THE!対決

PART1 走行性能が優れているのはどっち?

Report/島崎七生人 Photo/奥隅圭之
マツダ アテンザスポーツワゴン
マツダ アテンザスポーツワゴン 走り|THE!対決
↑エンジンスペックから想像するより加速、アクセルレスポンスは良い。エンジンは回しても機械的ストレスがないタッチで、タコメーターの針に弾みをつけてくれて気持ちがいい
マツダ アテンザスポーツワゴン ドライビングポジション マツダ アテンザスポーツワゴン 後席
スバル レガシィツーリングワゴン
スバル レガシィツーリングワゴン 走り|THE!対決
↑アテンザより軽快感があるのは、4WDにより駆動力が効率的に路面に伝えられ、車がしっかりと前に進むからだろう。乗り心地もフラット感があり、実に快適
スバル レガシィツーリングワゴン ドライビングポジション スバル レガシィツーリングワゴン 後席

軽快な走行フィールが特徴的なアテンザ

今回ロケに連れ出したのは、アテンザスポーツワゴンが「25EX」、レガシィツーリングワゴンは車両の都合で2Lモデルの新設定グレード「2.0GT EyeSight」をそれぞれ用意した。

アテンザが搭載するのは、170ps/23.0kg-mの性能を発揮する2.5Lの直列4気筒DOHCエンジン。これに5速AT(アクティブマチック)が組み合わせられる。ボディがやや大柄なので、果たして走りはどうか?の印象をもつものの、実際のところはなかなかどうして、軽快なもの。車重はカタログ数値で1490kgにとどめられていることもあり、エンジンスペックから想像するより加速、アクセルレスポンスも良い。エンジンは回しても、いかにも機械的ストレスがないタッチでタコメーターの針に弾みをつけてくれて気持ちがいい。

個体差だったのか、ロケ車では、ステアリングのセンター付近で少々不自然なアシスト感があった。が、サスペンション自体はトレッドが広いこともありフィールは良好で、コーナリングではスッと内側の足を伸ばした姿勢を保って駆け抜けてくれるし、乗り心地も、スピードを上げるにつれ、よりフラット感が増すタイプだ。

ただしロケ中、雨にたたられたせいもあり、フロントタイヤ(ホイールハウス)周辺が音源のロードノイズが、やや室内に大きく届くのを実感した。

フル乗車時でも、前席で実感する走行中のロードノイズ(タイヤノイズ)はやや大きめ。「会話するのに、声をやや大きくする必要がある」の指摘があった。「レガシィより、走行中にいろいろな音が入ってくる印象」との声も。乗り心地は「やや硬さを感じるが、車が跳ねるようなことはない」。ちなみに今回の試乗車は、サイズ違いでスペックも異なるはずだが、アテンザ、レガシィともにBSのポテンザRE050Aだった。

乗り心地も「ショックの伝わり方にややカドがあるが、単独で見れば悪くない」とのこと。

パワー、キレ、安定感・・・熟成極まるレガシィの走り

一方でレガシィは2Lターボ搭載車。こちらはツインスクロールターボ、可変バルブタイミングなどのチカラで260ps/35.0kg-mのスペックをもつ水平対向4気筒エンジンを搭載する。

走りは、相変わらず、コカコーラのようにスカッとさわやか、だ。まず良いのは、エンジンフィール。7000rpmまでを許容するエンジンだが、いつもながら回すと活き活きと吹け上がってみせ、ただカラ元気なだけでなく、パワー感もしっかり伴っているのが魅力。なのでこの車に乗ると、ついつい前へ前へ・・・と気持ちがハヤる。ちなみに100km/h走行時のエンジン回転は、5速で2200rpm、4速で2700rpm、3速で4000rpm。ATでも多段化が一般的になりつつあるが、この車の場合、エンジン特性がフレキシブルでもあるので、5速ATでも大きな不満は覚えない。

