▲国内ユーザーからのニーズを受けて、デビューから1年後に日本導入が決定 ▲国内ユーザーからのニーズを受けて、デビューから1年後に日本導入が決定

ワイルドなエッセンスがにじみ出たコンパクトサイズの本格クロカン

原稿執筆時点でカーセンサーnetに1台のみ掲載されている希少車をご紹介します。今回、2014年10月13日に発見したのは「スズキ ジムニー1000」です。ジムニーといえば軽自動車の本格クロカンですが、ジムニー1000は排気量970㏄(ほぼ1L)のエンジンを搭載。つまり普通車モデルのジムニーです。

ジムニーの普通車モデルは初代から用意されていましたが、このジムニー1000は2代目にラインナップされたモデル。1981年に輸出用として誕生しましたが、国内のユーザーから販売希望の声が高まったことで、1982年から日本市場にも投入されたんです。

初代ジムニーにラインナップされていたジムニー800(800㏄エンジン搭載モデル)の売れ行きは芳しくなく、スズキとしてはジムニー1000の日本での販売には積極的ではなかったようです。ただ、2代目ジムニーのボディやフレーム、駆動系などは、当時のスズキとして最大の排気量であった1Lエンジンの搭載を前提に開発されていたんです。

つまり、2代目ジムニーはもともと1Lエンジンを搭載することを前提に開発されていたといえるでしょう。もちろん、ボディの寸法は軽自動車とほとんど変わらないコンパクトサイズです。

そのため、ナンバープレート以外でジムニーとジムニー1000を見分けるのは樹脂製のワイドフェンダー、6穴のホイール(ピックアップモデルは5穴)しかありません。

当該ジムニー1000はいわゆる「幌モデル」と呼ばれるもの。ルーフ部分のみならず、サイドウインドウまでもが幌でカバーされています。窓枠はなく、サイドウインドウは装備していないため、幌を開けたときの開放感は昨今のオープンカーに勝るとも劣りません!

▲サイドウインドウがないため、ドアを開けてもウインドウフレームはありません。ドアを開けるとご覧のとおりの開放感! ▲サイドウインドウがないため、ドアを開けてもウインドウフレームはありません。ドアを開けるとご覧のとおりの開放感!

フロントウインドウは折り畳み式なので、オープンエアを文字どおり身体に受けて走ることだってできます。海や山の別荘地での足として、これほど似合う車も少ないです。もちろん、街中の移動に使っていてもカッコ良いと思います。まぁ毎日の足として使うとなると、さすがに使いにくそうな面は否めませんが…(笑)。

ドライバーズシートの写真を見るかぎり、31年前の車とは思えないほどきれいな状態が保たれているようです。また、総額98万円でこれほど個性の強い車はそうそう見つかるものではありません。

▲ドライバーズシート、ステアリングホイールは前オーナーによって交換されています ▲ドライバーズシート、ステアリングホイールは前オーナーによって交換されています

威風堂々としたボディサイズでワイルドさを演出するのではなく、サイズはコンパクトながら、ワイルドなエッセンスが詰まったジムニー1000、世界的に見てもレアな存在だと言っていいでしょう。

物件詳細の写真、ぜひご覧になってみてください!

■本体価格(税込):89.0万円 ■支払総額(税込):98.0万円
■走行距離:5.9万km ■年式:1983(S58)
■車検:2015(H27)年6月 ■整備:付 ■保証:無
■地域:福岡

text/古賀貴司(自動車王国)