきていることにも関係しているだろう。
そんな中で昨年末、日本流行色協会が主催するオートカラーアウォード2015のグランプリを受賞したのはスズキ ハスラーだった。「ワクワク、ドキドキさせるアクティブカラー!」というコンセプトから生まれたオレンジ、ブルー、ピンクの新色は「”楽しい”をストレートに表現しており、カラーデザインでライフスタイルが変わる可能性を感じさせてくれた」と高い評価を得た。今回は、ハスラーの「色へのこだわり」をお伝えしたい。
ハスラーは昨年1月の販売開始直後から月間販売台数5000台を大きく上回る受注により一時は生産が追いつかなかった。その人気の原動力になったのがキュートなスタイリングと、このボディカラーだ。一般的に軽自動車は白・黒・シルバーといった無彩色が販売の6割程度を占めるといわれている。しかし、ハスラーはその7割を有彩色が占めており、オレンジ19.5% ブルー10.9% ピンク6.2%とカラーデザイナー入魂の新色も非常に人気が高い。
ハスラーのカラーデザインを担当した江口奈津美さんは、オートカラーアウォード2015のプレゼンテーションでは次のように語っている。
「キャンプや夏フェスで感じるワクワク感を表現したオレンジ、真夏の真っ青な海と空を表現したブルー、スポーツファッションに用いられるような躍動的なピンクという3つの色を作りました。“遊べる軽”の名にふさわしいボディカラーを際立たせるために、ホワイトルーフとブラックバンパーを組み合わせています。どこを切り取ってもワクワクするコーディネイトにこだわり、発色の良い植物由来原料の新素材バイオポリカーボネイトを世界初採用、またボディカラーに合ったパイピングを施したシートも取り入れました」
しかし、価格が安く生産台数も多い軽自動車でここまでのこだわりを実現するのは容易なことではなかった。開発当初、11色のカラーラインナップ中、新色は1色のみとされていたが、デザイナーたちの強い思いが会社を動かし3つの新色にGOサインが出たという。
最初は難色を示していた生産工場もこの思いを受け、手間を惜しまずルーフとボディを塗り分ける境界部分を1台1台手作業でマスキングしている。デザイナーの思いがこの車に関わる人を動かし、このカラーリングを実現させたのだ。
普段何気なく見ている車のカラーだが、その背景には作り手たちのこだわりや熱い思いが込められている。そんな視点で車を見てみると、新たな魅力を発見できるかもしれない。
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