トヨタ ラクティス(現行型)≪モデル概要&購入アドバイス編≫
2010/02/05
スタイリッシュで使いやすい上に
走りの良さも兼ね備えた上質コンパクト
モデル概要
通学用自転車が立てたまま積み込めることから、中高生のいる家庭の“奥様カー”として堅実な人気を誇っていたファンカーゴ。この後継機種がラクティスだ。小さいボディに大きなカーゴスペースという構成を継承。全幅が5ナンバーサイズに収まるのはもちろん、全長が4mを切るので、フェリー料金も割安となる。
開発のテーマは「高速大容量スタイリング」。IT機器のキャッチコピーを思わせるそこからは、若者を車離れから引き止める狙いも垣間見える。事実、大人4人が乗っても十分な荷物が積め、豊富なシートアレンジで多様な使い方ができるという点で、若者のさまざまなライフスタイルに応えられる車と言えよう。
メカニズム
エンジンとトランスミッションは各2種類
プラットフォームは大部分を現行型ヴィッツと共用した上で、ホイールベースを延長。サスペンションも共通となり、前ストラット/後トーションビーム式を採用している。搭載エンジンは1.3Lと1.5Lの2種類。いずれもDOHCの直列4気筒エンジンだ。主力となるのは1.5Lで、ベーシックグレードであるXのFF車にのみ、1.3Lが搭載されている。
トランスミッションはFF車がCVT、4WD車が4ATの設定。1.5LのFF車は、スポーツ走行に適したエンジン回転をキープするCVTスポーツモードに加え、パドルシフトでも操作可能な7速マニュアルモードも装備されたスポーティな仕様だ。
安全面では、前席サイドエアバッグと前後席カーテンエアバッグが全車にオプションで設定されている。
ドライブフィール
想像以上にスムーズで重厚な乗り心地
背の高いボディからは想像できないほど、スムーズかつ滑らかな走りというのがラクティスの真骨頂。ステアリングフィールが過敏ではないため、おっとりした走りなのかと思いきや、ジワッとロールしながらタイヤは粘り強く路面をとらえる。目地段差やワダチ路面では、ややタイヤの硬さを感じるが、車重の重さやホイールベースの長さが利いており、ヴィッツよりも重厚な乗り心地を見せてくれるのが特徴だ。タウンユースが中心で走りにこだわりがないなら、1.3Lエンジン車でも大きな不足は感じないだろう。が、1.5L車は低速トルクを生かし、CVTが低回転をキープして走ってくれるため、実用燃費はほとんど変わらない。1.3Lに比べて流通量も豊富なので、できる限り1.5Lを選びたいところ。
内外装
伸びやかな外観と見た目どおりの広い室内
ワンモーション風のフォルムと、リアを裁ち落としたデザインにより、高速道路での疾走感と、見るからに室内が広そうなイメージを表現。パノラマパッケージに採用される大面積のガラスルーフは、開放感にあふれていて、爽快な気分が味わえる。バックドアはファンカーゴの横開き式から、一般的な上下開き式へと変更。開けた状態でも邪魔にならないほか、雨天時に荷物を出し入れする際にも重宝する。インパネは大きな円弧を描く独特のデザイン。メーターはステアリングホイールの内側ではなく、上から見るレイアウトになっている。
FF車の後席は、格納時にレッグスペースに落とし込めるダイブダウン方式。26インチの実用自転車が立てたまま積める美点は継承されている。
購入アドバイス
狙い目グレード
狙い目は充実装備のパッケージモデル
2007年12月のマイナーチェンジ以降のモデルは、サイド&カーテンエアバッグが標準装備となるなど安全性が高められている。予算に余裕があるのなら、2008年式以降で探そう。逆に予算を抑えたいなら2007年式以前で。どの年式も相場は大きく変わらないが、2006年式と2007年式は流通量が豊富で探しやすい。グレード別では流通量が豊富で、スマートエントリー&スタートシステムやオートエアコンなどを装備した1.5G Lパッケージがオススメだ。購入時チェックポイント
リコールやメンテの情報は整備手帳で確認
ファミリー層に好まれる車なので、小さな子供が乗っていたことを考えて、内装チェックは入念に行いたい。シミや汚れがないかなど、シートやトリムをよくチェックしよう。同時に、荷物の積み降ろしが頻繁に行われていたことも想定して、ラゲージの傷み具合も確認しておきたい。リコール情報で対象台数が多いのは、シートベルトの不具合。2005年9月から12月に生産されたFF車の一部に見られるので、対象車の場合は整備手帳で確認しよう。日刊カーセンサーの厳選情報をSNSで受け取る
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