コストパフォーマンスを追求する人生の美学

新車で高級セダンを買ってくれるユーザーに、心底感謝です。しかもセダン不人気の影響があるのか、中古車相場は比較的低迷中と言っていいでしょう。100万円台という予算でも、ホント様々なモデルが狙えるものです。気になる車は中古車カタログや物件をチェックしてみてください。家族で乗るもよし、恋人と乗るもよし、会社の同僚と乗るもよし。コストパフォーマンスの良さを追求する車選び、ひいては人生における勉強にもなります。

第5位は日産シーマ(現行)。威風堂々とした日産を代表する高級セダンです。現行型なのに、デビューから時間がたっているため100万円台でも余裕で狙えるんです。機関銃の銃口のようなヘッドランプ、今でも新鮮味があります。ゴージャスな雰囲気はあからさまに高級感があるのではなく、物理的なゆとりから感じさせてくれます。家族で乗ってもいいし、恋人にもウケは悪くないでしょう。4.5LのV8エンジンは、最高出力280psを軽々とたたき出します。

第4位はトヨタセルシオ(絶版)。単純に値落ち率で考えれば、意外と高値安定しています。でも新車のヴィッツくらいの予算で買えるなら、コストパフォーマンスは抜群。知っている人は多いんでしょうね。ライバルに比べれば格段に売れ、中古車でも高い人気を誇っています。良くも悪くも外の世界と隔てるリアリティの薄い乗り味は、トヨタ独自の高級感を打ち出しています。V8エンジンの低速トルクを生かした重厚感あふれる加速力、これもトヨタ流の高級です。

第3位はM・ベンツSクラス(旧型)。旧型になると格段に値落ちするようになった、最近のM・ベンツ。Sクラスとて例外ではありません。現行モデルと比べると、かなりスポーティなデザインであったことがうかがえます。"オジさん臭い"イメージから脱却したかったんでしょうね。走りも軽快感と快適性の両立を図ったような印象を、今でも覚えています。走行距離が多いものは、足回りが大幅にリファインされた後期型ですら100万円台後半で流通することも。

第2位はアウディS6(旧型)。流通台数がめっきり減っています。傍目は単なるA6なんですが、S6は正真正銘の「羊の皮を被った狼」。レカロシートに身を包まれ、アクセルペダルを踏み込めばジェットコースター並みのGを体感できます。V8エンジンはシャンシャン高回転まで回りますし、ブレーキも重たいボディの慣性をしっかり受け止めます。これに4WDを組み合わせているんです。走りの官能よりも、本当は武装系。100万円台は絶対に買い、です。

第1位はホンダレジェンド(現行)。依然、現行モデルですし、デビューからそれほど時間もたっていないことから、100万円台後半が主流です。ホンダのテクノロジーを満載した車は、センサーの塊と呼んでもいいかもしれません。ホンダがアシモ(2足走行ロボット)を開発しているのは、本当はセンサー技術の追求なんだと思っています。駆動力を前後だけでなく左右にまで最適に配分するって、凄くないですか? コーナリングスピード、スポーツカー並みです。

フォトコレクション

写真:第5位:日産シーマ(現行)|なんでもベスト10

第5位:日産シーマ(現行)

写真:第4位:トヨタセルシオ(絶版)|なんでもベスト10

第4位:トヨタセルシオ(絶版)

写真:第3位:M・ベンツSクラス(旧型)|なんでもベスト10

第3位:M・ベンツSクラス(旧型)

写真:第2位:アウディS6(旧型)|なんでもベスト10

第2位:アウディS6(旧型)

写真:第1位:ホンダレジェンド(現行)|なんでもベスト10

第1位:ホンダレジェンド(現行)

Report / 古賀 貴司