安くて使い勝手に優れる万能ワゴン

用途を選ばずに何にでも使えるという意味でいわれる“万能車”という言葉。その対象として選ばれることが多いのがコンパクトカーですが、ファミリーを中心に考えると、積載量に若干の不安があります。そこで今回ご紹介する日産のステーションワゴン、アベニールは積載性もクリアした、本当の意味での万能車といえそうです。

ワゴン専用ボディをもつ正統派ワゴンとして誕生したアベニールの2代目は、1998年8月に登場。「ダイナミック スタイル ツアラー」をコンセプトに、力強い走りと優れたユーティリティ性能を最大の特徴としています。
  • 日産 アベニール 外観(フロント)|おいしい中古車
  • 日産 アベニール 外観(リア)|おいしい中古車
エクステリアは、切れ上がったウエストラインと、リアにかけて伸びやかに流れるウインドウデザインにより、勢いと躍動感を表現している(左右)
走りの根幹を担うパワートレインは、バリエーションが豊富で、当時新開発の直4 1.8Lエンジンをベースに、同2LのNAとターボ、さらにはディーゼルターボもラインナップしています。

ミッションに関しても、好みに合わせたチョイスが可能です。マイナーチェンジ(以下MC)前のモデルであれば、1.8Lモデルには、4ATのほか5MTも設定され(MC以降は4AT)、2LのFF車には“HYPER CVT-M6”と呼ばれるMTモード付きのCVTを搭載。4WD車はすべて4ATとなっています。

ラゲージルーム関しては、リアサスペンションに新開発のマルチリンクを採用し、ホイールハウスの張り出しが減少。470Lというラゲージ容量を確保したほか、フラットなラゲージフロアを実現しています。また、リアシートをダブルフォールディングとしたことで、シートを前に倒した際も、ラゲージルームをフラットに保つことができます。

気の利いた装備も嬉しいポイント。リアのバックドアにはガラスハッチを採用し、駐車場などリアスペースに余裕のない所での荷物の出し入れを容易にしています。また、ラゲージフロア下にはアンダーボックスが用意され、収納用途に応じたボックス内の使い分けを可能としています。
  • 日産 アベニール インパネ|おいしい中古車
  • 日産 アベニール インテリア|おいしい中古車
  • 日産 アベニール エンジン|おいしい中古車
スポーティな印象をもつインパネ回り(左) 後席は大柄な男性でもゆったり過ごせるスペースを確保(中) エンジンは豊富なバリエーションを用意する(右)

走行距離5万km以下の中古車が15万円で買える!

このように、アベニールは走りと使い勝手に大きな魅力をもつステーションワゴンですが、登場から10年以上たっているため、もはや底値といってもいい状態にあります。というよりも、長く乗ることを考えるなら、そろそろ手に入れておきたいところです。今後、価格が大幅に下がることはないでしょうが、程度は悪くなっていく一方ですからね。

具体的な中古車を見ていくと、程度にこだわらなければ10万円以下で買うことも可能です。しかし、もう少しだけ予算をアップすれば、程度の面でも良さそうな中古車が狙えます。例えば、2LのNAエンジンを搭載した2.0サリューX。これの走行4.7万km+修復歴なしの中古車が、15万円で購入できます。

少しでも車にかけるお金は抑えたいというのは、誰しも同じ。そんな時、この程度で買える万能車があるのなら、絶対に狙い目だと思います。家族のための車として、コストパフォーマンスを重視するなら、必ず候補に入れたい貴重な存在です。
Text/金子剛士