セリカのワゴン版? 鋭い走りの独創的ツーリングワゴン

2002年9月に登場した3代目カルディナは、歴代で初めて国内専売となったモデルです。3ナンバーサイズ化され、ツーリングワゴンの雄であるスバルレガシィツーリングワゴンを追撃すべく開発されました。今回はその中でも、最もスポーティなグレードとしてラインナップされた、カルディナ GT-FOURをご紹介します。

新車時の車両本体価格は271万円。「GT-FOUR」という名前は、かつてセリカのハイパフォーマンスグレードにもつけられた名前で、WRC(世界ラリー選手権)モデルのベース車両としても有名です。この名前を冠したところに、レガシィの牙城を崩そうという、トヨタの本気度がうかがえます。

エンジンは最高で260psを発揮する、2L直4DOHCターボを搭載。トランスミッションはシーケンシャルモード付きの4ATで、駆動方式はセンターデフにビスカスカップリングを使ったフルタイム4WDとなっています。走行性能は非常に高く、独ニュルブルクリンクでのテストラップではスープラを上回るタイムを叩き出したというから驚きです。
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さらに前期型には、走りを極めたNエディション(Nはニュルブルクリンクに由来)というトップグレードも設定されていました。フロントサスペンションに倒立式ダンパーを、リアにはカヤバ製のモノチューブショックアブソーバーを採用して足回りを強化。レカロ製スポーツシートも標準で装備されています。

デザインや走りは「セリカ GT-FOURのワゴン版」といったところ。エクステリアは三角形が多用された個性的なもので、WiLL VSにも通じる独創的なデザイン。後方視界が悪いという側面もありますが、トヨタにしてはかなりトンガったユニークなフォルムです。走行性能もパワー、操舵性、足回りなど、全体的にハイレベル。もっとも、ミッションが4ATという点には不足を感じるかもしれません。

ワゴンとしてのユーティリティ性能はまずまず及第レベル。デザイン優先のためか開口部は若干狭め。後部座席はフラットにできますが、一度座面を前に跳ね上げる2アクション式です。ただ、6:4の分割可倒式になっていたり、タイヤハウスの張り出しが抑えられていたりと、使い勝手への配慮は十分になされています。
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原稿執筆時点でカーセンサーnetに掲載されているカルディナ GT-FOURは29台。このうちNエディションは6台でした。価格は59万~149.1万円ですが、走行距離が4万kmを下回る車両がわずか3台(うちNエディションは1台)しかありません。フレッシュな低走行車を狙う場合は、急がないと探すのがなかなか難しいのが現状です。

クーペ、オープンに続き、実は絶滅危惧種になりつつあるステーションワゴン。現在、トヨタがラインナップしているモデルは、なんとカローラフィールダーしかありません。トヨタファンのみならず、ワゴンに魅力を感じている人はぜひカルディナ GT-FOURを検討してみてはいかがでしょうか。下の検索窓に「カルディナ GT-FOUR」と入力してみてください。


Text/渡瀬基樹