トヨタ eQ宅配車|ニューモデル速報

トヨタのクイックデリバリーを覚えているだろうか。宅配業者の集配方法が変化したことで生産が打ち切られたが、トヨタでは新たな宅配専用モデルを計画しているという

トヨタが模索する宅配専用車の未来

ニコイチならぬ3コイチで鋭意開発中

例えば、ヤマト運輸の集配方法は一軒一軒、車で訪れる方式からチーム集配にシフト。2012年からは全国500ヵ所で取り入れられている。これは拠点となるサテライトセンターで降ろした荷物を台車やリアカー付自転車で届ける方法だ。ドライバーが頻繁に乗り降りするシーンが減ったことが、クイックデリバリーが不要になった一因だろう。

しかし、現在の方法は人力頼りなので積める荷物の大きさや量に制限が出てしまう。そこでトヨタが模索しているのは、住宅密集地でも排ガスと騒音を出さないEV(電気自動車)の宅配車だ。

まだ市販には程遠いが、試験車両が組み付けられたとの情報をキャッチした。上記写真のとおり、フロントは限定販売されたeQ(iQのEV版)だが、ボディサイドには懐かしい初代ラウムのスライドドアが使われている。これは狭い場所でも後部の荷室にアクセスしやすくするためだろう。そして、リアを見ると全高が下がる前のラクティスが移植され、十分な荷室が確保されていることがわかる。

関係者によると、プラットフォームはラクティスやヴィッツ系のものでなく、iQ用のシャーシが使われているという。開発当初、同車には3列シート車などの派生モデルが計画されていたが、それらはすべて中止になり膨大な開発費を回収できなかった。そのシャーシを次世代宅配車に活用することにしたようだ。

日産と違い「EV普及にはまだ時間がかかり、一般向けに販売するのは難しい」と考えているトヨタは、ひとまず商用車で実用性を測るようだ。今回の宅配車は、そんな目論見を具現化した試作車と見て間違いない。

※2013年11月14日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません

“リアは先代ラクティスそのもの。ボディサイドを見ない限りテストカーとは思えない。このまま販売はされず、試験的に宅配業務に用いられる可能性が高い”

リアは先代ラクティスそのもの。ボディサイドを見ない限りテストカーとは思えない。このまま販売はされず、試験的に宅配業務に用いられる可能性が高い

“2011年まで生産されていたクイックデリバリーは宅配業者の声に基づいて開発された車だ。街中で活躍している姿を誰もが一度は目にしたことがあるはず”

2011年まで生産されていたクイックデリバリーは宅配業者の声に基づいて開発された車だ。街中で活躍している姿を誰もが一度は目にしたことがあるはず

予想発表時期(実証実験)2014年4月
全長×全幅×全高3900×1695×1630(mm)
搭載エンジン電気モーター
■Photo&Text/マガジンX編集部