見た目はウサギ、中身はオオカミなホットハッチ

ファニーなルックスが男女問わず人気となり、大ヒットしたプジョー206。乗り味はフランス車らしいふんわりしたものですが、シリーズ最強のハイパフォーマンスモデルである「RC」はまったく別物です。WRCの走りを市販車に持ち込んだ、抜群のスポーツモデルを今回はご紹介します。

デビューは2003年の10月。新車時の車両本体価格は294万円で、それまでのトップエンドモデルであるS16に代わってラインナップされました。3ドアハッチバックのみの設定で、ハンドル位置は左。右ハンドルがほとんどである206シリーズの中では、希少な存在といえるでしょう。
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まず、注目したいのはエンジン。S16と同じ直4の2Lエンジンですが、最高出力は137psから177psに、最大トルクは19.8kg-mから20.6kg-mへと大幅アップ。これは専用のシリンダーヘッドやVVT(可変バルブタイミング)システム、メタル触媒など、様々な専用装備を採用することで達成しています。

実際に走らせてみると、エンジンフィールはいかにもスポーツカー然。頂点に達するのは5000rpm前後ですが、2000rpm程度でも十分にトルクフルで強烈な加速が味わえます。5速MTもギア比に手が加えられており、サスペンションが固められたことで足回りもかなり踏ん張りが利き、スポーツカーらしい仕様になっています。

一方で内外装の仕様は、驚くほど「普通」。リアに大型のスポイラーが装着され、室内はフロントシートにいかにも本気度満点のバケットシートが装着されている程度です。アルミのペダルやシフトノブなど、細部はそれっぽい雰囲気を醸し出す演出がされていますが、普段使いしても全く違和感のない内容です。
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原稿執筆時点でカーセンサーnetに掲載されている206RCの数は11台。相場は59万~178万円ですが、価格は走行距離とほぼ比例しており、10万kmを超えないと80万円以下の物件は見つからず、一方で5万kmを切る物件は130万円以上の価格設定です。もっとも、スポーツカーながら修復歴車が1台もないのは好材料でしょう。

ホンキの走りもかわいいルックスも味わえる206RCは、一挙両得の選択肢。様々な場面でマルチに使いたい人も、いざという時に驚きの走りを見せつけてあっと言わせたい人も、興味をもった方はぜひ下の検索窓に「206 RC」と入力して検索してみてください。


Text/渡瀬基樹