今も色あせないライトウェイトスポーツ

いつまでも色あせない、古く感じない車ってありますよね。その多くはシンプルなデザインだからだと思うのですが、今回ご紹介するスポーツカー、トヨタセリカは、近未来的なデザインで、しかも登場から12年がたつというのに、まったく古さを感じません。それなのに50万円以下で買うことができるんです。

最終型となるセリカが登場したのは1999年9月のこと。丸目4灯からシャープな顔つきへと大胆にお色直しが施され、その近未来的で斬新なデザインに誰もが新鮮な驚きを覚えたものでした。
  • トヨタ セリカ 外観(フロント)|おいしい中古車
  • トヨタ セリカ 外観(リア)|おいしい中古車
プラットフォームから一新して造形したデザインは、シャープなラインで軽快な走りを予感させ、見るものを惹きつけるスタイリングとなっている(左右)
開発テーマは、「見て見られて操って楽しい」で、誰もが気持ちよく乗れ、軽快に走る「ライトな新感覚GT」をコンセプトに開発されました。その根幹を担うエンジンは、1.8Lの直4。排気量は同じでも、出力の異なる2種類のエンジンがラインナップされています。

1ZZ-FEはベースグレード(SS-I)に搭載されるエンジンで最高出力は145ps。ミッションは4ATか5MTとなります。一方高性能バージョンとなる2ZZ-GE(SS-IIシリーズに搭載)の最高出力は190ps。1L当たりのパワーは100psを超えます。

それで車両重量は1100kg程度なのだから、運転がつまらないわけがありません。ベースグレードのSS-Iのイメージに引っ張られているのか、遅いスポーツカーというイメージをもつ方も多いようですが、まったくそんなことはなく、生粋のライトウェイトスポーツと言っても過言ではないと思います。

ちなみにSS-IIのミッションは4ATか6MT。12年も前に6MTが用意されていたことからも、トヨタのセリカに対する意気込みがうかがえるというものです。ちなみに4ATはMTモードも備えているので、どうしてもATじゃなきゃダメという人でも、MT感覚で運転することが可能です。
  • トヨタ セリカ インパネ|おいしい中古車
  • トヨタ セリカ インテリア|おいしい中古車
  • トヨタ セリカ エアバッグ|おいしい中古車
スポーツムード満点のインテリア。シートのホールド性も非常に高い(左・中) 一方で安全面にも抜かりはなく、しっかりエアバッグが装備されている(右)

リッター100psオーバーカーが50万円以下で手に入る

さて、そんなセリカも10年選手となれば相場は低め。例えば走行距離8.1万km、修復歴なしのSS-IIが、25.5万円で売られています。これが同じく1L当たり100psを超すパワーを誇るホンダのインテグラタイプRとなると、人気もあってなかなかこうはいきません。

そういう意味でセリカは穴場的存在とも言えます。いまだ古さを感じさせないボディを身にまとい、心臓には高性能エンジンが搭載されている、そんな車が50万円以下で買えるのです。

もちろんスポーツカーである以上、後席が狭い、荷物があまり積めないなど、不便な点も必ずあるはずです。しかし、最終型のセリカは、そんなネガティブ要素を補って余りある魅力を備えているのもまた事実。ライトウェイトスポーツをお探しのみなさん、最終型のセリカは狙い目ですよ!
Text/金子剛士