THE!対決

PART8 スタッフ座談会開催

Report/編集部 Photo/奥隅圭之
トヨタ クラウン
トヨタ クラウン 走り|THE!対決
↑ステアリングを握っていても(いい意味で)運転していることを忘れさせてくれるような感覚になるという声が多いクラウン。単なる移動ではなくリラックス空間としての評価が高い
トヨタ クラウン インパネ|THE!対決 ストヨタ クラウン NAVI・AIシフト|THE!対決
日産 フーガ
日産 フーガ フロントスタイル|THE!対決
↑あくまでスポーティさを重視したフーガ。だからと言ってセダンのマナーの良さは損なわれていない。この車を気に入った編集部員もそこに惹かれていた。インパネなどの演出も若々しい
日産 フーガ インテリア|THE!対決 日産 フーガ センターコントロールスイッチ|THE!対決

車の性格はインテリアデザインにも表れている

高橋:トヨタと日産。両ブランドの高級セダンをリポートしてきましたが、乗った感じはいかがでした?
籠島:両方ともものすごく楽だよね。それを前提に話をすると、クラウンアスリートはまるで車を運転していることを忘れてしまうような感覚がありました。もちろんこれは良い意味で。リビングのソファに座っているように車内が恐ろしく静か。エンジン音はもちろんロードノイズなどもほとんど入ってこないんですよ。ステアリングも軽いから余計な力を必要としない。その分周囲の安全に気を配れる感じがしたなぁ。
福田:対するフーガは、クラウンとは反対に、運転感覚を積極的に楽しませてくれる雰囲気がありましたね。エンジン音が適度に入ってくるのも意図的だろうし、パドルシフトやリアアクティブステアなど走りを積極的に楽しむ装備も充実している。余談だけれど先日カーセンサー本誌の撮影で旧型オーナーに集まってもらって、新型クラウンアスリートとフーガを試乗してもらったんですよ。フーガはすごく評判良かったけれど、クラウンアスリートはアスリートっぽさが薄まったかもという意見が目立ちました。
高橋:フーガのスポーティさは下品じゃないですよね。いい音はするし楽しめるけれど、やんちゃじゃない。PART7で島崎さんが面白いたとえをしていたのが印象的でした。「クラウンはクリームパスタのような乗り心地で、フーガはガーリックが効いたトマトソース」。心地よい刺激なんですよ。でも品の良さで言ったら、クラウンのほうが圧倒的に上。この車を買う人の多くは40代以上だと思うのですが、フーガなら彼らの子供世代もたまに「父さん、車貸してよ」と言って遊びに行けそう。一方のクラウンアスリートは上品すぎて20代の人だと気後れしちゃうんじゃないかと感じました。余計な心配かもしれないけれど。
子安:それって運転席回りのデザインにも表れているかもしれないですね。フーガはメーターがブルーや赤、いろんな色に光ってとてもきらびやか。クラウンはとても控えめで落ち着いた印象を受けました。これはどっちが好きかは完全に好みの問題。少し派手めが好きならフーガ、シックなものが好きならクラウンを選ぶとしっくりくると思います。

最新技術を惜しみなく投入した両車には脱帽

籠島:投入されている先進技術にも触れたいんだけれど、フーガのインテリジェントペダルはものすごいね。前方の車に接近すると、本当にペダルが足を押し戻すのがわかる。インテリジェントクルーズコントロールも画期的だよ。
高橋:クラウンのカーナビと連動したアクセル&ブレーキ制御もすごいなって思いました。ついにここまで来たかと。
福田:僕はフーガのカーナビが気に入りました。直観的に操作できるボタンの配置のしかたとか。これならメカに弱い人でも安心できると思う。決してクラウンのナビが使いにくいというわけではないけれど、フーガの出来の良さに感動したという感じです。
子安:私はいろんな意味で、クラウンに安心を感じましたね。搭載されている技術面はもちろん、後部座席も真ん中までゆったりと座れる感覚とか。
高橋:それではそろそろ「もし買うならどっちを選ぶ?」と結論づけてみましょう。まず僕から。僕はフーガを選びます。判断基準はスポーツセダンという点。やっぱり走った時の楽しみはより多く残っていたほうが嬉しいなって思いまして。走り自体の感覚もそうなんですが、音だったりパドルシフトだったりという演出面でフーガのほうに惹かれました。あと今回試乗した2台だけを比較すると、フーガのほうが車両価格で約100万円安いんですよね。そこも魅力。
福田:僕もフーガを選びます。基準は高橋さんと同様です。ただ本気のスポーツセダンを選びたいと思ったら、今回試乗したフーガの350GTタイプSでもやや不満が残る。一番のお勧めは450GTタイプSです。
子安:私はクラウンがいいですね。運転した時のあの楽な感じはなかなか忘れられません。いい意味で車を感じない、疲れない楽しみがあるんです。遠出をしてもそこで存分に楽しめる。クラウンはぜひ親に乗ってほしい。ゴルフのために長距離を走るタイプなんですが、クラウンなら安心していられます。
籠島:僕もクラウン。福田がフーガなら450GTタイプSだと言っていたけれど、僕も同感。同じ3.5L同士ならクラウンアスリートの楽さを取りたいな。あとフーガを選ぼうとしたらライバル車として欧州のセダンなんかも考えそう。でもクラウンアスリートはそれらとは完全に別のところにいる感じがした。唯一無二の純和風セダン。アスリートもいいし、ロイヤルも積極的に考えたいね。
今回のまとめ
編集部員の好みは見事に分かれた。スポーツセダンとしての性能を重視したいならフーガ、トータルバランスで選ぶならクラウンということころか。子安は本気で親に勧めたいと息巻いていました。
今回のテスト車両
トヨタ クラウンアスリート フロント|THE!対決
トヨタ クラウンアスリート リア|THE!対決
トヨタ クラウンアスリート インパネ|THE!対決
トヨタ クラウンアスリート
テスト車両 3.5アスリート
Gパッケージ(2WD)
567.0万円
駆動方式 2WD(FR)
トランスミッション 6AT
全長×全幅×全高(mm) 4870×1795×1470
ホイールベース(mm) 2850
車両重量(kg) 1660
最小回転半径(m) 5.2
乗車定員(人) 5
エンジン種類 V6DOHC
総排気量(cc) 3456
最高出力
[kW(ps)/rpm]
232(315)/6400
最大トルク
[N・m(kg-m)/rpm]
377(38.4)/3500
使用燃料 無鉛プレミアム
燃料タンク容量 71L
10・15モード燃費
(km/L)
10.0
タイヤサイズ 225/45R18
日産 フーガ フロント|THE!対決
日産 フーガ リア|THE!対決
日産 フーガ インパネ|THE!対決
日産 フーガ
テスト車両 350GTタイプS(2WD)
468.3万円
駆動方式 2WD(FR)
トランスミッション 5AT
全長×全幅×全高(mm) 4935×1805×1510
ホイールベース(mm) 2900
車両重量(kg) 1710
最小回転半径(m) 5.6
乗車定員(人) 5
エンジン種類 V6DOHC
総排気量(cc) 3498
最高出力
[kW(ps)/rpm]
230(313)/6800
最大トルク
[N・m(kg-m)/rpm]
358(36.5)/4800
使用燃料 無鉛プレミアム
燃料タンク容量 80L
10・15モード燃費
(km/L)
9.3
タイヤサイズ 245/40R19