ジープ ラングラー▲ラインナップの中では快適路線のチェロキーやグランドチェロキーと異なり、ひたすらストイックなオフローダーとして磨き上げられてきたのがラングラー。しかし、2007年に登場した3世代目(JK型)にホイールベースを延長した5ドアモデルを発表。乗り心地も大幅に見直され、一躍SUV界の人気モデルになりました。現在では、新車、中古車ともにブランドを支える中心モデルです。新車本体価格518万円(3ドア・SPORT)から

他のSUVとは異なる味、孤高のオフローダー「Jeep」

大人も子供も、そのブランド名を聞けば「背中にタイヤを背負ったクロカンSUV」を思い描く、それがJeepです。

1940年代、アメリカ陸軍が使用した軍用モデルを起源とし、常に「悪路走破性」「高い耐久性」が求められてきました。

その後、徐々に実用性を高めたモデルが開発され、1960年代にワゴニア、1970年代にチェロキー、1980年代になると初代からの伝統を受け継ぐCJシリーズの名前がラングラーになりました。現在は、コンパクトなレネゲードなどもラインナップされています。

そして、Jeep創設時の理念「どこへでも行ける、なんでもできる」は、味の「濃い」「薄い」はありますが、今もすべてのモデルにしっかりと受け継がれています。

現在、SUVはその人気から車種が豊富です。ただ、良くも悪くもすべてが快適で、個性が際立つモデルは意外に少なかったりします。しかし、Jeepは見た目、乗った印象ともに他とはまったく違う味が楽しめます。

その分かりやすい例が、5ドアモデルを追加し、近代化が図られたことで一気に人気モデルに上りつめたラングラーです。昔ながらの四角くゴツゴツしたフォルム、本格オフローダーとしての4WD性能やサスペンション構造、悪路での周囲確認がしやすいような基本設計など、JeepのDNAを最も濃く継承しています。初めて乗る人は硬めの乗り心地やシンプルで大味なインテリアに戸惑うかもしれません。しかし、その乗り味はJeepの大きな武器ですし、車内デザインも極寒の地で手袋をはめていても操作が可能なように、ダイヤルなどを大きめにしているという理由のある機能美なのです。

快適性ならグランドチェロキーやチェロキー、日常の扱いやすさならレネゲード、本格派ならラングラー。好みや用途に合わせてその味の濃さが選べるように、カーセンサーEDGE 9月号ではJeepブランドを総力特集します。ぜひ、自分のライフスタイルに合ったサイズ、味、年代のJeepを探してみてください。
 

ウィリス MA▲1940年にウィリス クァッドとして誕生したJeep。写真はそのウィリス クァッドをベースに軽量化などの改良を加えて生産されたウィリス MA。その後、農作業にも使えるように進化して名前をCJに変更し、1987年に現在のラングラーという車名に変更される。ヘッドライトやグリル、シルエットなど、そのデザインも現行モデルに継承されていることが分かる
ジープ ラングラー▲快適性が高められたモデルではあるが、悪路走破性を失ったわけではない。特にトップグレードに用意されている「ルビコン」は、まさに最強のラングラーと呼べるもの。ルビコントレイルという山脈を走破するイベントから名前が与えられたこのモデルは、デフロック機能をはじめ多くの特殊機構を採用。現在Jeep車最高の技術が体感できるモデルだ。新車価格は638万円

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ジープ ラングラー(現行型)× 全国
ジープ ラングラー▲5ドアのアンリミテッドとは異なる、ハード指向のモデルとしてマニアにも人気なのがショートボディの2ドアや3ドアモデル。ラングラーの基本はこのスタイルであり、現行モデルにも設定されている。ワイルドなモデルが好みの人は、乗り心地などもハードな第2世代(TJ型)を狙うのもアリ。写真は2007年式、走行距離0.4万kmで車両本体価格は198万円(取材協力・アメ車専門店 GLIDE)

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ジープ ラングラー(2代目)× 全国
“ジープ レネゲード▲気軽に乗れるJeepブランドのエントリーモデルとして、2015年から販売されているレネゲード。全長約4.3mとサイズも手頃なうえ、現在はPHEVモデルが追加され、街中でも乗れるJeepとして幅広い層から支持を集めている。人気ゆえに中古車流通量も豊富なので様々な色、仕様から選べる点もうれしい(取材協力・Jeep府中)

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ジープ レネゲード× 全国
ジープ チェロキー▲日本でも高い人気を誇ったのが、1984年に登場した2世代目となるXJ型のチェロキー。登場から数年後に国内導入が始まったが、新車価格が抑えられていたこと、当時のRVブームもあって大ブレイク。そのスクエアなデザインに惹かれるファンは今も多い。しかし、年式を考えると決して敷居は低くないのでお店や車両選びは慎重に。実績のあるお店で状態の良い物件を探し、好みの1台と出会えれば……。ラングラーとはまた異なる濃いJeepライフが送れるはずだ(取材協力=Canon Ball)

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ジープ チェロキー(初代)× 全国
文/編集部、写真/デレック槇島、GMジャパン、イラスト/あべ あつし

カーセンサーEDGE 9月号
孤高のJeep

表紙