ポルシェ 911▲今号はポルシェ 911の中間世代となる993、996、997型の3世代を特集。各モデルの特徴や相場、バリエーションなどに加え、2025年の最適解などを検証。販売店や整備のエキスパートにも相場や台数の状況、選び方や愛で方などを聞きます

高騰する911の中古車相場の“隙”を突く狙いの3世代に注目!

相変わらずポルシェ 911の人気ぶりは衰えることがなく、それに比例するように多くの世代の中古車相場は高値安定で推移しています。高年式世代の911ともなれば、新車時価格も高いうえに、状態の良い物件の比率も多く気軽に手を出せる価格ではなくなってきています。では、古い世代ならば……と空冷世代に目を向ければ、もはや現行型を新車購入検討できるようなプレミア価格ゾーンに飛び込んでいます。

ただ諦める必要はありません。中間世代となる993、996、997型の3世代の現在の相場はさほど高騰していないようです。ロングセラーモデルにはよく起きる現象でもありますが「ちょっと古い世代」、つまり車両の品質が保たれていて相場が落ちてこない新しい世代に比べれば確かに古さは感じるものの、クラシックカー価格にはまだ突入し切っていない微妙な世代には、いったん相場が落ち着く瞬間があるのです。

空冷最後の世代となる993型、水冷化した前半の世代となる996型、997型については、今がまさにその瞬間を迎えていると言っても良いでしょう。
 

ポルシェ 911▲涙目型のヘッドランプが特徴的な996型。販売店でコンディション良好な996型カレラにアプローチしました
ポルシェ 911▲空冷エンジン最終搭載モデルとなる993型。値上がりを続ける“ネオクラシックカー”の現状を販売店で聞きました

新しいモデルから“乗り帰る(乗り替える)世代”には、911ファンが好む味がある!?

さらに、価格だけが注目世代としている理由ではありません。本当に注目してもらいたいのは、高年式の911を乗っていた人たちがこの世代に戻りつつある……という動きがあることです。これは一体どういうことでしょう。

性能面だけで考えれば最新モデルがベストと言えますが、新しいモデルからこの世代に乗り帰る(乗り替える)現象が見られるということは、一部の911好きが求めているのは絶対性能ではないのかもしれません。

この3世代は空冷から水冷へ移行した大変革世代でもあります。言い換えれば、空冷として成熟に達した世代と、最新型の始祖となる水冷化初期世代です。まさに911の変遷の歴史はもちろん、911乗りだからこそわかる美味がこの3世代にはたっぷりと詰まっていそうです。新型を以て「911は大きくなりすぎた(パワーとボディサイズ)」という意見も少なからずあることを考えれば、実はこの3世代はすべてが絶妙なサイズでもあります。

そこで今号は、そんなちょっと古い世代の911事情にフォーカスしてみました。今、価格とサイズと味のベストバランスの911は、993、996、997型なのです。
 

ポルシェ 911▲1994年に登場した4世代目となる993型。カレラ(クーペとカブリオレ)から導入され、エンジンは964型から受け継ぐ空冷3.6Lを搭載。一方でリアサスペンションにはマルチリンク式を採用するなど大幅に進化している

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ポルシェ 911▲全面的に刷新した現代911の祖、996型。1998年に登場した際には、やや大型化したボディや3.4Lの水冷DOHCエンジンを搭載したことが話題になった

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ポルシェ 911▲丸型ヘッドライトを筆頭に、クラシックな911のデザイン要素を多く取り込んで2004年に登場した997型。デビュー当初からクーペやタルガ、カブリオレといった多様なボディ、RRと4WD、そして異なるパワーユニットと多くのグレードを展開した

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文/編集部、写真/ポルシェジャパン、郡 大二郎、デレック槇島、イラスト/あべ あつし

カーセンサーEDGE 2025年2月号
今、選ぶべき911注目世代

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