また例のSI-DRIVEを活用すると、より走りが楽しくなる。S#に切り替えた際のキレのいいパワー感など相当な手応えだ。

キレの良さといえば、ハンドリングもそう。ステアリングを切るとスッと車が反応してくれ、コーナリング時の安定感も、もちろん申し分なし。アテンザから乗り替えると、レガシィのボディサイズはちょうどいいと思える。なおロケ車の車重は1490kgと、アテンザと同じ重量。なのに軽快感があるのは、4WDにより駆動力が効率的に路面に伝えられ、車がしっかりと前に進むからだろう。乗り心地もフラット感があり、実に快適。

フル乗車での評判も上々だった。試乗車はビルシュタインのダンパーを装着していることもあり「乗り心地がとにかく良い」「荒れた路面でも跳ねない、安定している」「人数が乗っても乗り心地が悪くない」など、評価は高い。「いたってケチのつけようがない」「良い感じで完成している」。本連載で試乗済みの車種中「フル乗車時でトップクラスの乗り心地の良さ」とはスタッフの総意。なおSI-DRIVEのS#であれば、エンジンパワーもまったく不満がなかった。
今回の燃費計測結果
  平均燃費 参考燃費
(一般道)
参考燃費
(高速道路)
マツダ アテンザスポーツワゴン 13.2km/L 9.0km/L 15.3km/L
スバル レガシィツーリングワゴン 13.0km/L 8.9km/L 15.2km/L
燃費計測ルートは・・・
東京・青山→神奈川・大井松田(ここまで一般道)→東名・静岡IC→東名・海老名SA
総走行距離 310.5km
今回のまとめ
ともに走りに特徴をもつ車。ヨーロッパテイストのアテンザに対し、熟成を重ね続けるレガシィ。いずれもドライバーズカーとしては個性的であり、甲乙つけがたいが、フル乗車時のスタッフの感想から言えば、レガシィに軍配が上がる。ステーションワゴンとしては、やはり多人数乗車は欠かせないとの編集部の判断だ。
今回のテスト車両
マツダ アテンザスポーツワゴン フロント|THE!対決
マツダ アテンザスポーツワゴン リア|THE!対決
マツダ アテンザスポーツワゴン インパネ|THE!対決
マツダ アテンザスポーツワゴン
テスト車両 25EX
267.0万円
駆動方式 2WD(FF)
トランスミッション 5AT
全長×全幅×全高(mm) 4765×1795×1490
ホイールベース(mm) 2725
車両重量(kg) 1490
最小回転半径(m) 5.4
乗車定員(人) 5
エンジン種類 直4DOHC
総排気量(cc) 2488
最高出力
[kW(ps)/rpm]
125(170)/6000
最大トルク
[N・m(kg-m)/rpm]
226(23.0)/4000
使用燃料 無鉛レギュラー
燃料タンク容量 64L
10・15モード燃費
(km/L)
12.8
実用燃費 (km/L)
e燃費提供
9.6
タイヤサイズ 215/50R17
※実用燃費のデータはe燃費の提供です
スバル レガシィツーリングワゴン フロント|THE!対決
スバル レガシィツーリングワゴン リア|THE!対決
スバル レガシィツーリングワゴン インパネ|THE!対決
スバル レガシィツーリングワゴン
テスト車両 2.0GT EyeSight
347.025万円
駆動方式 4WD
トランスミッション 5AT
全長×全幅×全高(mm) 4680×1730×1470
ホイールベース(mm) 2670
車両重量(kg) 1490
最小回転半径(m) 5.4
乗車定員(人) 5
エンジン種類 水平対向4ターボ
総排気量(cc) 1994
最高出力
[kW(ps)/rpm]
191(260)/6000
最大トルク
[N・m(kg-m)/rpm]
343(35.0)/2000
使用燃料 無鉛プレミアム
燃料タンク容量 64L
10・15モード燃費
(km/L)
13.0
実用燃費 (km/L)
e燃費提供
9.5
タイヤサイズ 215/45R17
※実用燃費のデータはe燃費の提供です